LAST TOUCH の攻防

最後にさわれ、最後に笑え

February 28, 2002

小学中頃から、どのクラブでも、相手より先にボールにさわるように仕向けた1対1を練習メニュー に加えて

いるはずだ。高槻FCでは、そのうえで、5年チームになると「先にさわれ!」と指示している。慣れるのが先

で習うつまりコトバが先でないことに留意してほしい。

これは最も基本的な個人戦術である。だが優秀選手を育てるには尻切れトンボである。

先にさわるのはうまいがその後取られたらそれでおしまいになる選手がたまにいる。球際にねばりが足り

ない選手である。そこで指導者は「とられたら取り返せ」と注意するのが普通である。

またライン際、ゴール際であきらめてボールを追わない選手が多い。中山選手みたいに最後までボールを

追う選手はむしろまれだ。むろん指導者はそのつど「最後まであきらめるな」と声をかけるに違いない。

球際、ライン際、ボール際に執着する選手を多く育てるにはこれだけでは不十分である。

この三つを一括して概念化し、練習メニューにも反映させねばならない。

例によってまず概念化・・・「最初にさわれ、最後にさわれ」

先にさわる選手は目立つ標準選手である。最後にも触る選手は「最後に笑う」優秀選手である。

そこで蛇足を省いてより洗練されたキーワードを用意しよう。 「最後にさわれ、最後に笑え

どんな概念もメニュー化できなければ絵空事で終る。冒頭にあげた1対1は普通ミニゴールを向かい合わ

せた間でおこなわれる。ミニゴールのかわりに、ラインまたはラインボックスをゴールに見立てる。これだけ

で、指導者が何も言わなくても、目的を達成できる。

つまりミニゴールの場合は、シュートが入るか外れるかしたらそれでプレイが終るがラインボックスの場合は、

ボックスの中でワンタッチを得点の条件にしておけば、ワンタッチするか、させないかをめぐって激しくて速い

攻防がライン際で自然にくりひろげられる。

結論・・・普通初動で勝れば有利になるから、初動ばかりが強調されるが、終動も同時に習慣にさせたい。

蛇足・・・知る人ぞ知るワールドウィング代表小山氏のトレーニング初動負荷理論から「初動」と「終動」の言葉

だけを借りた。扱う分野が違うので内容はなんら関係ない。小山氏はトレ−ニングの負荷理論を概念化し、

筋肉が疲れなくて固くならないトレーニング法を開発してアスリートたちの厚い信頼を得ている。

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