第三回コンサート

 
 

<音>……

それは不思議なものです。

果たして、

私たちの生活の中から<音>を切り放すことが出来るでしょうか?

だとすれば、私たちは何時も気持ちの良い<音>を聴きたいものです。

でも、その難しさは、<音>を聴く人の生活環境や、

そのときの感情と言ったものに、非常に大きく左右されると言うことです。

ある人にとっては非常に素晴らしい<音>が、

別の人にとっては雑音であるかもしれませんし、

その逆もあるでしょう。

癒しを与える<音>もあれば、気分を高揚させる<音>もあります。

では、どれが本当の<音>なのでしょうか?

風の<音>?波の<音>?それとも、小鳥たちの囀り?都会の雑踏?

しかし、あくまでも、<音>は<音>なのです。

でも、その<音>を組み合わせて、意味を感じとり、

そして、それに、意味を与えていくのは我々なのです。

それでは、私がどうやって<音>を創り出しているかというと、

そのとき、私自身が必要とする気持ちの良い<音>を組み合わせていって、

それが、鍵盤の中に写し取られたとき、

何時しかそれが<音楽>というものになって、

<音>の<曼陀羅>になっていくのです。



<演奏曲目>

ILLUSIONS

Celestine

OZE

北アルプス幻想



今回のコンサートも<光>と<音>をテーマに、ビデオ映像と、ピアノ・シンセサイザーを組み合わせたコンサートになりました。<ILLUSIONS>は、前回と同様に、<シム・シメール>の幻想的な動物たちの映像をビデオ映像に編集し、音楽をつけました。<Celestine>は<ガブリエル・パンサン>と言う、私のお気に入りの絵本作家の<セレスティーヌ>と言う絵本を、ビデオに編集し、音を創り出しました。。<OZE>は、友人の河原さんの撮った<尾瀬>の映像を、<北アルプス幻想>では、山好きの私自身が撮り溜めた数千枚ものスライド写真の中から傑作写真を選んでビデオ映像に編集し、幻想的な音を創り出せたと思います。

平成7年7月7日<ヴォーリズホール>