品川駅東口の高輪の深い緑のなかに、都市型ホテルが数多く点在している。
 子供達の夏休み期間中、ホテルを会場に"クマのプーさん"のイベントが開かれ、街は頭の上にプーさんの風船を嬉しそうに連れた親子づれで賑わっていた。

 "クマのプーさん"はイギリスの作家A.A.ミルン氏による、一人息子クリストファー.ロビンと彼の愛したクマのぬいぐるみプーとその仲間達をモデルとした作品で、世界中で多くの人々から愛されつづけられている。

 クリストファー・ロビンは96年4月、75歳でその生涯を閉じたが、彼は自らの自伝の中で、その作品のイメージとは裏腹に現実の親子関係は冷えたもので…、自身もいつまでもついてまわる"プーさんのクリストファー"という呪縛から逃げるような生活をしていたと告白している。
 これほど、多くの人々に愛されつづけられている"クマのプーさん"と現実の寒ざむしい親子関係のギャップはどこから生まれてしまったのだろうか…。
 会場から品川駅までクマのプーさんの行列はつづいていた。


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