以前、山手線で通勤していた頃、よく知らずに大崎止まりの電車に乗り合わせていまい、大崎駅のホームで継続の電車を何故かひどく損をした気分で待ったものだった。
 ホームからの風景は西側は明電舎・SONYの工場で視界は閉ざされ、東側は大崎ニューシティーのツインビルがやたら目についたことしか印象に残っていない。
 現在、大崎ニューシティの隣接地にゲートシティー大崎という巨大ビジネスビルの建設が進められ、土音が響いている。

 大崎駅は過去に1回原美術館へ行くのに降りたことがある。駅を降りて、これが10年ぶりの大崎であることを知らされた。
 当時大崎ニューシティの完成イベントを見たが、今回は10周年のイベントに出くわしたからだ、イベントのなかで、大崎駅構内の芋掘り体験コーナーでちょうど10歳位の女の子が嬉しそうに芋掘りを楽しんでいる様子を見て、この10年の時の流れを感じてしまった。

 大崎の町を歩き、そろそろ帰ろうかと思った時、目の前を大きな猫が横切り、立ち止まった。写真を撮ろうとすると、この街の表面の上面だけ見て、満足するのかと不満そうな表情をフィルムに残して、足早に去っていった。


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