池袋駅に降り立つ度に、何故か「不思議な不思議な池袋。東が西武で、西東武。高くそびえるサンシャイン…。」と口ずさんでしまう。池袋に本店を構えるビックカメラの店内放送の歌である。

 東口を出たところにすぐ、奇妙なポーズの組み合わせの巨大なブロンズ像がある。「大地の像」であるが…、このてのものにありがちなお節介的な説明プレートがないためか…、その名前すら知られていない。人に伝える時には「駅前の変なポーズの像」でつうじるのがなんとも情けない存在である。
 「大地の像」はフランスの著名な彫刻家ルイ・デルブレの作品で昭和47年(1972年)池袋駅前広場整備に合わせ西武百貨店からの寄贈で設置された。二体の像は「愛と自由」を表現しているとのことである。

 サンシャインシティには都市型水族館のはしりとなった「サンシャイン国際水族館」がある。人気ものはラッコとマンボウであるが…、暑い日差しの中、ただ立っているペンギンと淡い照明の中、浮遊しているタコクラゲの前で多くの時間を割いてしまった。
 タコクラゲがカサを下に浮遊しているの見て、こういう習性なのかと思っていたが…、気になって図鑑で調べてみるとカサを上に掲載されているので、サンシャイン国際水族館に問い合わせてみると、「水槽内の水流の関係でときどきカサを下に浮遊する」とのことである。
 タコクラゲは水槽内をただ浮遊しているだけでなく、「愛と自由」を表現しているのかもしれないと知った。

 気づいたら「不思議な不思議な池袋…」と口ずさんでいた。


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