東京大学創立120周年を記念して、東京大学120周年記念大学展「学問の過去・現在・未来」が本郷キャンパスで開かれた。

 展示の企画として、大学創立前夜から明治後半までの研究に使用された学術標本・東京大学が組織した大規模な海外学術調査の成果などが展示されていた。
 その数は2,500点を超え、その大半は対外的には初公開のものであり、学術的にも貴重なものも数多く含まれているとのことである。

 その多くは今では本来の役割を全うし、静かに余生を横たえていたのだろう。
 永い保管の眠りから急遽おこされ、展示のため暗いの照明の中、あるものはホルマリンの中で夢うつつの状態で観覧者を迎えていた。

 語り部としての彼らはここではあまりにも無口であった。


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