長崎県・野母半島沖に浮かぶ端島はその姿形から「軍艦島」と呼ばれている。

 今は無人の島として、風化崩壊の年を重ねるだけのこの島は日本の近代化・戦後日本の復興の歴史の中で1世紀にわたる海底炭坑の島であった。
 昭和30年代の最盛期には僅か7ヘクタールの面積に5000人が生活し、日本初のコンクリート建築による超過密立体産業都市を形成していた。
 島には住居は無論のこと学校・商店・病院・映画館まで建設されていたが、1974年の閉山より無人化。

 以後22年間、端島は超過密立体産業都市の骸を内包したまま、南海に佇んでいる。


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