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カルドセプトDSオフライン大会の代々木杯に参加してきました。ここでは、大会で使用した3つのマップ「Q」「二心」「新大陸」について、考察します。
初期魔力 | 砦ボーナス | 最大ダイス | 基本地価 | 護符価値 |
---|---|---|---|---|
250 | 120*2 | 7 | 100 | 10,12 |
周回ボーナスの平均値(期待値)の計算は次の方法で行いました。
周回距離は28歩、最大ダイス目が7なので、スペルを使わなくても40ラウンドまでに5.7周できます。この半分を期待値としました。
250×5.7÷2×0.1=71.25
土地を均等に確保できるとして、その半分の状態を平均値としました。
31÷4÷2×20=77.5
護符ボーナスは50Gとしました。
よって合計は449Gとなり、砦ボーナスの240Gと合わせて、1周することで689Gの魔力を獲得できると計算できます。1周は28歩なので、1歩あたりの価値は24.6G、1ダイスの価値は98.4Gです。これは、平均的なマップと同レベルの魔力を期待できます。(平均的なマップは1ダイスの価値は80~100Gになるよう設計されています)
1歩の価値 | 1ダイスの価値 | 最終ラウンドまでの獲得魔力 | ||
---|---|---|---|---|
25 | 98 | 3937 | ||
ホーリーワードX | ヘイスト | フライ | マナ | リコール |
88 | 98 | 68 | 168 | 102 |
達成モデルを計算するために、連鎖数ごとの必要魔力を計算します。3連鎖組むのと、5連鎖組むのとでは、かかる手間も魔力も5連鎖の方が大きいのは自明です。しかし、5連鎖の方が魔力の増幅率は高く、その費用を補うだけの効果もありそうです。今後の計算を進めるために、以下の条件で必要魔力を仮定します。
魔力コスト | カード枚数 | 利益 | |
---|---|---|---|
1連鎖 | 60 | 1 | 40 |
2連鎖 | 120 | 2 | 180 |
3連鎖 | 330 | 4 | 210 |
4連鎖 | 600 | 7 | 200 |
5連鎖 | 870 | 10 | 230 |
4連鎖レベル5を1つ持っている状態(5,1,1,1)で、護符35枚持ち。護符を32枚売り払ってレベル5をもう一つ作れば(5,5,1,1)、達成できます。
3連鎖レベル5を1つ持っている状態で(5,1,1)で、護符56枚持ち。護符を40枚売り払ってレベル5をもう一つ作れば(5,5,1)、達成できます。
3連鎖にしても4連鎖にしても、必要魔力に差は殆どありません。ただし、4連鎖の方が【ランドトランス】を仕掛けやすく、護符枚数も少ないため、様々な状況に対応しやすいです。例えば、【コラプション】が場に見えていたり、侵略されて連鎖を落とされても、軌道修正は可能です。
一方で、3連鎖しか確保できなくても、護符を買えば目標の達成はできるので、劣勢になってもプレイングで対処できます。
以上のことから(ブックのタイプにもよりますが)、当面は4連鎖レベル4(4,1,1,1)の護符30枚を目安としてプレイすると良いでしょう。護符を売り払って4連鎖レベル5の聖堂ランドトランスができますし、スペルの【ランドトランス】で3連鎖レベル5(5,1,1)としてから連鎖を戻せば、上の4連鎖達成モデルの状態になります。また、手持ち魔力が400Gくらいあれば、レベル4をランドトランスし、護符30枚買いのレベル5作成で、上の3連鎖達成モデルです。
Qでは、東西のエリアによって属性土地の数が異なり、属性ごとの有利・不利がはっきりしています。東エリアであれば水・地が多く、西であれば火・風が有利です。これは自分の狙いが分りやすく、なおかつ競合する他者がいた場合に、護符の相乗りや侵略などが諸々の干渉が発生しやすいマップと言えます。
例えば、水属性のプレイヤーが二人いた場合、【ジオファーグ】で潰し合ったり、相手より護符を多く持とうとレベルアップを控えたり、といったことが起こります。これはデメリットですが、護符価値が上がりやすく、【スワップスペル】で共通するカードを奪う、というメリットもあります。
一般的には、聖堂を使った達成アクションが狙えるため、東エリアが人気です。ただし、東エリアに3人集まった場合は、一人当たりの土地数は5個となり、消耗戦になりがちです。西エリアメインでやっている1人の方は、かなり有利に試合を進めることができます。
また、色が被った相手の土地を落とすために、地・水に即死を持つ【ジオファーグ】や、人・獣・竜即死の【バジリスク】、不死即死の【クレリック】も人気となるため、これらの対策も欠かせません。
さらに(これが一番大切なのですが)、【ランドトランス】で護符を買おうとしても、同じ属性の他者がいた場合には、レベルアップされて護符価値を上げられ、思ったほど護符を買えない、という状況が発生します。このケースは2周目以降にレベルを上げるよりも先に護符を買うことでリスク軽減できますが、「序盤の動きをミスしたために、気が付いたら動きが取れない」というのは避けましょう。
「両生類モドキ」 written by 16bits | |||||
Creature | 19 | Item | 3 | Spell | 28 |
アームドギア | 1 | エンジェルケープ | 1 | コラプション | 1 |
クレリック | 1 | カウンターアムル | 1 | スワップスペル | 1 |
シェイド | 2 | カタパルト | 1 | テレポート | 2 |
スチームギア | 1 | ヘイスト | 3 | ||
ティラノサウルス | 1 | ホープ | 2 | ||
パイロマンサー | 1 | ホーリーワードX | 3 | ||
ウッドフォーク | 1 | マナ | 4 | ||
ディー・ダム | 4 | ランドトランス | 3 | ||
バジリスク | 2 | リコール | 3 | ||
バロン | 2 | リンカネーション | 2 | ||
マントラップ | 2 | ローカスト | 1 | ||
ワーボア | 1 | ワイルドグロース | 3 |
目的とする属性で上がることに拘らず、異属性でも仕掛けられるような構築を意識しました。
2枚入れも試したのですが、ゲーム終了時までに引ききれないケースが多く、3枚入れにしています。早い時は25ラウンドまでに決着が付くケースが多く、それまでに何も出来ないで負けるのを避けるために採用しました。序盤に引くと処理に困るカードですが、3連鎖レベル3程度でも720Gとなるため、序盤は少額トランスで行動資金を稼ぐことも視野に入れています。
地ブックなので、普通のクリーチャー枠については説明しません。
【シェイド】は、殴って守れる枠として採用。地水のメインクリーチャーを殆ど凌げます。守れないのは援護持ちがクリーチャーを使った時くらいのもので、それであれば守れるクリーチャーなどいません。諦めましょう。
【マントラップ】は、水土地に配置した時に【エンジェルケープ】を持ってHP100になるので採用しました。いざとなったら属性が合わない土地でもレベルアップして城に向かいます。
やや異色なのは【ドリアード】を不採用としていることでしょう。異属性に配置して移動できることが真骨頂ですが、水と火にしか置けません。そして東エリアに関しては、聖堂近くの土地は上がりのための仕上げに使う土地であり、【ワイルドグロース】を打ち込む候補です。水にしか置けないのは旨みが少ないと判断し、0枚としました。
【マナ】は場が遅れた時のための保険と、【ランドトランス】のためのブースターとして位置付けています。
【テレポート】2、【ヘイスト】3、【ホーリーワードX】3、【リコール】3としたのは、複数の移動スペルの選択肢を用意したかったためです。ただ、この部分は改良の余地があります。
【コラプション】は、色被りになった時に護符枚数で優位に立つために。【スワップスペル】も同様です。【ローカスト】は、西エリアの人が優勢になった時のための保険で積極的には使いません。
アイルトン | 1位 | 7564 | 火ブック。ケットシー入り |
16bits | 2位 | 6719 | 上の地ブック |
hige13 | 3位 | 5265 | 地ブック |
こぼ | 4位 | 3841 | モスマン入りの風ブック |
展開としては、風のこぼが東にも展開し【バルダンダース】での移動侵略に余念がありません。アイルトンが西で一人で走り、こういう環境での【ケットシー】が輝いています。【モスマン】に侵略されちゃえば良いのに!16bitsはhige13と協調して護符を上げようとしますが、今一歩届きませんでした。
レベルを上げれば達成は出来たのですが、hige13が【ローカスト】持ちで上げるに上げれず、アイルトンは【ケットシー】のレベル上げは展開のあやと言えましょう。
ブックの改良点(反省点)としては、機能率の低い【テレポート】を無くし、聖堂アクション後に帰れる【リコール】を4枚にして、【ドレインマジック】の枠も増やすべきでした。また、【コラプション】は必須ですが、【ローカスト】まではやりすぎの感があるので、この辺もいじる余地があります。
最後になりますが、DSセプト部で代々木杯のQについて、優れたレポートがあるので紹介しておきます。
色被りの協調戦略を主眼としてブックを構築しています。クリーチャーのコストを抑えて、序盤の資金繰りを意識するなど、クラシックに近いアプローチですが、トランス主体のDS版ではかえって新鮮です。
土地を制圧して場を遅延しつつ、細かい連鎖を繋いで勝ち筋を拾うブックを紹介しています。「異属性でも仕掛けられる」という目的は似ている部分がありますが、私とは違った手法を使っています。ややテクニカルですが、応用の効くブック構築に夢が広がります。
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