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前項では資産の妨害を“自分の魔力・手札を失いつつも、相手の資産を減らすことを目的とする妨害”と定義しました。これだけではイメージが難しいと思いますので、以下にいくつかの具体例を示します。
ペイン
単体瞬間スペル コスト:20 レアリティ:N
対象セプターは100Gの魔力を失う
コメット
単体瞬間スペル コスト:120+□ レアリティ:R
対象敵領地のレベルを2下げる
ウェイスト
単体呪いスペル コスト:70 レアリティ:S
城を通過するまで、対象敵セプターのクリーチャー、アイテムカード使用魔力を2倍にする
このように、相手の魔力や資産そのものを減少させるカードが資産の妨害に当たります。この項では、これらの妨害スペルの効果を4人対戦時を原則として評価していきます。広義では【マジックボルト】などで土地を減らしたり、【バックワード】で後退させる行為も含みますが、これに関しては後ほど。
以下のように4人が対戦しているときに、【ペイン】をCに使ったとします。各単位は魔力(G:ゲイン)です。
自分 A B C
使用前 200 200 200 300
使用後 180 200 200 200
これだけでは、あまり悪くない印象です。トップとの差は100Gあったのに、使用後は20Gに縮まっています。これから20G稼げば最前列に並べますから、使った意味もあるように感じます。
では、次の場合はどうでしょうか?あなたはAに【ペイン】を使います。
自分 A B C
使用前 200 240 240 240
Aに使用 180 140 240 240
これだけでは、B、Cが抜きん出てしまいます。B、Cにも使ってみましょう。
自分 A B C
使用前 180 140 240 240
Bに使用 160 140 140 240
Cに使用 140 140 140 140
これで、全員が横一列に並びました。【ペイン】を打ち続けて他のプレイヤーとの差を縮めることが出来たので、【ペイン】を使うことは悪いことではないように見えます。
しかし、実際は大きく違います。前項で挙げた資源という考え方によると、【ペイン】を3人に使うということは、20×3=60Gの魔力に加えて、3回のスペル使用機会と、3枚のカードを消費しているのです。それに見合うだけの効果があったでしょうか?例えば、【マナ】。これは最低でも50Gの魔力を得られるカードです。これを【ペイン】の替わりに使ってみましょう。
自分 A B C
使用前 200 240 240 240
【マナ】使用 250 240 240 240
なんと、他のプレイヤーの魔力を上回ってしまいました。しかも消費した魔力は0Gで、スペル使用機会は1回、カードも1枚で済んでいます。このことから、4人対戦時に【ペイン】を入れるメリットは無い、と結論付けられます。もうちょっと考えてみましょう。
【ペイン】は3回、60Gを使って他のプレイヤーを100Gの損害を与えた。
【マナ】は1回、0Gを使って自分に50Gの収入を得た。
この両者を魔力という軸で、同列に評価してみましょう。これを以後、収支と呼びます。
【ペイン】は3回で自分に40Gの収入があったと見ても良い。
これは40÷3=13となり、1回あたりは13Gの収支と評価できる。
【マナ】は1回で自分に50Gの収入があったので、そのまま50Gの収支と評価できる。
また、この収支は対戦人数によって変化します。二人対戦であれば、【ペイン】の評価は80G。1周目の【マナ】は変わらず50Gです。この収支計算を公式化したものが次になります。
収支=与えた損害÷敵プレイヤー数-支出+収入
4人対戦の【ペイン】は100÷3-20+0=13
2人対戦の【ペイン】は100÷1-20+0=80
【マナ】の場合は対戦人数に影響がありません。同様に計算してみます。
1周目の【マナ】は0÷?-0+50=50
3周目の【マナ】は0÷?-0+150=150
【コメット】は相手が土地に投資した魔力をリセットすると考えれば、魔力に対する攻撃手段と表現できます。連鎖倍率に左右されるので一見すると効果があるようですが、実質的な魔力に与える損害は少なく、見た目以上に効果がありません。
ここでは、地価100G、4人対戦の場合を考えてみましょう。レベル5にするのに必要な魔力は1500G、レベル4なら700Gです。また、生贄カードについては無視して計算します。
レベル5に【コメット】を使用:(1500-300)÷3-120+0=280
レベル4に【コメット】を使用:(700-100)÷3-120+0=80
前作の【メテオ】と違い、使用魔力が抑えられているために、レベル4に使ってもまずまずの効果が見込めます。積極的に使いたいスペルではありませんが、レベル4に使ってもあまり損にはならないというのは良い材料です。
【ウェイスト】は相手の使用したカードに応じて、与えた損害が大きく違ってきます。仮に4人対戦時、城に戻るまでにコスト60Gのクリーチャー4体を召喚したとしましょう。与えた損害は60×4=240Gです。
240÷3-70+0=10
なんと、【ペイン】を下回る結果になりました。仮に相手が2倍のコストをかけたとしても90Gです。実際には【ホーリーワード8】で上書きされてしまったり、クリーチャーの替わりにスペルを使われてしまったりと、効果が安定しません。4人対戦での選択肢は皆無と言えます。
以上のように、収支計算をすることで、カードが持つ力を客観的に評価することが出来ます。もちろん、ゲーム中にこんなことを考えている余裕はありませんから、ブックを組む段階において計算をし、採用するかしないかを判断します。概ね、4人対戦では個人対象の資産の妨害が有効ではありません。
ただし、何らかの方法によって4人の中から自分ともう一人が突出するような状況になった場合は、個人対象の妨害スペルが有効に機能します。この条件下では実質二人対戦と同じになるためです。もっとも、そう簡単には二人だけが突出する状況を作り出せません。あるいは【アイボリーアイドル】のように、全体に効果をもたらすカードを使えばアドバンテージを取れます。しかし、【アイボリーアイドル】は専用でブックを組む必要があるので汎用性には欠けます。とりあえず、現段階では「4人対戦時に個人対象の資産妨害は機能しない」と理解しておけば良いでしょう。
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