Report:宇宙一リーグオンライン第1試合~アロー~

 ついに、サーガでの宇宙一リーグが開幕しました。今回はかつてないほど豪華な顔ぶれです。密度の濃いスパーリングをする機会にも恵まれています。そのため、なるべくレポートを残していきたいと思います。お付き合いいただければ幸いです。
 さて、第1試合はアローでの対戦です。このマップの特徴を挙げていきます。

 1エリアなのにマップが広い

 アローは、1エリアなのに土地数が36もあります。土地数だけで言えばコロッセウム2も土地数32なのであまり差はありませんが、アローは全ての土地を通過しなければ周回ができません。52歩で周回し最大ダイス目は7なので、周回するには平均13Rもかかります。この独特のマップ形状を理解しなければ、アローでは立ち回りが困難です。簡単に比較してみると、次のようになります。

※ 砦・周回ボーナスをコロッセウム2は600G、アローは620Gと仮定しました。
 土地数  周回距離  周回R数  周回・砦ボーナス  1歩の価値  1ダイスの価値  40Rまでの獲得魔力 
コロッセウム23228760021.4 85.7 3428
アロー36521362011.9 47.7 1907

 これらを踏まえると、安いクリーチャーをたくさん配置して、戦闘力を維持できるブックが有利です。そこからのランドトランスが勝負の分かれ目となるでしょう。それ以外のブックでは、何らかの仕掛けを組み込んでおかなければなりません。

 属性の比較とアンチブック

 では、「安いクリーチャーをたくさん配置して戦闘力を維持できる」属性ってなんでしょう?実は地属性と風属性がこれに該当します。地属性は【マッドマン】が防御を、【ブランチアーミー】が攻撃を、【サクヤ】が連鎖形成の役割を果たします。風属性は【シルフ】や【ミラージュ】など、低コストのばら撒きクリーチャーが多く、【ガルーダ】や先制+【ストームアーマー】で攻防をこなせます。また、他にも同属性がいればクリーチャーの質が向上してさらに場を席捲できます。

 一方、火属性や水属性ではクリーチャーを配置していっても、クリーチャーの能力そのものは伸びないため、単独で領地確保できるクリーチャーが必要になってきます。そのため、このマップでトランスを行うには不向きです。。。とはいうものの、そんなにダメな訳ではありません。敢えて水火を選ぶメリットが無いので、スピードを優先するのであれば素直に地風を選ぶのが無難である、というだけの話です。

 ただし、属性を予想しやすいため、属性焼きのスペル(【フリーズサイクロン】など)が採用されやすい傾向にあります。また、【マーブルアイドル】がいると属性被りは連鎖を伸ばせなくなり、【エボニーアイドル】がいると地属性は達成スピードが落ちてしまいます。極端に戦術が偏ると、アンチ志向のブックも強力になるため、この辺の戦術への対処も意識しなければなりません。アンチブックそのものは主流戦術がいなければ力が発揮できないので、ポイント制のリーグ戦向きではありませんが、ある程度は予想すべきでしょう。

 トランスするのか?護符を買うのか?買わないのか?

 アローには聖堂があり、護符の購入も可能です。「トランスなんかしないで、護符買っても何とかなるんじゃないの?」という考えもあるでしょう。しかし、結論から言うと護符は必須ではありません。序盤から買うと明らかに失速します。

 トランスする場合、7連鎖レベル4の領地を作成することから始まります。すべて土地価値100Gとして計算すると、この時点での土地価値の合計は3080Gです。(220×6+1760)
 この後、レベル4領地をトケビによってトランスして1760Gの魔力へ換え、レベル5を作ります。総魔力は4880Gです。(220×5+3520+260)
 さらに、レベル5領地をトランスしてレベル5領地を2個作ります。これで総魔力が8480Gとなり達成です。(220×3+3520×2+780)
 ここまでで最初のトランスから最短5ラウンドしか必要としません。
 ランドトランスをするように構築したブックであれば、おおよそ2周目までにこの形を作ることができます。もちろん、このような理想的な展開になるとは限りません。メインの属性とは違う属性で3連鎖くらいのトランスを行ってからレベル5を作っても良いでしょうし、レベルを上げながら連鎖を伸ばしていっても良いでしょう。土地が7個さえあれば目標魔力8000Gでも達成できる、というのを意識すれば、自ずと達成が見えてきます。

 次に護符を買う場合を考えましょう。そもそもアローは1周するのに13Rもかかるため、聖堂もせいぜい3回くらいしかまともにつかうことができません。護符の初期価値は火風が17で、水地は20です。連鎖を組んだりして価値があがるケースが多いでしょうから、価値25として計算します。2周目でラントラ型が達成目前と考えると、もうこれだけで難しいと思いますが、、、、一応計算します。
 護符を60枚買ってから5連鎖レベル5を1個作ったとすると、土地価値合計が4400G(220G×8+3520G)、護符価値が25から58へと上昇するため3480G(60×58)で、総魔力は7880Gとなります。
 このマップで護符を60枚も買うのは難しく、レベル5をつくるだけの魔力を溜めるのも大変です。聖堂利用機会が限られるため、購入枚数を抑えるために護符売り後の土地のレベルアップを行うのも難しいでしょう。
 戦術として護符を買うのは、大きく分けて3つの場合です。ひとつはクリーチャーコントロールが強く、土地に投資できない場合です。侵略型やテンペスト焼きなどがあると土地を維持できないため、資金は安定資産の護符に流れることになります。この場合、まともに達成するのは困難です。
 もうひとつは、レベル5をトランスした直後にレベルアップできる領地が1個しかなく、【ドレインマジック】の対象から外れるために一時的に護符を買う、というパターンです。これは聖堂手前でトランスしてから護符を買い、レベルアップするため城に戻る形を維持でき、防御する土地もひとつで済むのが大きなメリットです。
 三つ目は、属性が被った時に1回目の周回で護符を20~30枚買う場合です。2周目までは連鎖形成にカードを割き、護符価値が上がった2回目の聖堂利用時に護符を売ってレベル4を作ります。ただし、1周目で都合よく手札に【リフュージ】があるならともかく、領地確保を犠牲にしてまで行う行為ではありません。そう上手くいくケースは少ないと思います。

 細かいことをグダグダと書きましたが、要は「土地を取りやすいマップなんだから、それに合わせて魔力を伸ばしていくのが素直だよ」ということです。マップの特性を把握しましょう。

 カード比較

 ブック解説

ブック名:サボテン
Creature20 Item3 Spell27
リビングスピア 2 カウンターアムル 2 エスケープ 1
トケビ 2 ブーメラン 1 セフト 2
ギガンテリウム 2    テレグノーシス 2
サクヤ 1    トレード 2
スパッドフォーク 1    ドレインマジック 2
スピニーアガマ 2    パラライザー 1
ドワーフ 1    フェーム 4
ヒュプノスロース 1    ホーリーワード8 3
ブランチアーミー 2    ランドプロテクト 1
マッドマン 3    リコール 2
ワータイガー 2    リフュージ 3
ワーボア 1    リンカネーション 2
      ワイルドグロース 3

 土地確保とコントロール耐性を念頭に置いた先上げのトランスブックです。メインのスペル部分は前述したので説明は割愛します。土地確保については、クリーチャーのSTを若干高めに設定しています。低コストクリーチャーが採用されやすいので、きちんと侵略できる構成にしておけば、敵の連鎖を切りながらこちらの連鎖を増やせます。また、HP50以上のクリーチャーを5枚用意しました。これは属性焼きのスペルを警戒してのことです。荒れた展開になったときにもっとも欲しいカードは【ファインド】で、【セフト】で奪う必要があるでしょう。
 アイドル対策ですが、特定のカードを入れるような対策方法は効果的ではないと考えています。「アイドルがあっても簡単に排除できるブック」よりも、「そもそもアイドルによる影響を受けにくいブック」の方が動作安定性に優れているからです。まず【マーブルアイドル】対策ですが、クリーチャーを分散させました。【ドワーフ】や【ワーボア】など若干マイナーなクリーチャーも採用しています。【アイボリーアイドル】は【リフュージ】があるので問題ありません。【グラニットアイドル】は【ドレインマジック】が使えなくなるのでむしろ歓迎。【エボニーアイドル】が厄介ですが、エボニー場になると他のプレイヤーもトランスできないため、条件は同じです。手札に【トケビ】を抱えて【リベレーション】で【エボニーアイドル】と交換してトランスされると防ぐのが難しいですが、その場合は【セフト】で【リベレーション】を奪いましょう。エボニー場の場合は【ホーリーワード8】を使った天然ラントラのタイミングが重要なので、大事に使いたいです。
 このブックには異質な【パラライザー】は、領地能力を持ったクリーチャーやアイドルに使うことを想定しています。高額領地に打って奪取することもできますが、そのようなケースは稀かと思います。【ランドプロテクト】は最終局面のスペル干渉を防ぐためのカードです。展開次第では自分の【サクヤ】や【スパッドフォーク】に使ってトレードを防いだり、相手の高レベル領地に使ってトランスしにくいようにすることもできます。


 試合結果については、宇宙一リーグオンライン第1節をご覧ください。