Card:リフュージとギフト


 最大ダイス目の大きいマップでは、【ホーリーワード8】や【ヘイスト】のような足スペルの収支が少なく、収入スペルとしては力不足です。一方で【フェーム】や【トレスパス】は、カードパワーはありますが機能時間帯が限られます。
 アルシオン3のように周回ボーナスを稼ぎにくいマップでは、【パーミッション】や【マナ】も使いにくく、序盤から使える収入スペルをどうするかが大きな課題です。
 そこで候補となるのが【リフュージ】と【ギフト】です。

 カードの書き換え――リフュージ

 リフュージ    単体瞬間スペル  コスト:0  レアリティ:N
 使用者は80Gの魔力を得る:手札にリフュージを加える


 【リフュージ】は「任意のカード1枚を80Gに変換する」カードと表現できます。つまりクリーチャーやアイテム、収入以外のスペルも全て魔力収入へと置き換えられ、何度も使えるということです。
 この「何度も使える」というのが、他の収入スペルには無い特徴となっています。例えば、試合中に【リフュージ】を3回使えば「ブックに収支80Gのスペルを3枚入れて使った」のと同じことです。同様に、10回使えば「ブックに収支80Gのスペルを10枚入れて使った」ことになります。
 そのため、機能しにくい収入スペルや妨害スペルの収支を一律80Gに底上げできます。1周目の【マナ】やレベル1の【フェーム】を使うよりも、【リフュージ】の生贄にした方が収支評価は上がります(50G、20Gが80Gへ)。また、ブックに入れたまま使う機会の無かった【クラッシャー】や【ローカスト】なども全て収支80Gになり、ブックに入れたカードが使わずに終わることが無くなります。

 つまり、【リフュージ】はブック内の収入スペルの比率と収支期待値を試合中に操作できるカードなのです。加えて、ブックに投入する枚数は2~3枚で済むため、ブック圧縮しやすい収入カードと言えるでしょう。
 なお、弱点としては、常に手札にあるため【セフト】の対象になりやすいことが挙げられます。

 ブックの潤滑油――ギフト

 ギフト    単体瞬間スペル  コスト:50  レアリティ:N
 対象セプターは100Gの魔力を得る:カードを1枚引く


 【ギフト】は「100Gとカード1枚を得る」カードですが、使用前後では魔力が50G増えているだけで手札は増えていないので「1回のスペルターンを50Gに変換する」カードとも言えます。(【ギフト】を入れなければ、【ギフト】で引いてきたカードをそのラウンドで引けていたはずです。)しかし、同様の効果を他のカードで生み出そうとすると、なかなか手間がかかります。
 まず、魔力の収支50Gは【マナ】を使えば容易に得られます。また、【マナ】を使って減った手札は【ホープ】で補充できます。ここまでなら「【ホープ】のコスト40Gを差し引いて【マナ】が100G得られれば、【ギフト】と同価値」との結論になります。しかし、これは早計というものです。
 【ギフト】は2周目の【マナ】+【ホープ】を1ラウンド中に行うと同時に、ブックに投入するカードが減るというメリットも見逃せません。つまり、【マナ】に復唱がついた状態で【ホープ】を使い、なおかつブックには1枚分のスペースしか要求しないのです。2種類のカードを使って得られる効果を1種類のカードで引き出しているので、ブックに他のカードを入れられる余裕を作ることに加えて、カードを引いた順番に左右されることが少なくなります。例えば、【マナ】を使った後に【ホープ】を引いて、【ホープ】後に【マナ】を引ければ上手くブックが動いていると言えますが、【ホープ】を使った後に【ホープ】を引いてしまうと手札が溢れて捨ててしまうことになり、ブックが上手く動いているとは言えません。その点、【ギフト】はどのタイミングで引いても使えるため、安定して使えるカードです。

 さて、【ギフト】は「手札の減らない収入スペル」と考えられますが、「魔力収入のあるドロースペル」とも考えられます。今度はドロースペルとして考察してみましょう。
 【ギフト】を使っても手札枚数は増えませんし、目的とするカードをドローできるわけではありません。しかし、ブックの残りカード枚数を減らす効果はあります。通常、初期手札4枚に46ラウンド分のドローを加えてカード50枚のブックを1周させますが、【ギフト】を4枚入れることで42ラウンドでブックを1周させることができます。ブックを1周させる行為そのものにあまり意味はありませんが、特定のカードを引けないまま試合が終わる可能性が少なくなります。つまり【リコール】や【クインテッセンス】など、「常に手札に必要なカードでは無いが、ピンポイントで欲しい局面があるカード」を試合終了時までに引きやすくする効果があるのです。もちろん、こうした効果そのものは【ホープ】や【ファインド】、【プロフェシー】などのカードの方が優れていますが、【ギフト】も効果は小さいながらも同様の性質を持っています。

 また、【リンカネーション】と相性が良い点も評価できます。【リンカネーション】は、現在の手札を入れ替えて必要なカードを持ってくるために使われるカードです。恒常的に使っても利益は生まれませんが、瞬間的にカードの選択肢を引き上げるため、特定の場面では大きな力を発揮します。【リンカネーション】の効果を最大限に生かすためには、手札の枚数の多い方が有利です。しかし、【ホープ】等を使って手札を増やそうとすると、序盤(特に1周目)は魔力不足に陥る場合が多くなります。1周目に必要なカードは主にクリーチャーですが、【ホープ】と【リンカネーション】を使ってクリーチャーを引いても、魔力不足により配置できない―――ということもあります。逆に、序盤に効果の薄い【マナ】などで魔力の補充を行っても、今度は【リンカネーション】で引いてこられるカードの枚数が少なくなってしまいます。
 これに対して、【ギフト】は【リンカネーション】1回分の魔力を得るのと同時に、ブックからカードを1枚ドローできます。クリーチャーを引ければ【リンカネーション】を使う必要がありませんし、スペルやアイテムをドローしたのであれば、次のラウンドでの【リンカネーション】の効果を高めることができます。どちらの結果にせよ、【リンカネーション】と組み合わせることで、クリーチャーのドロー(引き)と配置(魔力補充)にプラスの働きをしてくれるのです。これは他のドロースペルや収入スペルには無い大きな特徴です。

 ちなみに、前述したように【マナ】(2周目)と【ホープ】を圧縮したカードでもあるので、【マナ】の代わりに【ギフト】を入れると魔力供給が足りず手札が過剰になりやすいのに対して、【ホープ】の代わりに【ギフト】を入れると魔力が多く手札が少なくなってしまいます。【ギフト】は「もっとも収支期待値の少ない収入スペルと入れ替える代わりに、手札補充スペルを削減できるカード」と考えて、他のカードを追加してしまいましょう。


 マップによって使われる収入スペルは大きく異なります。最適な収入手段を確立して、他のセプターよりも優位に立ちましょう。