Card:アーマードラゴンとコロッサス


 最強の連鎖確保クリーチャー

 前項までは、ST50とHP60のクリーチャーを紹介しました。これらはレベル1領地戦闘の中心となる存在です。必ずしもこれらのクリーチャーのみを使う必要はありませんが、主戦力として十分に使えます。他のクリーチャーを使う場合は、これらと比較した上でどのようなアドバンテージがあるのかを明らかにしなければなりません。
 さて、こうした低レベル領地での争いに無類の強さを持つクリーチャーがいます。それが【アーマードラゴン】と【コロッサス】です。どちらも“ST50のクリーチャーの攻撃を防ぎ、HP60のクリーチャーを侵略できる”だけの性能を持っています。前者は特に防御に優れ、後者は特に侵略に優れています。「じゃあ、この2枚を中心にブックを組めば良いじゃないか。」と思う人がいるかも知れません。しかし、これらはメリットばかりではなくデメリットも抱えています。
 ここでは、両者の性質を明らかにし、クリーチャー戦闘の考え方にまで言及していきます。

 アーマードラゴン    無属性クリーチャー  レアリティ:R
 ST:60 HP:60 コスト:100+□  配置制限:なし アイテム制限:武器・防具
 先制:無効化[無]:領地[70G・対象の[無]クリーチャーに30ダメージ]


 コロッサス    無属性クリーチャー  レアリティ:R
 ST:70 HP:70 コスト:120  配置制限:なし アイテム制限:武器・防具・巻物・道具
 周回回復できない:[単呪]スペル・領地能力の対象に選べない


 攻めろ、守れ!

 両者の高いステータスは一目瞭然です。大きな制限も無く、安定して高い戦闘力を供給できるクリーチャーですから、この2枚のカードを使えば戦闘はかなり安定します。【アーマードラゴン】に至っては、無属性にダメージを与える領地能力まであり、リビングアイドル対策としても優秀です。
 では、逆にこれらのカードの侵略を防ぎ、領地を攻められるカードは存在しないのでしょうか?特に条件を必要としないカードで(生贄まで含めて)ピックアップします。

 侵略できるクリーチャー防御できるクリーチャー
【アーマードラゴン】なし【アーマードラゴン】【コロッサス】【グレートフォシル】【リトルフォシル】
【ケットシー】【アイスウォール】【セイント】【シルフ】【ミラージュ】
【コロッサス】【コロッサス】【ドッペルゲンガー】
【デスサイズ】【ナイト】
【アーマードラゴン】【グレートフォシル】【リトルフォシル】
【ケットシー】【セイント】【シルフ】【ミラージュ】

 「こんなにいる」と感じるか「これしかいない」と感じるかは、読者の皆さんの判断に委ねますが、筆者としては両者の強さを引き立たせるだけの結果になったという印象を拭えません。
 この中から汎用性が高いカードとして【ケットシー】【ナイト】【シルフ】が挙げられます。普通に攻めて、守って、拠点にもできるカードなので、【アーマードラゴン】と【コロッサス】が採用されがちな環境であれば、使ってみるのも悪くはないでしょう。

 クリーチャーでの対処が難しいのであれば、アイテムやスペルで対処する方法が無難です。【カウンターアムル】があれば攻防ともに安定しますから、一番良い解決方法です。特に【アーマードラゴン】の侵略においては、カード1枚(カウンターアムル)とカード2枚(アーマードラゴン)の交換を要求するので、強力な抑止手段になります。逆に言うと、対策として【カウンターアムル】を要求するだけのカードである、と考えてください。【コロッサス】のような高いSTのクリーチャーに移動侵略されると、カード1枚の被害では済まないので、最初に侵略された時点で【カウンターアムル】を使って場から【コロッサス】を排除してしまうのが、最良です。
 また、スペルでは【バニシングレイ】や【ターンウォール】での消去がお手軽です。どちらも汎用性の高いクリーチャーコントロールカードなので、ブックに採用しやすいでしょう。

 相性の良いカード

 滅法強い【アーマードラゴン】と【コロッサス】ですが、アイテムの使用制限に難があります。【アーマードラゴン】は武器・防具を、【コロッサス】は全てのアイテムカードを使えません。単体では優秀でもフォローするカードが無ければ、総合的な戦闘能力では劣ってしまいます。
 この問題をクリアするのがリビングアイテムです。【リビングミラー】などに代表されるこれらの無属性クリーチャーはアイテム使用制限に関係なく、全てのクリーチャーが使うことができるので、【コロッサス】のサポートに適しています。
 【アーマードラゴン】は【リビングクロー】と相性が良いです。先制+マヒも十分に強力ですが、【カウンターアムル】を使った侵略を防げるため、さらに防御性能を高めることができます。
 また、【コロッサス】は【リビングレイピア】と相性が良いです。先制クリーチャーに攻められることに加え、高いSTでの防御もできるからです。

 リビングクロー    無属性クリーチャー  レアリティ:S
 ST:10 HP:20 コスト:50  配置制限:なし アイテム制限:武器・防具・巻物
 攻撃成功時[マヒ]の単呪効果:アイテムクリーチャー


 リビングレイピア    無属性クリーチャー  レアリティ:S
 ST:20 HP:10 コスト:60  配置制限:なし アイテム制限:武器・防具・巻物
 先制:アイテムクリーチャー


 相性が良いのはリビングアイテムばかりではなく、援護クリーチャー全般とも相性が良いです。高いステータスを生かして、攻防に役立ってくれます

 カード1枚がもたらす戦闘力と需要

 クリーチャーカードに要求されることは「領地を確保すること」です。ST(敵の領地を奪う)もHP(自分の領地を守る)も、自分の領地を確保するという点では同じものです。すなわち、STとHPが高いクリーチャーほど、領地を確保する機能に優れています。
 【コロッサス】と【ファイター】を比較したとき、【コロッサス】は【ファイター】が常に【カタパルト】を使っているようなものです。つまりクリーチャーカード1枚でクリ―チャー1枚+アイテム1枚分の戦闘力を供給できるのです。ブックに【ファイター】と【カタパルト】を用意するよりも、【コロッサス】を用意した方が少ない枚数で同じ程度の領地確保機能をブックに与えることができます。残りのカードスロットに別のカードを入れれば、ブック全体としてのパワーは上がります。試合中に使えるカードの枚数には限界がありますから、これはとても大切な特徴です。ちなみに、こうした考え方をブックの圧縮と呼びます。
 なお、【アーマードラゴン】は生贄が必要なので、これには当て嵌まりませんが、「持たせたアイテムをずっと持ち続けてくれる」と考え、【ホープ】などで手札を増やせば問題は解決します。

 ただし、全てのクリーチャーをこうしたSTとHPが高いクリーチャーにすれば良いわけではありません。戦闘さえ発生しなければ【G・ラット】でも【コロッサス】でも「領地を確保する」という役割は一緒です。同じように土地を取れるのであれば、召喚コストが低い【G・ラット】の方が有利です。戦闘が発生しやすい狭いマップほどSTとHPへの需要が高く、逆に戦闘が発生しにくい広いマップほど召喚コストの安さへの需要が高くなります。これは「土地1個を確保するのにどれだけの手間をかけるのか」という問題であり、ブックを作る際の大きなポイントの一つです。
 また、カードドローによるアイテム供給数によっても、カードの価値が逆転します。【ブラスアイドル】や【ファインド】などによってカードが大量に供給されると、あまり圧縮していないブックであっても、圧縮したのと同じような状況になるため、相対的にこちらがブック圧縮したメリットが消されてしまいます。


 このように、【アーマードラゴン】と【コロッサス】はクリーチャー戦闘において無視できない存在です。ただし、彼らが本当に必要なのかどうかを吟味した上でブックに採用しないと、デメリットの方が大きくなってしまうでしょう。