Gravity Control
制御

カルドセプト リボルト マップ考察 スパイダー

1 マップの特徴

ジャンクションとの比較

 スパイダーは司令塔と2ヶ所の交差点が特徴的な狭小マップです。3つのゲートはありますが、やや遠回りをしても狙った土地に止まれる恩恵が大きいです。ここでも多くのセプターに馴染みの深いジャンクションと比較します。

マップ名 土地数 周回距離 20Rまでの獲得魔力
ジャンクション 25 28 2668
スパイダー 22 26 2961

※ 20Rまでの獲得魔力はゲートボーナス、土地数、ラウンドゲインなどから独自に算出

 ジャンクションに比べて、スパイダーは土地数が少なく、魔力収入が多い傾向にあります。また、ゲートの数が多く周回距離も短いため、ダウン解除も容易です。
 土地に対する需要の高さは、分岐が多く狙った土地に止まりやすい形状と合わせて、序盤から空き地が埋まりやすい環境を生み出します。
 また、中盤以降は狙った土地(or司令塔)に着地できることから、アイテム切れを起こしたプレイヤーの土地は簡単に落ちてしまいます。
 2ヶ所ある交差点は通行料を取りやすい場所ですが、Nゲート、Sゲートが2ヶ所にあるため、すぐに避けられてしまうでしょう。
 終盤になると高額地が乱立し、通行料が支配的な要素になりますが、バインドミストやシニリティと、クリーチャー+侵略アイテムがあれば、適当な高額地にネガ呪いを打ってダイス一発勝負が成立してしまいます。

2 二つのシナリオ

 「スパイダーはクリーチャー戦闘が頻発するマップである」と思われがちです。「少ない土地を奪い合い、通行料を拒否するために殴れる時に殴っておく。」「ゲート着地よりも司令塔着地優先。殴れる時に殴っておく。」「暇だからリビンググローブを移動侵略。殴れる時に殴っておく。」
 決して間違ってはいませんが、序盤から空き地を確保しやすく魔力供給は潤沢なので、ブックの組み合わせやドローによって殴り合いに発展しない場合、15R程度でゲームが終了してしまうことがあります。
 具体的には、水・地が被った状態でドレインマジックが提示されず、侵略本が不在もしくは機能不全を起こしている場合です。4,5連鎖からの天然ランドトランスを経由すれば、15R終了は十分に現実的なシナリオです。

 このように「戦闘に発展するか」「走り合いに発展するか」相反する二つのゲーム展開がこのマップには同居しています。そしてシナリオは各プレイヤーのブックの組み合わせによって決まります。
 個人的な経験では、走りブック2人が協調すると、殴りブック2人は止めきることができません。どちらか一方を叩いて、もう一方は魔力を達成してしまうでしょう。走りブック2人は、協調できないと殴りブックの機能時間帯を増やしてしまい、勝ち目は低くなると思われます。

3 基本的な立ち回り

 スパイダーにおける立ち回りとしては、序盤は周回しつつクリーチャーを配置していくのですが、そこまで周回は優先しなくても良いということです。例えば、モーフ土地を取るために遠回りするのは、「アリ」なプレイです。
 土地が埋まり始める中盤以降は、魔力を抱えた状態になるとレベルアップしたくなりますが、基本的に相手の侵略能力は高めと考えるべきです。ここで気をつけなければならないのは、「何のためにレベルアップをするのか」ということです。「通行料を奪うため」「ランドトランスをするため」「ドレインマジックを被弾しないため」「地形効果で守るため」というのは、中程度の広さがあり、侵略される危険性の低いマップでの話に過ぎません。
 「通行料を奪えない」「ランドトランスできない」「ドレインマジックを被弾しない」「地形効果で守れない」のであれば、レベルアップをする必要はないのです。

 スパイダーではドレインマジックを入れる余裕がないブックもありますし、手札に保持し続けるのも難しいカードです。レベルアップをすると侵略されて高額地を奪われてしまう公算が高い場合は、連鎖だけ組んでレベルアップはしません。
 たとえドレインマジックで魔力を奪われても構いませんから、魔力を抱え続けましょう。レベルさえ上げなければ、迂闊にレベルアップした見かけ上の1位のプレイヤーに対して、バインドミストや侵略用のアイテムが行使されていきます。
 レベル5を作れるだけの魔力が溜まったら、一気にレベルアップしてランドトランスまで持っていくのです。その頃には、土地を奪うだけの要素が場の手札から消えていて、数ラウンド凌げれば、達成できるでしょう。

4 ブックに求められる要素

 スパイダーのように一定の侵略能力が求められるマップだと、強打、無効化、先制、防魔、即死とタレントが揃っている火属性が強そうに思えます。しかし、火はその強さ故に他の属性から煙たがら、地水火風のいずれからも攻撃対象となります。結果として消耗戦となり、盤面を維持できないケースはしばしばあります。選択するには覚悟が必要です。

アイテム10枚

 アイテムを切らさないことが攻防の要になるため、このくらいの枚数が必要です。

領地防衛としてのST

 迂闊に侵略してきたクリーチャーを返り討ちにして、場からクリーチャーを消すために領地防衛としてのSTが必要になります。シルヴァンダッチェスやラハブくらいであればベストですが、ロックトロルやナイトエラントでも十分です。

ドレインマジック

 魔力を抱えながらウロウロすることになるため、基本的には強いスペルです。ただし、ドレインマジックで奪った魔力をどうするのかという問題が常に付きまといます。領地コマンドで地形変化して属性を合わせても良いです。

手札破壊(メタモルフォシス、スクイーズなど)

 手札破壊スペルは一長一短あるので、ブックに合わせて複数種類を採用すべきです。個人的には4~6枚入れてしまって良いと思います。

バリアー

 手札破壊スペルが横行するため有効な選択肢ではありますが、アイテムを壊されて困るような状況(レベルアップ)にさえならなければ全く問題ありません。

マジックシェルター

 ネガ呪いを拒否できると共に、移動侵略も防げます。ただし、守れる土地は1個だけなので、ある程度の割り切りは必要です。状況次第では光る1枚なので、1,2枚挿しておいて、使うかどうかは状況を見て決めるというのもアリです。

5 ブックレシピ

蓮華 20:10:20

 レイオブロウは、手札のティアマトを消すために採用しています。バインドミストなどとセットになると厄介なので、ネガ呪いからの司令塔侵略を避けるためにクリーチャーを除去します。土地に配置されたティアマトは、言わば「振り下ろされた剣」であり、捌いてしまえば恐るるに足りません。リビンググローブで容易に排除できます。真に恐れるべきは「どこに振り下ろされるか分からない」手札のティアマトであり、絶対に許してはなりません。

6 試合結果

 当日の試合結果はスパイダー1戦0勝でした。結果的には負けましたが、とてもエキサイトした楽しい試合でした。