Gravity Control
制御

カルドセプト リボルト マップ考察 バトルワゴン

1 マップの特徴

ジャンクションとの比較

 バトルワゴンは分岐スイッチが特徴的なマップです。また、ゲートが3つあり、周回方法にいくつかの選択肢があります。そこで、多くのセプターに馴染みの深いジャンクションと比較します。

マップ名 土地数 周回距離 20Rまでの獲得魔力
ジャンクション 25 28 2668
バトルワゴン 30 23 3037

※ 20Rまでの獲得魔力はゲートボーナス、土地数、ラウンドゲインなどから独自に算出
※ バトルワゴンはW>W>N>Sだと20歩、S>N>S>Wだと26歩なので、便宜上23歩と計算

 以上のことから、バトルワゴンはジャンクションに比べて土地数が多く、周回距離が短いためダウン解除も容易で、魔力収入も多いマップと言えます。
 そのため、大きな魔力収入と広い土地数を活かしたランドトランス戦術が有力な選択肢として考えられます。また、必ず通過することになるW砦周辺の土地を利用した通行料戦術も侮れません。
 ところが、分岐スイッチの存在により、水風の土地がある右側と火地の土地がある左側の移動に制限がかかり、見た目よりも利用できる土地が少ないマップです。仮に、片側の輪っかに全く入れないとすると、土地数は17個となり、極端に少ない土地を4人で争うことになってしまいます。
 分岐スイッチによるマップ構造の変化に、タイミングを見計らってどのように対応するかが勝負のポイントとなります。

2 分岐スイッチによる棲み分け

棲み分け

 自分のブックが水・風属性の場合は右側へ、火・地属性の場合は左側へ優先して配置することになります。試合開始直後は分岐スイッチは右側を向いていますので、水・風は労せず右側に向かうことができますが、火・地の場合はマジカルリープで分岐スイッチを飛び越える必要があります。
 4人が右側・左側に2:2にキレイに分かれて、クリーチャーの配置が進むことを、ここでは「棲み分け」と呼ぶことにします。棲み分けられた場合、土地も魔力も潤沢に供給されるので、基本的には走り合う展開になります。自分の領地を通過するのは1人だけなので、通行料の支払いも戦闘も頻発しません。
 逆に、属性の組み合わせが3:1になったり、マジカルリープが任意のタイミングで引けなかったりすると、棲み分けが進まず、片方の輪っかで戦闘や通行料の支払いが頻発します。反対の輪っかは悠々自適にクリーチャーを配置し、戦闘を仕掛けられる頻度は減ります。
 問題は、こうしたゲーム展開がプレイヤーのブックの組み合わせと、マジカルリープの引き具合、分岐スイッチの切り替え(ダイスによるもの)と、全てプレイヤーの選択でコントロールできるものによらず、ほとんど運によって支配されてしまう点にあります。ブックはこうした運の要素を織り込んで作成する必要があります。

属性が被った場合の展開

 豊富な土地数と魔力を生かして単純に速度を出すだけなら、分岐スイッチを跨ぐのにマジカルリープが必要の無い水属性が本命です。風属性も悪くはありませんが、一定の割合で登場する火属性(ティアマト)がいた場合の対処と、速度面で水に勝るアドバンテージを作る構築をするには、ブックの難易度が高い印象です。
 水属性はマカラがいるため、土地さえ抑えられれば連鎖を組むのは容易です。問題は、右側が3人、4人と被った場合です。土地を確保することさえままならず、第三者間の通行料の支払いや、連続して戦闘にさらされます。3人の場合と4人の場合でも、展開は大きく異なります。
 3人の場合は、右側3人でゴチャゴチャした展開をしている間に、左側に展開できたプレイヤーがさっさと走りきってしまうでしょう。右側ばかりに展開せず、左側にも足を踏み入れて、クリーチャーを配置したり侵略を仕掛けるなど、地上戦でも干渉できると理想的ですが、タイミングは難しいでしょう。
 4人の場合は、全員が遅れる展開になります。これは火地がマジカルリープを引かず右側に来てしまった場合や、引いたにも関わらず敢えて右側に来た場合も同様です。長期戦を覚悟する必要があります。

展開・速度への共通認識

 試合中にポイントとなるのが、こうした属性の組み合わせによる試合展開への予想や、終了ラウンドまでの認識が、プレイヤー間で(特に同じ輪っかにいるプレイヤーと!)共有できるか、という点です。そして多くの場合、他のプレイヤーと共通認識を持つことは難しいと思われます。
 ただし、共通認識を持てたプレイヤーと同じ輪っかで共存できた場合は、余計な手を打つ必要がなくなります。プレイ中にその見極めが出来たら最高です。

3 特徴的な要素

影踏み

 開始直後は右側に向かうことになりますが、防衛力の高いクリーチャーを引けなかった場合、ショップで歩数を調整して、他のプレイヤーの後ろを付いていくことにより、クリーチャー侵略を受ける可能性を減らすことができます。このプレイは3DS末期にチーム内では「影踏み」と呼んでいました。バトルワゴンは一本道なので、手札によっては影踏みが有効な場面があります。
 反対に、防衛力の高いクリーチャーが手札にあるならば、W砦を通過せずに優先的に配置を行うプレイもあります。

分岐スイッチによる封鎖

 中盤以降、リビンググローブとグレムリンアイなどをセットで持ち歩き、どこの土地も落とせるようなプレイヤーが登場した場合は、マジカルリープで分岐スイッチを操作して、他のプレイヤーが自分のメインの領地に踏み込まないようにすることもできます。分岐スイッチを防衛目的で利用する方法です。
 仮にジャンクションだったら、全員は満遍なくどの土地も通過しますし、クリーチャーも配置していますから、トップ目を叩こうと全員が必死になります。しかし、バトルワゴンは狙った土地を侵略しようとするにはあまりにも広く、手が届かないケースが往々にしてあります。

通行料(クイックサンドとネガ呪い)

 W砦周辺は折返しにより何度も通過することになるため、通行料を期待しやすい土地です。W砦横のT字路の複属性土地を確保しレベルを上げれば、周回ごとに必ず2回は通過するので、通行料を期待できるでしょう。クイックサンドを入れれば、他のプレイヤーの行動をかなり制限できそうです。
 しかし、当然ながらクイックサンドが提示されると、マジカルリープは保持され、手札破壊スペルが飛んできて、スクリーマーやバーナックルの秘術の対象になります。場合によっては、バインドミストやシニリティが出てくるかも知れません。対戦でT字路のレベルを上げたにも関わらず、スクリーマーの秘術を打たれて陥落する場面を何度か見かけました。強いのは間違いありませんが、レベルアップをするには、余程、相手のブックを読み切る自信が無いと難しい土地です。

クイックサンドによって発生するプレイングの歪み

 クイックサンドの提示効果は強力ですが、バトルワゴンにおいては困った現象が発生します。仮に右側にクリーチャーを配置してレベルアップをしたとすると、他3人のプレイヤーは左側に集中します。基本的には右側には入ってきません。
 すると、第三者間の通行料が発生しやすくなります。また、自分はクリーチャーによる干渉が出来ないため、一気にゲームが終わってしまいます。こうした自分が意図せぬプレイングの変化を相手にもたらし、コントロールできない歪みとなって現出する可能性が高いです。

4 ブックに求められる要素

 以上の点を踏まえると、対戦相手とのブックの組み合わせにより、走る展開となるか、通行料を狙う展開となるか、攻防を繰り返す展開となるかが、ガラッと変わります。これは他のマップでも同じことではありますが、分岐スイッチの要素が加わることにより、その傾向がより強く現れます。
 そのため、ブックから走攻守の必要な要素を、必要なタイミングで引き出す力が求められます。具体的には、ドローカード(ギフト)と手札破壊(セフト)です。
 とりわけ、セフトはクイックサンドが提示された場合の切り返しに使えるほか、マジカルリープを奪って狙った輪っかに飛ぶことができます。
 ただし、ゲームが一度傾いてしまうと、それを覆すのは難しいので、手遅れになってしまうことはあると割り切りましょう。

5 ブックレシピ

蒼龍 20:8:22

 マナ3枚は、バトルワゴンはトランス戦術に移行できるかはやや運まかせの部分があるため、魔力を調達してのレベルアップやクリーチャーの運用、セフト代の補填などに使えるよう採用しています。

6 試合結果

 当日の試合結果はバトルワゴン2戦1勝でした。