Tactics2-2:初期ブックにおけるスペル


 「1-3:カードの分類」では、スペルを“プレイヤーのスキルとセンスが問われるカード”と表現しました。これは使うタイミング、対象がプレイヤーの技術に依存するためで、判断に迷う局面があるからです。この点は初期ブックに採用されているスペルも同様です。ここではそんなスペルの使い方を紹介します。

 ホーリーワード1    単体呪いスペル  コスト:30  レアリティ:N
 対象セプターの次のダイス目を1にする


 ホーリーワード6    単体呪いスペル  コスト:30  レアリティ:N
 対象セプターの次のダイス目を6にする


 ホーリーワード(全部で0、1、2、3、6、Xと6種類)は非常に使い勝手の良いスペルです。

 このように多目的に使用できます。また、使うタイミングを選ぶため、プレイヤーによっても判断が分かれます。例えば、相手もホーリーワードを使っていることが分かった場合、ホーリーワードをかけられても自分のホーリーワードで上書きできるように手札に保持する人、いざ手札が一杯になって捨てるのはもったいないから使ってしまう人、それぞれです。上の5つの使い方は基本的なものなので、是非、身に付けてください。

 マナ    単体瞬間スペル  コスト:0  レアリティ:N
 使用者は周回数×50Gを得る


 【マナ】はただ「使う」だけという面白みも何も無いスペルです。それでも確実に自分を目標へと近づけてくれるため、多くのセプターに好まれています。周回ボーナスを得た後に使った方が効果が強くなるため、手札に保持するのもひとつの手ですが、捨てるよりは使った方が良いでしょう。手札が6枚になったら使う、というのも悪くないかもしれません。
 本来は「ブックに何枚採用するか」という問題であり、自らの収入手段をいかに確保するかが問われるのですが、初期ブックでは考える必要がないため今回は割愛します。持っている分だけ入れてしまって良いでしょう。

 フライ    単体瞬間スペル  コスト:30  レアリティ:S
 使用者はダイスを2つ使い、ダイスの目の合計分進める

 自分が速く進むことによって、砦ボーナス、周回ボーナスを得られます。やや効果にバラつきがありますが、優秀な周回加速カードです。なお、瞬間スペルであるため、自分に付いた呪い効果は消えません。【バリアー】や【ヘイスト】との併用が可能です。

 シャッター    単体瞬間スペル  コスト:30  レアリティ:N
 対象敵セプターの手札からクリーチャーカード以外のカードを1枚選び、破壊する

 敵プレイヤーのアイテムカードかスペルカードを1枚選んで破壊します。
 このカードは最善手を打つのが非常に難しく、「なんとなく」使ってしまいがちです。「なんとなく」でもそれなりの効果がありますが、盤面を決定付ける力を発揮するのは状況が限られるため、あまり採用はされていません。

 ここで問題です。自分が1位の時に次のプレイヤーA、B、Cの中から、【シャッター】の対象を選んでください。

  A:【マナ】(レベル4の領地を持ち、自分との総魔力差は1000)
  B:防具(高額領地あり)
  C:武器(侵略用クリーチャーあり)
  その他:【シャッター】を使わない

 実は、解答はひとつではありません。Aにレベルアップできる領地があった場合はAに使うのが順当です。また、Cが確実に侵略してくるのが分かっていて、Cの侵略を防ぐ手段が無いならばCでも良いでしょう。
 微妙なのはBです。高額領地は必ず踏むとは限らない上に、ホーリーワードで回避することも可能です。また、防具を破壊しても侵略できる手段が自分に用意されているかどうかも問題になります。加えて、CがBの高額領地を侵略して、自分に追いついてしまうかも知れません。これでは【シャッター】を打たない方が良かったという事になってしまいます。
 最大の問題は、このような盤面の状況を見極めて適確に判断する能力です。これが非常に難しいため、「とりあえず」入れておいても役に立ってくれる【マナ】の方が、採用されがちです。【シャッター】を使うときは、使った後の展開も考えておきましょう。低コストで確実に干渉できるため、存外、悪い働きはしないと思います。

 マジックボルト    単体瞬間スペル  コスト:50  レアリティ:N
 対象敵クリーチャーのHP-20

 敵クリーチャーを排除するのに有効ですが、このスペル1枚で消せるクリーチャーは非常に限られます。初期ブックの場合は移動侵略による巻物との組み合わせが有効でしょう。無効化能力を持つ【デコイ】や【アンシーン】に使うのが一般的ですが、相手のクリーチャー構成に左右されるため、ストーリーモードで使いにくいと感じたら抜いてしまうのも手です。
 ただし、初期ブックによる4人対戦の場合は少々勝手が違います。3人の【マジックボルト】を一斉に撃てば、いかなる高額領地であろうとも確実に落とせるので強力な抑止力になります。その際は、レベルアップする領地を複数にして被害を最小限に食い止めてください。

 キュアー    単体瞬間スペル  コスト:0  レアリティ:N
 対象クリーチャーのHPを全回復する

 使う機会は少ないと思います。欲しいタイミングは試合中に1、2度あるかも知れませんが、狙ったタイミングで引いてくる必然性はありませんし、その時まで手札に持っておくのも得策ではありません。【マナ】などのカードが手に入ったら、入れ替えてしまって構わないカードです。

 いかがでしょうか?何気なく使っているスペルを見直していただけたら幸いです。「このぐらいなら既に知っているよ」という方は、初期ブックを使いこなせるプレイスキルが身に付いています。カルドセプトに初めて触れる方と対戦するときは、是非とも初期ブックにしてみてはいかがでしょうか?