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ドレインマジック
単体瞬間スペル コスト:80 レアリティ:S
使用者は、対象敵セプターから、そのセプターの持つ魔力の30%を奪う
多くのブックに投入されている【ドレインマジック】。ここではその特性を明らかにし、使う側と使われる側におけるプレイングについて考察します。
セプターの資産は魔力と領地と護符によって構成されます。自分が相手の資産に干渉する場合、領地ならばクリーチャー侵略などで、護符ならば地形変化スペルの使用などで、干渉・妨害することが可能です。これらの方法は一般的なブックにおける基本要素であるため、わざわざ対策を講じる必要がありません。しかし、スペルによる現魔力への干渉手段は【ドレインマジック】のみです。
もし、【ドレインマジック】のない状況で、相手が全ての資産を魔力で持つならば、こちらには為す術がありません。大事そうに現金を抱えているのを、黙って見ているしかないのです。(通行料を奪うことも可能ですが、マップによっては殆んど期待できません。)
【ドレインマジック】は「相手の魔力を奪える=自分の得になる」ことから多くのセプターに好まれますが、現魔力への干渉こそが本質的な機能です。
ゲーム中ではどのタイミングで【ドレインマジック】を使えばよいのでしょうか。まず、【ドレインマジック】の収支は次のようになります。
対象の魔力 | 400 | 600 | 800 | 1000 |
収支 | 80 | 160 | 240 | 320 |
相手が600G持っていれば、3周目の【マナ】くらいの評価をすることができます。この状況なら撃っても損はしないでしょう。しかし、ゲーム中は相手が1000G以上を持つこともあります。理想のタイミングはこの時です。
周回ボーナスであれば一気に400G近くの魔力が入ります。
高額領地に止まってしまった時、通行料を得た相手から魔力を奪います。自分が止まった時の対策にもなりますので、土地を踏みやすいマップでは有効なカードです。
聖堂で護符を買おうと大量の魔力を持っているとき、あるいは護符を売り払ったときです。少しづつ買われたり、護符で得た魔力を土地のレベルアップに使われると無意味ですが、行動に制約をかけることはできます。
【ランドトランス】や通行料の支払いによって領地を魔力へと返還した場合、2000G近くの魔力を持つことも少なくありません。使用後、すぐに土地のレベルアップができれば問題ありませんが、ダイスが振るわない場合は、魔力を抱えて立ち尽くすことも。
また、ゲーム中は「誰に使うか」も意識しなければなりません。単純に手持ち魔力のもっとも多いセプターに使う(=自分の得になるように使う)のも一つの選択肢ですが、達成までの手順を逆算して、トップのセプターに使うこともあります。状況によって判断は分かれますので、最善手を目指して試行錯誤してください。
このように【ドレインマジック】の使用機会は多く、試合においてはこれを防ぐ必要があります。【バリアー】で防ぐことも可能ですが、対策のためだけにわざわざブックにカードを投入するのは効率が良くありません。そこで、プレイングによる回避が重要になります。【ドレインマジック】の対象になるのは一人だけですから、その対象にならなければ問題ない、というわけです。
ちなみに、【ドレインマジック】は1回のスペル使用機会で1枚のカードと80Gの魔力を消費して、相手の手持ち魔力の30%を奪うカードです。実は防御アイテムと似たような部分があります。80Gのアイテムカードを使って、相手の手持ち魔力の30%の通行料を奪うとも言えます。こう考えると、【ドレインマジック】を被弾して200G奪われるのは、レベル3領地に止まったのと似たような状況と考えられます。【ドレインマジック】を回避することがいかに重要か、お分かりになるでしょう。
【ドレインマジック】が見えたら、魔力をさっさと使ってしまいましょう。タイミングの問題はありますが、最終的には土地レベルを上げなければなりませんから。
地形変化スペルを使っていると、領地コマンドで300Gも支払って土地の属性を変化させるのは魔力の無駄のように思えます。しかし、地形変化スペルは150Gのコストが必要になりますから、節約できた魔力は150Gに過ぎません。カード1枚を使って150G節約することは、150Gの魔力収入を得ることと同じです。つまり地形変化スペルの替わりに収入スペルを投入し、領地コマンドで地形変化することは、そんなにマズイ選択肢では無いのです。(もちろん、地形変化スペルは「他人の領地へ使える」、「好きなタイミングで使える」といったメリットがありますから、必要になります。)
このことを踏まえると、領地コマンドによる地形変化で手持ち魔力を減らして、【ドレインマジック】の対象から外れるのは、有効な選択肢と言えます。
【マナ】等の収入スペルの使用を控え、護符の購入などすぐに魔力を使える状況になるまで保留します。収入スペルを使ったばかりに【ドレインマジック】の対象になって相応の魔力を奪われては、スペルを使用した意味がありません。
もっとも回避したいのは、序盤にクリーチャーを置けず、引いてくるカードは【マナ】や【ホーリーワードX】などの魔力収入のスペルカードのみ。サイコロを振り続けて、気がついたら手持ち魔力は500Gくらいになって、適当に打たれた【ドレインマジック】で振り出しに戻る、というパターンです。効率良く手札を運用し、魔力を消費していかないと歩く貯金箱になってしまいます。
カルドセプトで形成した資産(魔力)は、他のプレイヤーから干渉されるものです。主な資産は「魔力」と「土地」ですが、それぞれ「ドレインマジック」や「侵略」などの干渉にさらされてしまいます。しかし、資産の種類によっては干渉する手段が限られる場合があります。「ドレインマジック」では領地への干渉はできませんし、「侵略」では現魔力への干渉はできません。これらの強弱関係を示したのが下の図です。
試合では、いくつかの選択肢を用意しておかなければ、何もできずに終わってしまうことがあります。例えば、手持ちの魔力だけを増やして領地のレベルアップを行わないセプターがいた場合、これに対する牽制手段は【ドレインマジック】のみとなります。同様に、領地の拡大を図るセプターがいたときに、侵略手段を持たなくては為す術がありません。
バランスの良いブックを目指すのであれば上記の4つの手段を持ち合わせた戦術が最適です。もちろん、早めに試合を終わらせるべく「魔力収入」と「レベルアップ」に特化した速攻型のブックや、「魔力吸収」と「領地侵略」に特化した侵略型のブックも有効でしょう。大切なのは、相手の戦術によってこちらの立ち回りを想定することであって、試合での干渉手段を用意しておくことです。
これらを踏まえた上で【ドレインマジック】が手札に持たれた場合、どのようなことが起こるでしょうか。まず、手持ちの魔力を抱えたままでいることが敬遠され、領地のレベルアップを行うようになります。また、【ランドトランス】で多くの魔力を持つことも敬遠され、達成アクションを止めることにも繋がります。場に与える影響はそこそこですが、相手の目指す(達成のための)行動に制限をかけることから、場の遅延を図るカードです。
こう書くと良いことづくめの印象ですが、手札に抱えるということは手札のスロットを1枚潰すことを意味します。特に、【ランドトランス】を行える体勢の人がいた時には【ドレインマジック】を抱えておかねばならず、迂闊に【リンカネーション】で手札を流すことができません。こちらも同様に手順が遅れる可能性を覚悟しましょう。
手札に抱えずに同様の効果をもたらす方法としては、【ドレインマジック】を3枚以上入れて、引き打ちすることが挙げられます。相手は次から次に引いてくる【ドレインマジック】を警戒して、常に誰かの手札に【ドレインマジック】があるかのような行動を取らざるを得ません。しかし、【ドレインマジック】は魔力収入としての側面よりも、場の遅延としての側面が大きいので、たくさん入れれば済むという話でもありません。手持ち魔力を抱えざるを得ないような状況を意図的に作り出す必要があるでしょう。
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