ここでは、ターンウォールへの解説を通して、マジックボルト等のダメージスペルがプレイングに幅を持たせることを説明します。
ターンウォールの性質
ターンウォール
単体瞬間スペル コスト:80 レアリティ:S
対象クリーチャーを、ある一定の、同じ属性を持つ防御型クリーチャーに変える
カードの効果は、実際に使えば一目瞭然ですが、以下の3点を抑えておきます。
対象
対象となるのは、敵・味方の全てのクリーチャーです。ただし、ランドプロテクトが付いていたり、ケットシーなどのスペル対象外クリーチャーは除きます。
一定の防御型クリーチャー
対象となったクリーチャーは各属性ごとに、次の防御型クリーチャーに変化します。
無:スタチュー
火:ピラーフレイム
水:アイスウォール
地:ストーンウォール
風:ハリケーン
補足
変化したクリーチャーは、ST,HPともにカードの能力値になります。例えば、HP20のスチームギアに使えば、HP50のスタチューに変化する、というわけです。
また、クリーチャー対象の呪い効果は継続します。ピースのついたクリーチャーに使っても、ピースは消去されません。
なお、マーブルアイドルが配置されていても、ターンウォールは影響を受けません。
敵クリーチャーに使う
ターンウォールは対象となったクリーチャーを盤面から確実に排除します。マジックボルトやイビルブラストも敵クリーチャーを排除できますが、HPが高い相手にはダメージが届きません。一方、マジックボルトは相手の領地を失わせ、資産にも影響を与えるのに対し、ターンウォールはクリーチャーを変化させるだけで土地はそのままですから、資産に直接の影響はありません。
システムクリーチャーに使う
全体能力を持つリビングアイドルや応援能力を持つアレスなど、盤面に影響を与えるクリーチャーに使います。影響力の強いクリーチャーほど妨害を受けやすいため、使用者はピースなどでこれらのクリーチャーを守ろうとします。そのため、通常の侵略でこれを排除するのは難しいです。
しかし、ターンウォールであれば消すことが可能です。しかも、マジックボルトでは消せないアレスなども消せるのです。対象となるクリーチャーに左右されず、確実に排除できるのはターンウォールの大きな特徴のひとつです。
侵略を抑止する
デコイやバジリスク、ガルーダやコロッサスなど、侵略を得意とするクリーチャーは厄介な相手です。移動侵略されるばかりか、チャリオットまで併用され自領地を荒らされては、とても達成できるものではありません。
ターンウォールはこうした侵略を行うクリーチャーに使うことで、侵略を抑止する効果が得られます。
拠点候補に
発想は侵略の抑止と同様で、ミルメコレオ、ガーゴイル、アヌビアスなど、拠点防御に長けたクリーチャーに使うことで、侵略を容易にします。もっとも、防御型クリーチャーに変化するのですから、ノーアイテムで落とせるほど楽ではありませんが。
また、ルナティックヘアとの即死コンボもあり、条件次第では切り札にもなります。
味方クリーチャーに使う
味方クリーチャーにも使える局面が存在します。
ばら撒いたクリーチャーの強化
バードやスプライトなど、「とりあえずばら撒いては置いたけど、拠点にはできない。でも、今は魔力を抱えているから増資したい。」なんて時に使います。拠点候補としても十分な防御力は得られますから、土地と属性があっていれば当面は安心です。
ダメージスペル対策
HPが減少していても、カードの能力値のクリーチャーに変化しますから、テンペスト等でHPが削られたときに使うことでHPの回復ができます。しかも配置されるのはHPの高いクリーチャーなので、その後も継続して使えます。
ブック構築
このようにターンウォールを使える局面は多く、一部で「汎用スペル」と表現されるに足る能力を持っています。一方、妨害スペル全般の特徴である「自分の得にはならないスペル」であることもまた事実で、適当に使っていてもメリットはありません。いわゆる「普通のブック」にターンウォールを2、3枚入れても、有効には機能しないのです。
このことから、自分のブックにおけるターンウォール役割は何なのかを、ブック構築段階から明確にしておく必要があります。具体例としては以下のような場合が挙げられます。
・バジリスクを使いたいので先制クリーチャー対策が必要
・クリーチャーが偏っているのでマーブルアイドルに非常に弱い
・自分はガルーダ使うけど相手のガルーダを牽制したい
・ST高いからデコイに滅法弱い
・水属性ブックでルナティックヘアとセットにして同属性対策
実際にはもっと多くの使い方があります。ブックに応じて研究してください。
ターンウォールを前提としたプレイング
ターンウォールに限らず、マジックボルトやイビルブラスト等も含めた特徴ですが、これらのスペルをブックに投入することで、試合中のプレイングに幅が出来ます。
例えば、相手がマーブルアイドルを使ってきた場合を考えましょう。こちらは投入するクリーチャーの種類を多様化させることで、十分な対策が取れます。そのため、試合中は無理にマーブルアイドルを排除しなくても、プレイング次第で対処できることも少なくありません。
しかし「プレイングで対処できる」のは、状況によっては「プレイングでしか対処できない」こともあり、試合中の選択肢としては大きく制限を受けることになります。マーブルアイドルの例ならば、既に置いた自分のクリーチャーは、新たに2枚目、3枚目をドローしても無意味ですから、捨てるなり、生贄になるのが普通です。自分でマーブルアイドルを排除する手段が無いのに、「手札に保持してマーブルアイドルが無くなったら使う」なんて悠長なことは考えていられません。
これに対して、ターンウォールやマジックボルトがブックに投入されているなら、状況は全く異なります。ピース付きマーブルアイドルなぞ、恐れるに足りません。クリーチャーを排除できる目算が立ちますから、2枚目のクリーチャーを捨てる必要は無く、選択肢が広がります。これはマーブルアイドルに限った話ではなく、グラニットアイドルでも、アヌビアスでも同様です。
このように、ターンウォールはプレイヤーが目的意識を持つことで、幅広い局面で活躍してくれるスペルと言えます。ただし保険のようなカードですから、「ブックに入れたけど使わなかった」ことも決して間違った選択肢ではありません。そんなときは、保険のお世話にならないゲームができた幸運に感謝しましょう。