スチームギアの項では、クリーチャーの質の重要性について触れました。クリーチャーの質を高めることでアイテムの枚数を減らし、ブックの達成スピードを速めることができます。しかし、質の高いクリーチャーはコストがかかります。平均してみれば70G~90G程度になり、クリーチャーを配置するために相応の魔力を支払わねばなりません。
カルドセプトのクリーチャーは多種多様です。高いコストで呼び出すクリーチャーがいる一方で、極めて低い召喚魔力で呼び出せるクリーチャーも数多く存在します。質が重要であれば、これらの安いクリーチャーに出番は無いのか?――そんなことはありません。殆んどのクリーチャーは有用に使えるのです。
ここでは低コスト(0G~30G)のクリーチャーに注目し、これらの利点と欠点を明らかにします。
広いマップか、狭いマップか
クリーチャーに相応の戦闘力が求められるのは何故でしょうか?答えは簡単「戦闘するから」です。では「そもそも戦闘が発生しない、しにくい環境」であればどうでしょう。この環境では徒にクリーチャーの質を高めても意味がありません。クリーチャーが戦わないのですから。
マップは土地がとりやすい広いマップと、土地が取りにくい狭いマップに概念的に分ける事ができます。広いマップは土地が取り易いので戦闘が発生しにくく、狭いマップは土地が取り難いため戦闘が発生しやすいのです。ロカやデュナンでは戦闘が多発するのに対して、カザテガやビスティームでは戦闘が起きにくい、とイメージして貰えば分かりやすいでしょうか。
低コストのクリーチャーは広いマップで活躍します。戦闘が発生しにくいので、クリーチャーの質を落とせるのです。
安さ爆発
序盤から大量の魔力を保有
低コストなので、クリーチャー配置のスピードは非常に早いです。しかも魔力が貯まりやすいので、序盤から護符を大量に購入できたり、初期に領地のレベルアップができます。試合の展開も加速するでしょう。
収入スペルを圧縮
上記と重複する内容ですが、クリーチャーのコストの低減は魔力を蓄えやすく、擬似的に収入スペルを使ったのと同様の効果を得られます。「クリーチャーのコストが低いから、実際に収入スペルを減らそう」と言えるブックは限られますが、ブック圧縮の一つの方法として覚えておいて損はありません。
交換効率が高い
低コストのクリーチャーの侵略ではアイテムの補助が必要です。手札にアイテムを抱えた状態で、相手の高レベル領地に侵略を仕掛けます。もし、相手がアイテムを使わなければ土地を守れない状況であれば、アイテムを使わざるを得ないでしょう。そんな場合、こちらはアイテムを使う必要はありません。低コストのクリーチャーを、負けを覚悟で特攻させるのです。
これを
空侵略と呼びます。こちらはクリーチャーを失ってしまいますが、魔力損失は極少量で済みます。トップの防御アイテムを減らせるので、逆転へと繋げられます。
代表的なカード
低コストクリーチャーの弱点として(何度も繰り返しているのでお分かりとは思いますが)
戦闘に極端に弱いです。スチームギアに対抗するのは何らかのサポートが必要です。しかし、ただ打たれ弱いだけでは勝負に絡めません。そこで、比較的戦闘力の高い低コストクリーチャーを紹介します。
バルダンダース
無属性クリーチャー レアリティ:S
ST:0 HP:30 コスト:10 配置制限:なし アイテム制限:なし
戦闘中、ランダムに変身する
一部のセプターに愛されて止まぬクリーチャーです。一見すると冗談のような能力ですし、試合後に話のネタにされることも事実。しかし、なかなかに侮れぬ性能を持っています。一つは配置制限、アイテム制限が無いこと。もう一つはランダム故に高コストのクリーチャーに侵略されにくいこと。また、常に試合をひっくり返す可能性を秘めていること、です。
護符戦ではゴールドグースを使われにくいため、有効に働いてくれるでしょう。ただし、愛のあるセプターにのみ、その期待に応えてくれるという話です。
ドラゴンフライ
火属性クリーチャー レアリティ:N
ST:30 HP:20 コスト:20 配置制限:なし アイテム制限:巻物
先制
非常に低コストで先制を使えます。ボーパルソードやリビングソードなどの武器をブックに複数枚投入していれば、高い防御力を発揮するでしょう。加えてファイアーシールドも使え、魔力消費の少ない防御が可能です。対先制クリーチャー用の空侵略要員としても使えます。
ブラッドプリン
水属性クリーチャー レアリティ:S
ST:20 HP:20 コスト:30 配置制限:なし アイテム制限:巻物
援護:戦闘開始時、援護クリーチャーのHPがMHPに加わる(最大80)
スチームギアを援護に付けて相手のクリーチャーを排除しつつ、その場に強固な拠点を作り出せます。手札の消耗が激しい、相手に警戒されやすい、などの弱点もありますが、ブックの構成次第では拠点候補のひとつに挙げられます。巻物が使えず攻め手に欠けるので、空侵略には期待しないほうが無難でしょう。
カーバンクル
地属性クリーチャー レアリティ:N
ST:20 HP:20 コスト:20 配置制限:なし アイテム制限:なし
援護:巻物攻撃・効果を対戦相手にはね返す
地属性はHPの高いクリーチャーが多く、それらをアイテムとして使える援護能力は相性が良いです。巻物攻撃は効かないので、アースシールドを持てばほぼ無敵の拠点に。巻物が使えるのもポイントと言えます。
ただし、援護クリーチャー全般はグレムリンアムルに弱く過剰な期待は禁物です。ドラゴンフライを援護に付ければカーバンフライという強力なクリーチャーになりますが、狙って作るのは困難なのでお薦めしません。
スペクター
風属性クリーチャー レアリティ:N
ST:0 HP:30 コスト:30 配置制限:なし アイテム制限:なし
戦闘中、STとHPがランダムに10~70に変化する
バルダンダース同様、ネタ扱いされるクリーチャーですが、これも高い性能を秘めています。「STとHPがランダムに10~70に変化」というと、平均40と判断しがちです。しかし、カルドセプトにおいてHPは1でも10でも同じ数字です。つまりHP31は40と同義であり、これを基準に計算すると
平均ST30、平均HP50となります。しかも戦闘毎に変動するため
再生と似た能力です。
上記に加えて一切の制限がないので、攻防に役立ってくれるでしょう。相性が良いのは先制付与アイテムです。STかHPのどちらか一方が爆発的に高まれば侵略を防げます。
優秀な低コストのクリーチャーは探せば他にもあるので、色々と試してください。