Card:スチームギア

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 カルドセプトにおけるクリーチャーを語る上で、どうしても避けて通れないのがスチームギアです。スチームギアは対戦で広く使用され、万能選手とも呼べる高い性能と癖の無い性質を持っています。土地の攻防においては比較対照にされやすく、スチームギアについての知識は必要不可欠です。この項では「何故スチームギアが多用されるのか」を説明することで、今後のクリーチャー解説の下地を作りたいと思います。

 手札を温存する

 レベル1領地での戦闘では、毎回アイテムを使用する訳にはいきません。空地にクリーチャーを置ける場合やアイテムを使わなくても土地を奪取できる場合を除いたとしても、毎回の戦闘でアイテムを使うことは不可能です。何故でしょうか。

 アイテムの消費を前提にしてしまうと、ブックにおけるアイテムの比率は急増します。クリーチャー、スペルとも枚数は少なくなります。収入手段と土地の確保が遅れるのですから、達成が遠くなるでしょう。また、アイテムは戦闘でしか使いませんから、手札に持て余す可能性もあります。
 そもそも手札には限りがあります。毎ターン1枚のカードを引けますが「スペルターンで1枚、クリーチャーで1枚、アイテムで1枚」では、手札は減っていく一方です。瞬間的にこういう動作をすることはありえますが、毎ターンとなると無理です。
 よって、手札の消費を抑える必要があります。スペルは収入に直結しますから、確実に使いたいですね。クリーチャーも土地の確保に必要だから外せないでしょう。そうなると、クリーチャーの能力で何とかカバーできそうなアイテムを使わないようにすれば、手札の消耗を抑えられることになります。つまり、アイテムを高レベル領地侵略・防御のピンポイントで使うのです。これでも手札は減っていきますが、クリーチャーは必ず配置できるとは限りませんし、「-2」が「-1」になったため、手札補充スペルでカバーできる範囲です。

 さて、レベル1領地戦闘でアイテムを使わないことを前提とすると、如何にアイテムを持たない状態(素)で高いSTとHPを持っているかが問われます。単純に「強ければ良い」わけではなく、召喚条件・配置制限が無く、安く、癖が無く、使いやすいクリーチャーがベストです。そういった基準でクリーチャーを選別していくと、スチームギアに行き着きます。

 お手軽にST50

 スチームギア    無属性クリーチャー  レアリティ:S
 ST:50 HP:50 コスト:60  配置制限:なし アイテム制限:巻物
 配置した領地の通行料は1/2になる

 スチームギアは同程度の能力の他のクリーチャーと比較した場合に、圧倒的な使いやすさを持っています。
 まず、配置制限がありませんし、召喚条件に領地や生贄も要求されません。そしてST50を出そうとするならば、スチームギアよりも安いクリーチャーは存在しません。これに加えてHP50なので、スチームギアよりも安いクリーチャーによって排除されることが無いのです。交換効率が高いと言えます。
 アイテム制限に巻物がありますが、巻物は試合中に多用するものではありませんから無視できます。能力の「配置した領地の通行料は1/2になる」も、そもそも無属性クリーチャーの領地のレベルを上げる状況は限られますから、低い通行料が半分になるだけです。気にする必要は無いでしょう。また、対戦相手に「半分だったら良いか」とストレスを与えず、侵略する気にさせない副次効果もありますから、実は防御的なプラス能力だと言えます。

 以上がスチームギアが多用される背景です。レベル1領地戦闘におけるスチームギアの殴り合いは広く行われています。このため土地を守るクリーチャーの選別は、如何にアイテムを持たない状態(素)でスチームギアから土地を守れるかが基準の一つになっています。

 ただし、スチームギアが使いやすいからといって、これに頼り切っていてはゲームに勝てないでしょう。属性アムルやシールドを用いるなら、スチームギアより多少コストはかかっても、属性付きのクリーチャーが良い働きをします。スチームギアの侵略を防げるクリーチャーもたくさんいます。ブックに必要なのか、必要なら何枚採用するのか、を考えて使ってください。


 この文章はライズド氏の「アレス論」から、多くの示唆を得ております。この場を借りてライズド氏に謝意を申し上げます。
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