Card:バジリスク

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 バジリスクは、その高い侵略能力ゆえに多くのセプターに愛用されています。一方で、侵略されるセプターにとっては非常に厄介な存在です。クリーチャー戦において、バジリスク対策は一つのキーポイントになり、勝敗を左右すると言っても過言ではないでしょう。
 ここでは、バジリスクの性質を明らかにするとともに、その対策も含めて解説します。

 完全なる踏み対策

 バジリスク    地属性クリーチャー  レアリティ:R
 ST:30 HP:40 コスト:50+地×2  配置制限:なし アイテム制限:防具
 即死(50%):戦闘終了時、戦闘が行われた領地のレベルが1下がる

 バジリスクは、攻撃成功時の即死と、戦闘終了時のレベルダウンが最大の特徴です。拠点に侵略されれば、地形効果があろうともクリーチャーは破壊される危険性を免れず、倒せなかった場合には土地レベルを下げられてしまいます。端的に言えば、バジリスクが横に配置されたのに自分のアイスウォールのレベルを上げるのは自殺行為です。
 戦闘における局面を考えると、バジリスクは絶妙なSTとHPを持っています。即死効果を防ごうとカウンターアムルを使っても反射ダメージでは死なず、レベルダウンの憂き目に遭います。属性シールドで無効化し反撃で倒そうとしても、ST40というのは相応に高く、何らかの補助が必要になるでしょう。よってグレムリンアムルを持てば、殆んどの場合で大きな圧力をかけることが可能です。

 バジリスクのブックにおける役割とは踏み対策遅延効果です。高額領地に止まったとしても、即死で土地を奪え、即死が失敗してもレベルダウンで通行料を半分以下に抑えます。また、バジリスクが登場することで他のセプターは増資を控えるようになり、拠点候補は絞られ場は遅延します。加えて、低いSTしか持たないクリーチャーに対しては、使用者が止まった土地から侵略して敵領地を荒らすことも可能で、これも場を遅延させる効果があります。
 地属性の安定性の高さは、バジリスクがいることで高額領地踏みを抑えることができるのが理由の一つです。

 レベルダウンと通行料支払い

 高額領地を踏んでしまい、バジリスクを召喚した場合を考えて見ましょう。
 即死効果が発動すればその土地の奪取に成功していますので、踏み対策としての効果は考える必要がありません。よって、即死は成功せず、バジリスクと防御側のクリーチャーが生き残り、レベルダウンが発動したパターンを考えます。

 踏んでしまった領地を基本地価100Gで4連鎖レベル5の土地とします。この領地の通行料は2560Gになります。これがレベルダウンでレベル4にまで下がると、通行料は960Gになり、差し引き1600Gの通行料を減らすことに成功します。踏まれた領地の所有者にとっては、土地レベルが落ちることは大きな損失です。しかし、得られた通行料960Gから800Gを使って、再びレベル5に土地レベルを上げられます。
 このように考えると、踏まれた方の魔力は減少せず、踏んだ方の魔力減少を大きく抑えられることが分かります。バジリスクは一見すると、ゲームバランスを壊すカードに感じますが、実際にはそこまで酷いカードではありません。通行料による収入で、誰かが突出した状況を容易に生み出さないカードなのです。

 バジリスクへの対策を施す

ST40以上の先制クリーチャー

 バジリスクの即死攻撃とレベルダウンに対抗するには、先制攻撃で倒してしまうのがもっとも確実な方法です。降りかかる火の粉は手で払いのけましょう。グレムリンアムルを持てばほぼ確実に防御できるので、ST40以上の先制クリーチャーが重宝されます。

カウンターアムルなど無効化アイテム

 高額領地に止まられた時に手札召喚されたバジリスクでは、レベルダウンされても通行料が入るため損はしません。単純に高額領地を守るためならば、無効化アイテムでも十分と言えます。ただし、グレムリンアムルには無意味ですので、注意が必要です。

高STクリーチャー

 STの低いクリーチャーでは、バジリスクを頻繁に召喚され、領地を荒らされてしまいます。しかし、高いSTを持つクリーチャーであれば、相手はバジリスクを温存しようとするため、場を遅延させるための侵略を抑止させ、ある程度は土地を守ることが出来ます。

スクイーズ、バサルトアイドル

 スクイーズでバジリスクのカードを破壊したり、バサルトアイドルでレベルダウンを封じる方法もあります。ただし、自分の得になるように使うのはやや難しいので、ブック構築は難しいものとなります。

無視する

 バジリスクは高額領地踏みが発生しやすいマップで真価を発揮します。逆に言えば、分岐が多くて広いマップでは、その本領を発揮する機会が非常に少ないと言えます。マップによっては、バジリスク対策を行わず、別のカードを入れることでブックのポテンシャルを上げることも選択肢の一つでしょう。

 バジリスクは敬遠されるクリーチャーの一つですが、ブック構築段階において、どのように対応するのかの判断は必ず求められます。あまり気にしなかった方はこの機会にブックを見直してみてはいかがでしょうか。

 侵略クリーチャーとしてのバジリスク

 4号戦車G型さんから、踏み対策ではなく、侵略クリーチャーとしてのバジリスクを紹介する掲示板への書き込みがありましたので、合わせて紹介します。(以下、緑色の文章が4号戦車G型さんのコメントです。)

即死クリーチャーでは最高のコストパフォーマンス

 レイスやイグニズファツィは魔力コストがバジリスクよりも安いのですが、いずれも手札コストが必要で、レイスは戦闘終了時死亡、イグニズファツィは後手・火水侵略不可ということを考えると、バジリスクは手札コストが不要で後手では無く、どこでも配置・侵略できるという特徴は非常に大きいでしょう。
 コストの安さもさることながら、配置制限が無いこと、即死の対象が限定されないこともバジリスクの優秀な点です。こうした使いやすさは、ブック構築時において非常に重要で、相手の戦術に左右されにくいことを意味します。戦略の汎用性の高さはブックの安定性に繋がります。

バジリスクの抑止効果は、移動侵略よりも手札召喚による侵略の方が有効

 配置した場合は、スチームギア等で狩られてしまうリスクのほか、対戦相手に「もうブック内にバジリスクが無い」と見切られてしまい強気のレベル上げを通してしまう危険性があります。
 それを完全に逆手にとり、バジリスクを使い捨て感覚で使用するのが私が編み出した「バジリスク4枚投入」理論の一つとなっています。
 手札にバジリスクが無ければ、高額領地を踏まれたときに召喚される可能性は下がりますから、拠点候補への増資に踏み切れるでしょう。これは遅延効果が弱くなります。

最も厄介なことは無視されること

 「即レベル上げ>ランドトランス>別の領地へ増資して高速達成」とか、予めデコイ、グリンデロー、スプライト等のバジリスクの攻撃を無力化できるクリーチャーをブックに計2-3枚組み込まれ、そこを一気に上げられるとかなり苦しくなります。
 あとはテンペスト等の焼き場、アレス場など、超低速環境が厄介ですね。地土地2個の確保が難しく、バジリスクを手なり侵略で使用してもすぐに相手にとられてしまいがちです。
 なお、バサルトアイドルはバジリスク侵略側にしてみれば「資産劣化することなく土地を奪取できる」メリットになるので、対策になりません。私なら逆に突っ込んで勝利を狙います。
 むしろ、召還配置を許さないマーブルアイドルの方が対策になります。
 バジリスクを侵略クリーチャーとして利用する戦術の場合、高額領地を直踏みするわけにはいきませんから、無効化クリーチャーの土地レベルを上げられると苦しくなります。また、領地が安定しない展開も、バジリスクを召喚できなくなるため、戦術が成り立ちません。
 しかし、バサルトアイドルは土地レベルが下がりませんし、ゴールドグースを使われて突出した状況を生み出さずに済む利点があります。カード一つとっても、使い方によって苦手となるか有利となるか、一概には判断できない好例と言えるでしょう。

護符戦のキーカード

 「戦闘終了時に土地レベルが1下がる」という能力は護符戦の場合は、「戦闘を通じて護符価値(≒護符資産)に大ダメージを与えられる」ことにもつながります。
 これはラクサスと同様、戦闘によって自分にプラス(=土地資産の上昇)、相手に大マイナス(土地、護符資産の大幅な劣化)を与える「護符戦牽制カード」としての側面もあります。
 護符戦において土地を奪われることは、土地価値が減少するのみならず、連鎖切れによる護符価値も低下し、二重の資産減少を意味します。バジリスクはさらにレベルダウンを起こして護符価値を暴落させることが可能です。
 また、護符戦ではスペルや領地能力の対象とならないケットシー、グリマルキン、ペガサスなどが利用されやすい傾向にあり、これらのクリーチャーにアドバンテージを取れます。(ペガサスは支援効果を受けるとST40の先制となり、攻撃できない。)
 なお、バジリスクによる侵略を受けた側は、ゴールドグースによって損失を補填し、低下した護符をさらに買い漁るといった戦法も可能です。

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