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護符戦におけるプレイングは、護符が無い場合と比べて大きく異なります。もちろん、「連鎖を作ってレベルを上げる」というカルドセプトの基本戦術に揺らぎはありませんが、他のセプターとの協力・妨害を護符を通しても行う必要があるためです。ここでは、護符戦における代表的なプレイングを紹介します。
「5-2:護符による魔力増幅」で紹介した護符の総魔力上昇は、自分の領地の護符を買うことが前提にしていました。しかし、護符は全ての領地に存在するので、もちろん他人の領地の護符を買うことも可能です。こうした、他人の領地の護符を買うプレイングは護符の相乗りと呼ばれています。
相乗りの利点はいくつかありますが、まず自領地のレベルアップを行わなくても、総魔力の上昇を期待できることが挙げられます。他人が土地のレベルを上げれば、自分の持っている護符価値も上昇するため、他人の行動によって総魔力を高められるというわけです。
また、これに付随する効果として、相手の領地のレベルアップを抑制することが挙げられます。無闇にレベルアップをすれば相手の総魔力が上昇してしまうため、下手をすれば目標達成をアシストしてしまうからです。自領地の護符を買われた方は、「終盤になれば護符を売り払われて増資、そのまま達成」という展開も視野に入れておいたほうが良いでしょう。
さらに、相手よりも護符を多く持っていれば護符ボーナスをカットできるため、妨害要素の強いプレイングと言えます。
一方、相乗りの欠点としては護符の所持枚数が多くなりやすく、コラプションの脅威にさらされることが挙げられます。特に領地のレベルアップのタイミングが相手に完全に左右されてしまうため、レベルアップ前にコラプションを打たれると、復帰するのが難しくなります。
また、護符を買うことに魔力を使うため自領地の拠点を作るのが遅れ、相手の高額領地を踏んでしまった場合の対処が難しいことも、意識した方が良いでしょう。
こうした護符の相乗り対策としては、早めに自領地のレベルを上げ、護符価値を高めて買いにくい状況を作り出すことが有効です。相手の総魔力上昇を恐れて、土地のレベルを上げないままではこちらも達成できず、相手の思うツボです。タイミングを見計らって上げることが、ポイントになります。
護符の相乗りでは、相手よりも圧倒的に多くの護符を持ち、領地のレベルアップを早い段階で抑制するプレイングが存在します。こうした戦法は一般的に護符ロックと呼ばれ、護符戦での戦局を左右するものです。
例えば、基本地価100Gの場合、4連鎖を組んだ状態でレベル5の領地を1つ作ると、護符価値が約30上昇します。もし、護符を100枚持っていれば、それだけで3000Gの総魔力が上昇したことになります。さらに、護符関係のスペルを使えば、次のように魔力が増加します。
3000(護符価値)×0.15-30=420 魔力を420G得る。
3000(護符価値)×1.20-50=3550 総魔力が550G上昇する。
3000(護符価値)×1.50-150=4350 一時的に総魔力が1350G上昇する。
このように護符戦ではスペルを1回使っただけで、魔力が大きく変動します。そのため「目標達成の直前でトップを集中して叩く」ことが難しく、一瞬でゴールされてしまうケースも少なくありません。護符ロックは、相手領地の護符を買い占めて、「土地レベルを上げたらスペルを引き打ちされて達成してしまうかも」と思わせることを戦術の柱としています。また、ブックに護符関連スペルを多く採用していることも特徴です。
護符ロックに対抗するにはいくつかの方法があります。ひとつはコラプションやプレッシャーなどの護符対策のカードを使うこと。護符に頼りきっているので、叩けば良い資産も限定されるため、比較的容易な対抗手段です。
2つめは、土地レベルを上げ、通行料で魔力を奪うこと。相手に多くの護符を買われる前に上げられれば理想的です。
3つめは、連鎖を組む属性とは違う属性の領地をレベル5にしておいて、地形変化スペルを打ち込めば達成できる状態に持っていくことです。例えば、シンクを4枚入れた水属性で連鎖を組むブックの場合を考えます。水で連鎖を組みつつ、風土地を1つ確保してレベル5に上げ、「自分が城に到着すれば達成できる」という最後のタイミングにシンクを風土地に打ち込みます。そうすれば、護符ロックをかけている方は達成のタイミングから外れ、自分のタイミングに合わせた魔力調節が可能です。ただし、相手にも読まれやすいため、手札干渉スペルには注意しなければなりません。
領地レベルと連鎖 | 護符価値 |
11115 水土地で4連鎖、火土地で1連鎖 |
水護符の価値14 |
火属性レベル5の領地にシンクを使って水属性に変化。 | |
11115 水土地で5連鎖 |
水護符の価値50(+36) |
カルドセプトは領地の属性を揃えて連鎖を組むことで、目標魔力を達成するゲームです。対人戦においては、ブックに地形変化スペルを入れることが定石となっています。しかし、4人のセプターがそれぞれ入れた地形変化スペルが、バラバラに分かれることは稀です。大抵の試合では、地形変化スペルの属性が被(かぶ)るケースが殆んどでしょう。護符戦においても、これは同様です。
護符戦で属性が被ると、土地を競合しやすいというデメリットがある一方で、護符価値が上昇しやすいというメリットもあります。例えば、2人のセプターがアップヒーバルを入れていた場合、限られた火属性の土地を争うことで消耗する危険性がある反面で、2人が火属性領地のレベルを上げるため、火属性の護符価値が1人の時よりも上昇しやすいと利点もある、ということです。
属性が被ったとき、基本的には被った相手と協調関係を築くことが勝利のカギです。護符価値がウナギ登りに上昇するため、終盤までは協力してお互いの魔力を高めていった方が、1人だけを相手にすれば良い状況になるため、対処が楽になります。レベル1領地での不必要な削り侵略や、カード破壊などは控えましょう。
最終的に自分と属性の被った相手が1人だけ残った場合、相手を蹴落として自分だけが城にゴールする必要があります。個人攻撃用の妨害カードとしては、相手領地への地形変化スペルの打ち込みがポピュラーですが、属性が被っているため効果がありません。また、メテオやクインテッセンスなどの土地への妨害スペルも、護符価値を暴落させてしまい自分の総魔力も落としてしまうため、上手く使うことは困難でしょう。
こうした場合、イクリプスやコラプションのような護符対策カードが有効になります。特に護符価値が上昇しやすいため、イクリプスは大きな効果を期待できます。また、アンダインやコアティ、ガルーダといった同属性対策を期待できるクリーチャーを複数枚入れるのも有効です。火属性の場合は、ソーサラーがケットシーやガスクラウドへの牽制になります。
一方で、属性被りがいた場合、他の2人のセプターは立ち回りが難しくなってしまいます。互いに護符価値を高めあう一時的な同盟関係にある2人に対して、達成速度が追いつかないためです。そのため、盤面の動きを把握しながらこちらも一時的な同盟関係を結ぶ必要があります。
実戦では、理論のとおりに展開しないため難しいものですが、基本事項として抑えておけば、立ち回りの指針にはなると思います。
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