楠山永雄　著

－歴史・伝説・民話を歩く－
ＮＯ．

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60. 兼好法師のふるさと 「徒然草」の著者・兼好法師は、2度金沢を訪れたことがある。「兼好法師家集」には、「昔、住んだことのある金沢の家」とも書いている。さて、その家は一体何処にあったのだろうか。 2003･3･31
59. いれずみ大臣 「いれずみ大臣」の異名をもつ小泉又次郎は、慶応元年にトビ職の次男として大道に生れた。明治41年に代議士に初当選、のち衆議院議員に12回連続当選…。宝樹院の阿弥陀三尊像のこと、大道にあった関所のことなど…。 2003･2･28
58. 泥亀新田と泥亀の牡丹 湯島聖堂の儒官・永島祐伯（号・泥亀）は、晩年を野島に移り住んだ。やがて新田開発に乗り出し、9代・200年にわたり干拓事業に取り組む。製塩の成功で大富豪となったが…。「泥亀の牡丹」「名物・金沢のハス」など。 2003･1･31
57. 洲崎の"まわり地蔵" 厨子に入った地蔵さまを、村中戸毎に廻す。迎えた家では、花を立てご馳走を供えて参拝する。一軒の家に滞在するのは約３日間。箱の中に賽銭を入れて次の家にまわす。龍華寺で天平時代の仏像を新発見など…。 2002･12･30
56. 「あら痛や！」と文殊さま 昔、釜利谷の山中に文殊菩薩を祀る堂があった。ある年、台風で山が崩壊し文殊堂が埋没。村人は、鍬や鋤で土砂を除いて、懸命に尊像を探していた。その時、土中から「あら痛や！」という声が　… 。 2002･11･30
55. 小泉夜雨と弁財天 手子神社境内の石窟の中に、人面蛇体の弁財天が祀られている。もとは小泉住宅の近くにあったもので、金沢八景の一つ「小泉夜雨」はこの辺りの風情を詠んだもの … 。 2002･10･31
54. 金沢発の絵葉書 明治40年頃、絵葉書ブームが巻き起った。金沢は狭い地域の割には絵葉書の発行枚数が多い。要塞地帯のため、写真撮影には横須賀鎮守府などの許可が必要だった。古写真カードのことなど。 2002･09･30
53. 百軒島と呼ばれた野島 野島は将軍家に鯛を献上する役目を担っていて、将軍・家慶の就任式には5千匹を献上した。また、野島には戸数が百軒を超えると災が起こるという伝えがある。横浜市内最古の野島貝塚のことなど。 2002･08･31
52. 追浜の官修墓地 追浜駅から田浦行きのバスで深浦下車。徒歩数分で48基が並ぶ官修墓地に着く。西南戦争に出征し、凱旋途中の船内でコレラに罹り死んだ兵士たちの墓である。政府は東京への蔓延を恐れて上陸を禁じた…。 2002･07･31
51. 長浜千軒が大津波で海没 「長浜千軒」といわれた漁村が、大津波によって一夜にして海中へ呑込まれた、という伝承がある。その時、富岡村を津波から守ったのが「浪除け八幡」だった。並木の町名由来など。 2002･06･30
50. 広重と金沢八景絵 金沢八景の絵といえば、まず広重を思い浮かべるほど作品数でも他の絵師に比べ抜群に多い。昭和48年に広重の肉筆・旅絵日記が新発見、この中に金沢八景の絵が…。 2002･05･30
49. 六浦藩の大名屋敷 金沢八景駅からわずかに 3～ 4分も歩けば通称"お屋敷"と呼ばれる谷戸に着く。ここが横浜市域で唯一の大名であり、六浦藩主・米倉丹後守の陣屋跡である。 2002･04･30
48. 円通寺客殿と権現山 金沢八景駅のホームから見える茅葺屋根の家。由緒が気になる。実は日輪山円通寺という天台宗寺院の遺構で、奥の一段高いところには、かつて東照宮が鎮座していた。 2002･03･31
47. 美女石と姥石 その昔、ある姫君が乳母とともに称名寺の池のまわりを散歩中に 足を踏みはずして池に落ちた。乳母は姫を助けようと池に入るが、 ともに溺死して石になった、という伝説が…。 2002･02･25
46. 富岡に住んだ直木三十五 直木賞でおなじみの直木三十五は、風光の美しい富岡に家を建て昭和8年12月に移り住んだ。だが翌年の2月24日、持病が悪化して43歳の生涯を閉じた。旧宅の門前に「芸術は短く貧乏は長し」の文学碑が建つ。 2002･01･29
45. 金沢八景の一つ「称名の晩鐘」 称名寺の鐘は、金沢八景の一つ［称名の晩鐘］で知られる。金沢 北条初代・実時が、父実泰の七回忌に寄進したもの。 のち、正安 3 年 (1301)に二代顕時が改鋳した。国の重要文化財である。 2001･12･31
44. 野口英世と長浜検疫所 明治32年の数ヶ月間、世界的細菌学者・野口英世博士が金沢区長浜 の検疫所に勤務していた。折りから横浜港に入港した外国船内でペス ト患者を発見…。ゆかりの細菌検査室の保存運動など。 2001･11･28
43. 三度除幕した夏島憲法記念碑 夏島にある「明治憲法草案起草の跡」の記念碑は、三度も除幕式 が行われた。時代とともに夏島周辺が著しく変貌する中で、記念 碑がその歴史を語っていた…。 2001･10･28
42. 湘南電鉄(現京浜急行)の開通 京浜急行の前身である湘南電鉄は、昭和５年４月１日に黄金町～浦賀間と金沢八景～湘南逗子間が開通した。金沢区内に開設された駅は…。乙舳海岸に直営の「海の家」が…。 2001･09･30
41. ある高等女学校の学徒勤労動員 昭和初期、金沢に兵器製造工場が相次いで進出し、工員不足 を補うため、全国から多くの学徒たちが動員されてきた。ある高 等女学生の体験記録の一こまを紹介。 2001･08･30
40. 金沢の八名木 八名木は、七井や四石などともに金沢観光の名物だった。これらの名木は長い年月を経てすべて枯れてしまったが、青葉の楓だけは若木に植継がれている。 2001･07･28
39. 江戸城内で刃傷事件 富岡郷の領主・豊島明重が江戸城内で起こした刃傷事件。この事件 で、明重は壮絶な死を遂げ息子も切腹を命ぜられた。豊島家は断絶 し富岡の領地は没収された。 2001･06･28
38. 朝比奈の上総介塔 近年、朝比奈バス停の横に立派な上総介塔＜かずさのすけとう＞ が再建された。この上総介塔の主は誰なのか。人物の特定 は難しいが、諸説では…。 2001･05･30
37. 長昌寺の「芋観音」 富岡・長昌寺の「芋観音」。人々に恐れられていた「ほうそう」の守神として古くから厚く信仰されていた。現在でもご開帳日には2～3千人もの参詣者が境内を埋め尽くす人気である。 2001･04･30
36. 畠山重忠ゆかりの東光禅寺 頼朝から厚い信頼を得ていた畠山重忠は、北条氏の陰謀によって旭区・二俣川で敗死した。釜利谷の白山道には東光禅寺をはじめ重忠ゆかりの遺跡や伝承が多い。「金沢」の地名の由来など。 2001･03･30
35. 太寧寺の“へそ薬師” 昔、この村に貧しい少女が住んでいた。両親に早く死別したが命日が来ても供えるものもない。供養の費用をつくるために「へそ」を作って…。 黒沢明監督の映画「赤ひげ」のことなど。 2001･02･25
34. 塩なめ地蔵 金沢は鎌倉時代から続く主要な塩の生産地だった。だが、明治３８年に塩の専売制が公布され、金沢の塩田は整理の対象となって６００年の歴史の幕を閉じた。「塩なめ地蔵」の伝説など。 2001･01･28
33. 風化はげしい鼻欠地蔵 相模と武蔵の国界にあるので「界の地蔵」、鼻が欠けているので「鼻欠地蔵」とも呼ばれる巨大な磨崖仏。大道中学校前の県道脇の崖に刻まれているが、風化がひどいので見逃しがち…。 2000･12･31
32. 雷神社の創建伝説 昔、女性の生理は不浄なものとされ、浜辺の「月小屋」にこもって過ごす風習があった。ある夏の日、突如、豪雨が襲い天地も裂けんばかりの雷鳴が轟く。そのとき、乙女たちは…。 2000･11･26
31. 金沢の七井戸 金沢の海岸地区の水質は悪かったが、偶には清水の湧く井戸もあった。こんな井戸は、金沢名水の七井＜しちせい＞に数えられ観光のスポットとして宣伝された。 2000･10･22
30. 柳町の母子像物語　② 母子像建立の経緯が次第に明らかに…。 銃後の女性が真心を込めた「千人針」とは…。この名作には「４姉妹」が存在していた。記念艦“三笠”前の東郷元帥像も清水先生の作品。 2000･09･30
29. 柳町の母子像物語　① 金沢区柳町のロータリーに、２ｍ余もある母子像のブロンズ彫刻が建っている。制作者は日本芸術院会員の彫刻家・清水多嘉示先生。その制作意図を追ったところ、意外な展開が… 2000･08･16
28. 囲碁で賭けた仁王さん 六浦妙法は、称名寺の仁王さんを何とか手に入れたいと考えていた。偶々、称名寺の和尚が囲碁好きと聞き、仁王さんを賭けて勝負を挑んだ。さて、結果は…。 2000･07･14

27.

 「見返り美人」の観音さま
釜利谷・自性院に祀られている黒く焼けだだれた観音さま。 黄金に輝く観音さまを狙った泥棒は、尊像を鋳つぶして一儲 けを企んだ、だが…。
2000･06･04

26.

 唐船と金沢猫

六浦港の三艘＜さんぞう＞に三隻の中国船が着岸し、称名寺の経典や青磁壷などを陸揚げした。その時、金沢猫が…。
2000･05･03

25.

 黄門さまと榎地蔵 平潟町にある榎地蔵。黄門さまが、金沢遊覧の折に、村人たちが信仰する地蔵さまを海に投げ込む。だが、水戸 に帰った一行が驚いた。なんと、あの地蔵さまが…。 2000･03･10
24. 立身出世の弁財天

平潟湾に突出した「びわ島弁天社」。祭神が立ち姿なので、「立身弁才天」とも呼ばれ、立身出世の弁天として信仰を集めた。金沢四石の一つ「福石」の話や江の島弁天のことなど。 2000･02･06
23. ｢金沢八景｣の起り
中国の心越禅師が、能見堂からの勝景を瀟湘八景になぞらえて八首の漢詩に詠んだ。以来、小泉夜雨・平潟落雁・野島夕照など金沢の地名を冠した「金沢八景」が成立した。
2000･01･01
22. 旅亭”東屋”の賑わい

幕末の頃、江戸から大山に参詣し、江の島や鎌倉をまわり金沢への遊覧が流行。東屋や千代本でご馳走を食べ、芸者をはべらせての「精進落し」がお楽しみコースだった。

1999･12･31

21. 海中出現の観音

「長浜千軒」といわれた漁村が大津波で村ごと海没した。後年、柴村の漁師が津波のとき身替りになった観音さまを海中から引き上げた。貝付観音とも呼んだ。
'99･9･01
20. 名裁判官・青砥藤綱の墓

青砥藤綱は、鎌倉時代の名裁判官。鎌倉の滑川に落した十 文銭を探すのに、五十文の「たいまつ」を買って探させた有名な逸話、など。 '99･7･27
19. 光伝寺に伝わる縁起物語
六浦の暴れ者が、暗やみで怪しく「光るもの」を一太刀で刺す。翌朝、その場に刀で突き刺さされた阿弥陀さまの御首が落ちていた。男は仏罰の恐ろしさに前非を悔い、光伝寺を建てて祀った。
'99･6･27
18. 金沢文庫は武家の図書館
金沢実時は学問に熱心で、永年に亘って収集した和漢の書を多数所有していた。金沢に引退したとき、それらを収蔵する建物をつくったのが金沢文庫のはじまり。金沢学校とも呼ばれた。
'99･5･28
17. 福々しい山号の称名寺
実時が、金沢に別荘を構えたのは正嘉 2年(1258)頃。亡母の七回忌に建てた小さな持仏堂から、次第に七堂伽藍が建ち並ぶ大寺院に発展していく。
'99･5･4
16. 富岡は超一級の避暑地

富岡海岸は日本の海水浴発祥の地。明治初年、中央政界の大物たちが次々と富岡に別荘を構え、「富岡で閣議が開ける」とまで言われた。

'99･3･13

15. 史跡・朝比奈切通し

鎌倉幕府は、六浦港を鎌倉の外港として利用するための道として開削した。伝説では豪腕をもって名高い朝比奈三郎義秀が一夜で切開いたという。六浦から鎌倉への「塩の道」でもあった。

'99･2･11

14. 黒船再び小柴沖へ

ペリー艦隊が再び来航し、交渉場所のことで幕府と押し問答。金沢も応接所の候補地にあげられた。

'99･ 1･17

13. 小柴沖に黒船現わる ペリーの率いる黒船４隻は、八景島近くに錨を下ろした。ここは、その後もアメリカ艦隊の集結基地となった記念すべき海域である。

'99･ 1･17

12. 上行寺東やぐら群遺跡
マンションの建設か、史跡の保存か。昭和60年頃、著名な歴史学者や地元住民らが保存運動を展開した。
'98･12･27
11. 染王寺の筆子塚

江戸時代に「読み・書き・そろばん」を教えた寺子屋。それを偲ばせる珍しい筆子塚が野島に現存する。
'98･11･01
10. 瀬戸神社は800年の歴史
源頼朝が鎌倉の鬼門の守りとして創建した神社で、八百年の歴史がある。湯立神楽が奉納され、お祓いすればその年は無病息災で過ごせるという。
'98･10･11
９. 金沢随一の眺望・能見堂

金沢八景の名は、中国の心越禅師が能見堂から金沢八景詩を詠んだことに始まる。金沢を一覧する名所だった。「筆捨の松」の伝説など

'98･ 9･23

８. 富岡八幡の「祇園舟流し」

毎年７月に行われる富岡八幡の夏祭りでのハイライト、祇園舟を沖合まで運んで流し、一年間の罪や厄ばらいをする。

'98･ 8･31

７. 太田道潅と山吹の里
道灌が歌道に励む動機となった「山吹の花」のエピソード。山吹の里の地は諸説あるが六浦の上行寺裏山もそのひとつ。
'98･ 7･21
６. 夏島と明治憲法
明治憲法が夏島憲法と言われる由来や憲法制定までの逸話。現在、州崎町にある憲法草創の石碑の話。
'98･ 6･13
５. 悲運の源範頼
片吹町の太寧寺に墓のある源範頼にまつわる話。”追浜”の地名や金沢に多い”蒲谷”姓の由来など。
'98･ 5･ 5
４. 眺望絶佳の九覧亭
金竜院裏山の九覧亭は有名な観光スポット。その光 景は絵画や写真に数多く残されている。金沢四石の 一つ「飛石」の紹介等。
'98･ 4･27
３. 放下僧の仇討ち

瀬戸神社境内であった仇討ち。謡曲にもなった「放下僧＜ほ うかぞう＞」は江戸時代には評判の高い仇討ばなしだった。

'98･ 3･15

２. 謡曲の主人公｢青葉の楓｣

謡曲”六浦”の主人公にも取り上げられた”金沢八名木”の一つ。称名寺の楓にまつわる幻想的なお話。
'98･ 2･20
１. 小栗判官と照手姫

瀬戸橋近くの”姫小島の跡”などに伝わる照手姫伝説。浄瑠璃、歌舞伎の題材にもなったラブ・ロマンス。
'98･ 1･18

　参考文献一覧（未整理テスト中）


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