う〜ん、朝の美鈴の態度がどうしても気になる。
よし美鈴にもう一度会ってみよう。
昼食が済んで俺は美鈴の別荘へ出かけた。
別荘地への私道へ入り、その一番奥が綾部家の別荘だ。
プルルルル。
俺は裏口のインターフォンの呼び鈴を押した。昨日、逃げるときにこの裏口を見つけていたので早速使う事にした。こちらからの方がなんとなく入りやすい気がする。
「はい」
優紀さんの声だ。
「宇佐美です。美鈴います?」
「ごめんね、お嬢様は今、出かけているのよ。…そうだ、まこと君、せっかくだからちょっとあがっていかない?」
「え? …はい」
意外なお誘いに俺は少し驚きながらも、上がらせてもらう事にした。
まぁ、優紀さんなら何か知ってるかもしれないな。せっかくだから聞いてみよう。
俺は裏口のドアを開けて別荘の中へ入っていった。
「どうぞ、まこと君。ちょうどお茶にしようと思っていたトコなのよ。アイスコーヒーでいい?」
「あ、はい。ありがとうございます。…ところで優紀さん、今日、美鈴の様子が変だったのだけれど、なにか理由に心当たりない?」
「まこと君、お嬢様からディナーの誘いを受けたんでしょう? どうするの?」
なんだ。優紀さん、俺がディナークルーズに誘われた事知ってるんだ。それなら話が早い。