約束の時間。動かぬ体に鞭打って、部屋の外に出る。
とりあえず、日本円やパスポート(持って歩くのはコピー)などの必要ない貴重品はセーフティボックスに置いていく。
エレベーターの前にE夫妻の姿はない。そこで部屋に行き、I氏が軽くノックをするが返事がない。先に降りたのだろうと我々もエレベーターでロビーに降りる。
しかしロビーにも2人の姿は見えず、I氏は残って私ひとり41階まで戻る事になった。
海外旅行の本には、できるだけ一人でエレベーターに乗らない方がいいと書いてあったで、ちょっとドキドキしながら乗る。
途中でルームメイド2人が乗り込んでくる。
「ハロー」と言われたので「ハアイ」と答える。
ハワイでは見ず知らずの人でも挨拶をしてくる。
特にエレベーターに乗り合わせる時は、相手が現地の人ないしアメリカ人だったら、だいたいの人が「ハロー」と声を掛けてくる。
こういう場合、挨拶をされると安心感があるし、気持ちのいいものである。
店などでも店員に「ハロー!」とか「アロハ!」と言われるとみんな挨拶返事を返す。日本で店員に「こんにちはー」と言われてもほとんどの人が挨拶を返さないのとは大違いである。
E夫妻の部屋に行き、ノックをすると返事あり。さきほどは寝ていてノックに気がつかなかったらしい。準備の間、少し部屋にお邪魔する。E夫妻の部屋も同じ階の東南の角部屋。こちらも西側ほどではないにしても、レベル的にはかなりいい景色だった。
そのまま、ロビーでI氏と合流、昼食を食べる店を探しにカラカウア大道りに出る。ホテルの前にはなにやら銅像があり後で調べたところ「カラカウア王像」だと知る。
この「カラカウア王」とは、ハワイの日本人移民に力を尽くした王で明治時代の日本を訪れている。性格の明るい王様で、「メリー・モナーク(陽気な君主)」の愛称で親しまれた人物らしい。
まずは添乗員に教えてもらった、ハワイの日本料理老舗「京や」に行くが「予約無いと1時間待ちです」と言われたのでパス。結局、行ったのはマック(笑)
本場のマクドナルド、聞いてはいたが、量が多い。特にポテトは箱の大きさが全然違う。日本でもポテトはけっこう最後まで残ってしまうが、ここのはさらに多い。
またミドルサイズなのにコーラの量も多い。推測だが800mlほどあっただろうか?
ビックサイズなんて頼めばバケツのようなヤツに入ってくるに違いない。
またハワイ独特のサービスだろうか?パインがおまけで付いてきた。少し味の薄いパインだったがタダなので文句は言うまい。
食事後E夫妻と別れて、カラカウラ大通りをぶらつく。早速、免税店に行き、ウインドウショッピングとしゃれ込む。
それにしてもハワイは日本人観光客が多い。地元にも日系人が多いのもあるが、歩いている人だけ見ると本当に外国か?と思えたりする。味がないといえば味がないが、海外旅行若葉マークには日本人が視界にいるという安心感は、ありがたいことではある。
それに、ほとんどの店で日本語が通じる。多少英単語を知っていれば、話をするのに困らない。行く前に一通り勉強した私や、飛行機の中で一生懸命、英会話の本をにらんでいたI氏の努力は無駄に終わった。
あとアメリカでは比較的治安のいいハワイだけに警察官の姿が目立った。腰の拳銃を、わ〜ホンモノだ〜なんて思いながら見る。ハイラックスサーフのパトカーなんていうのもあって面白い。あとゴルフのカートみたいなパトカーがあったのが良かった。
煩わしいのは、声を掛けてくる呼び込み達である。日本のように無視せず、相手の顔を見て「No」なり「No thank
you」なり言わなければいけない。中途半端に紙を受け取ると料金や募金を支払わされたりする。しかし、カラカウラ通りにはこの手の呼び込みがけっこういる。あまりにもわずらわしいので、最後の方は無視して通り過ぎた。
歩行者信号はアメリカ映画とかで見るような「STOP」「WALK」といった英語表記ではなく、手の平を広げた形のマークと、日本と同じ人が歩いているマークであった。やはり観光都市だから何処の国の人にもわかりやすくという配慮なんだろうか?
それと自動車用の信号も低い位置にある。日本で言う歩行者用信号の高さだ。また、電線類も地中にあるらしく、見あたらなかった。だから高層ビルが立ち並ぶほどの場所にも関わらず街並みは、非常にすっきりしていて綺麗だった。
ひととおり見た後、ワイキキビーチへ。
ハワイと言えばワイキキ、ワイキキと言えばハワイと、とにもかくにも基本中の基本のビーチである。
通りがそのままビーチに直結していて繁華街→通り→砂浜→海とまさに街に隣接したビーチである。ここまで立地条件的に便利で、しかも綺麗な海水浴場は、世界広しといえども、ここぐらいのものだろう。
やはり、人は多いが、ごみごみというより、にぎやかで活気のある印象を受ける。景色としてもいい雰囲気だ。カメラを持ってくればよかったと後悔する。
水着を持ってきていないのでとりあえず景色を楽しむだけにする。まずはデューク・カハナモクの像の横を通る。
デューク・カハナモクとはハワイの英雄でサーフィンの神様と言われ、また1912年、1920年のオリンピックの競泳100m自由形で世界記録を樹立した金メダリストということだ。
さらに奥に行って大きな木のか影に座りビーチを眺める。
私が気になるのはサーファーやボーダーの存在だ。
ハワイは世界有数のサーフポイントと聞いている。
しかしワイキキビーチの波はあまり高くない。沖のほうは多少あるけど、岸近くはさっぱりだ。その岸近くでボーダーが波と戯れている。乗れるわけがない……。
サーファー……よく見るとロングボーダーは沖で波を待っているが、この日はあまりいい波がやってきていない様子だった。
今度行く機会があれば、サーフポイントを調べていって、実際に行って乗ってみたいものである。透き通る海に形のいい大きな波。想像するだけでドキドキする。
またワイキキにいる動物といえば鳩と雀(汗)ワイキキでは鳩に餌をやると罰金だそうだ。ちなみにビーチで酒を飲むこともタブー。罰金だ。
「海に来たらまずはビールだー!」なんて思っている日本のお父さん達には酷な法律だが、私はいい法律だと思う。
10分ほど眺めた後、私たちはワイキキビーチを後にする。
午後2時過ぎ、ホテルへ戻る。いつの間にか空港で預けていた荷物が届いていた。
さすがに疲れて何もする気がおきない。眠いし頭も痛い。これが時差ボケってヤツかと思いつつ、楽な格好に着替えると頭痛薬を飲んで横になる。
今日はホテルに帰ったら、午後8時までぐっすり寝てはダメとう案内人の話は覚えていたが、誘惑に負けて眠り込む。
ぐぅ。
気が付くと夕方の6時頃。I氏も寝ていたらしく2人して4時間ほど寝ていたらしい。
幸いな事に頭痛はおさまっていた。
夕食を食べに街へ繰り出す。
今日のメニューはラーメン(笑)。カラカウラ通りの「ラーメンなかむら」で私はみそラーメンに餃子、I氏はとんこつラーメンに餃子、焼きめしというメニューを注文。相変わらず量が多い。お冷やも1Lほど入りそうなコップで出てくる。これなら水のお代わりの煩わしさがなくていいかもしれない。I氏は焼きめしを食べきれず、私が手伝う。味はそこそこ。
店の壁には日本有名人のサイン色紙がズラーっと並んでいる。ラーメン評論家、林家木久蔵っていうのには笑った。
ちなみにワイキキにはラーメン屋がけっこうある。「天下一品」など日本でもお馴染みのチェーン店もある。客層は日本人観光客だけだと思っていたが、意外にアメリカ人の姿も見られる。
予想以上に満腹になった腹をかかえ、ホテルへの帰路につく。ABCストアで明日のための水中用の使い捨てカメラと自分用のお土産のキーフォルダーを購入。
ホテルに着くころには外はすでに真っ暗。部屋に戻ると、思わす「おお!」と声を上げた。
夜景が素晴らしいのである。
41階から見るホノルルの夜景は見事の一言に尽きる。思わずバックからカメラを取り出して夜景撮影に挑戦する。
しかもワイキキビーチの方向では花火があがっていた。カーテンを閉めるのがもったいなくてずっと開けておいたほどだ。
昼間、寝たにも関わらず、その日はぐっすり寝れた。

▲ホテルの窓から見えるホノルルの夜景に感動!