
interview 1976
rock magazine 4 (1976.10) 阿木 譲さん 通訳:永積 靖子さん
ENO:こんにちわ。あなた達をずっと待ってたんですよ。
AGI:あリがとう。これ、あなたへのプレゼントです、大正琴って日本の楽器です。次のレコーディングでもし使ってもらえたら−−−。
どうやってチューンするの?
あなたの好きなように。
すごくうれしいよ。とっても麗いで素晴らしい。
あなたに合う音だと思ったから。
そうだね。ありがとう。ペパーミント・ティーはいかがですか
ほんとに僕、思ってた人より素敵で見ただけで信じてしまう。
それは良かった。私もうれしい。あなたにプレゼントを--(と席を立つ)“オブリック・ストラティジィズ”って御存知かな?
いいえ、まだ、、。
もって来てもらうよ。今、無いから。
去年、発行したもので500しか作らなかったんだけど。(マネージャーに連絡をとる)
どういう意味の言葉ですか?
ストラティジィズというのは、色んなものが入り込んだ事で、オブリックというのは、それがすごく不思議なものの事なんだよ…だから私の頭の中に浮かんだそんな事を力ードにしたって感じで中国の易経みたいに困った時に力ードを引いてインスピレイションが湧くんだ。
ロック・マガジンはもう見ましたか?
ええ。沢山、私の写真が載っていた本でしょ。
それは逆ですよ。最初のぺ-ジは裏返した方です。(笑)
日本の人達、みんな左手で書くのは難しいだろうね。
いいえ、縦に書いてたらこちらからで、横書きだと左開きになるんですよ、、
へぇ、そうなの。
あなたの記事は、読みました?
いいえ。
ほら、ここに“イーノとその周辺”って。
すごい。これが詩の訳? 訳してそれがどんな風に聞こえるのか日本語で聞いてみたい。
最初のロクシーのアルバムで日本から歌詞の訳を送ってもらったのだけど、英語を日本語にするのは大変難しい。余韻ってのが変わっちゃうし、なるべく英語の音に近付けようとして意味がすごく違ってたね。寒いからズボンをはいて来ます。(と、また席を立つ)
日本のこと、どう思われますか?
日本には2年ほど住んでいました。4年前だけど。
今、何をなさってるの?
ブライアンの世話ばかりです。(笑)
今朝、飼ってる猫が小鳥を捕まえちゃって、まだ死んでなかったんだけど、そしたら母親の鳥が一生懸命、捜しているんだ。木に箱を置いて入れて、あげるんだ。段々、弾き方が解ってきたみたい。
ここに説明書があるけど、コードでもやれるし。今、毎日何をなさってるの?
フィル・マンザネラ、ビル・マコーミック、サイモン・フィリップス、フランシス・モンクマンという人たちとフェスティバルをするので、その準備をしています。
どういうフェスティバル?
うちからそう遠くないレディングでやるんだ。
レディングって来月の?
そう、私たちは土曜の夜の8時からで、持ち時間は45分だけど。
もう、それだけ見て帰ります、僕。(笑)
私自身のレコード・レーベルを持っているのを知っている?
オブスキュアでしょ。4枚とも持ってます。次の3枚を出るのを待ってるんですよ。
もうすぐ出ますよ、来月の初めかな。
じゃ、こっちで買って帰ります。
それはいい。日本でこのレーベルのレコードを買うのは難しいの?
ええ。輪入盤でしか入ってないし。
アメリカでもそうなんだ。ちょっとこの琴をしまわなきゃ。出ないと話が出来ないからね。(笑)
ここにオブスキュアのレコード・ジャケットが(と2号のべージを示す。)
凄い!素敵だ。今、話してる間に新しいオブスキュアのレコードをかけてあげるよ。
( MICHAEL NYMAN の DECAYMUSIC )
すごく静かな曲だから聞いて下さい。私達でリトル・マガジンをはっこうするんだ。(二号の相関図を指して)ここにいるみんなと。パティ・スミスは入ってないけれど。それと音楽以外のアーティスト達、画家とかが集まっています。その中の一入はサイバネテイックスの世界での第一人者だったり。2ケ月後には出る事になってるよ。
その名前はもう決まってるんですか?
“801ファイル”と言うんだ。書いてあげる。“801”というのは私達自身のグループの称号で、その“801”から出すファイルという意味なんだよ。
“801”というのは、どこから付けられたんですか?
さぁ、想い出せないな。(ノートを横にして8の中に点を打つ)こうすれば小さな人間の顔になるでしょ。何故ファイルかと言うと、これは書店では売らないから。
色々と経済的な事があって、本の形として売るんじゃなくて、同好会みたいなのがあって会員に郵送するんだ。まず、ファイルを買ってそのファイルに郵便で届いた物を時には1ぺージ、時には10ぺージという具合に挾んでゆくわけ。今、少し見せてあげましょう。(他の部屋へ取りに行く)このマガジンにはミュージシャンや画家、それから科学者も随分、加わってそういう人達の体験とかフィーリングを入れるので内容もそんな感じになると思う。これは私がきのう書いたプロジェクトなんだ。
これから書いていきたい文章のタイトルで、"この世界に無くてはならない本""推選したいレコード、読み物"。これら総てを書くかどうかは解からないけど。