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令和の時代 
4月というなんとも気ぜわしい時期に生まれた私は、子供の頃の誕生日が嬉しい日だったという記憶がありません。それでも60歳になる頃に教えていただいたPC操作で、メールやホームページの作成が出来るようになったことが、その後の誕生日を嬉しい日に変えてくれました。「お祝いメール」なるものを老人となった今でもいただけるからです。

「お誕生日おめでとうございます。元号が決まった早々のお誕生日、
ご記憶に残ることと存じます。」


PCの師匠からいただいたこのメールは、新しい元号「令和」を考えるきっかけになりました。

昭和時代、、無理な戦争に明け暮れた後は敗戦国の無政府状態、食糧難のすさまじさは今の人達には理解も出来ない程のひどさでした。昭和はそんな憤懣から始まって、高度成長、エコノミックアニマル時代を経てバブル崩壊にいたる様々な経験をさせてくれた時代でした。

そして「平成」、、日本で戦争は無かったとはいえ、世界のどこかで紛争は絶える間がありません。IT、AIの物凄い進歩とともにテロが日常化し、自国を逃れ出る難民は増え続け、世界中の人々が不安な日々から逃れることが出来ないという毎日になりました。

そして新しい元号「令和」が発令されました。いち早くビスケットや饅頭、、いろいろな物が即座に売り出され、お祭り騒ぎです。「A首相は、はしゃぎ過ぎだ」と、宇宙人というあだ名を持つ元首相がおっしゃったとか、それを揶揄して「あなたが首相だったら、もっとはしゃいでいたでしょう」などと、、日本は平和ですね。

中国の古典でも日本の万葉集でもどっちでも良いではありませんか、ことを難しそうにこねくり回すのがお好きなコメンテーターと称する方々の発言の軽さに笑ってしまいます。「令和」の「令」はなんとなくお上(かみ)から降りてくる感じがします。ひねくれ者は「空襲警報発令!!」などをすぐに思い出してしまうからです(笑)。

律令、禁令、発令、命令、訓令、号令、指令、司令、、まだまだ有りそうですが、どれも上から降りてくる「令状」ですよね。平和もまた与えていただくのでしょうか、、

「令夫人」「令嬢」「ご令室」など、なんだかこそばゆくなるような「令」もありましたが、まずは縁がない言葉です。令、れい、レイ、霊、零、、

はてしなく嫌みを言いそうなところがアカンところやと思い至りました。令和時代早々に歳をとったおババの埒もない繰り言です。(2019.4.03.)


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