2013年の夏は猛暑続きだったために、各地の紅葉はあまり期待できない感じでした。本当に綺麗な澄んだ色の紅葉は、もはやよほどの山奥へでも行かない限り見ることが出来なくなってきたのでしょう。関西、特に京都の南禅寺や東福寺の紅葉は圧倒的な人気ですが、昨今は観光客であふれかえり、入場制限されながら並んでの見物はまるで風情がありません。若い頃に訪れた時の印象が崩れる感じがして、見に行く気が失せていました。
移り住んだ静岡県は自然がいっぱい、夕方の地元のTVでは盛んに紅葉情報を流しています。耳慣れない土地名が耳に入りました、浜松北部の「白倉峡」です。天竜区にあり、ひなびた田舎の楚々とした紅葉が紹介されていました。
152号線を北へ、天竜川に沿って走りますと、一方通行だと思うほど狭い山道に入ります、そこから数キロ、時折降りてくる対向車とのすれ違いに肝を冷やしながら登っていきますと、それはそれは可憐な紅葉の道が見えてきました。山奥の時雨と冷たい空気にさらされて、洗い上げられたような清々しい透き通った木々の錦でした。(2013.11.20.) |