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パソコン始末記(その3)

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(3)画像の魅力

新聞や雑誌等の形有る物は分かりますが、形も漠然として漂い流れているかのような電脳と言うものに対する認識がゼロの人間にはプリンターの存在は嬉しい事でした。時あたかも年賀状の制作にはいる11月、画像の取り込みは楽しく、Worksを使って色々に画像を出しては嬉しがって爺婆は時間を忘れて没頭していましたが、ふとこの画像をメールにカットのように載せて送られないものかと思ったのが苦労の始まりでした。

「メールの隅にカットのように絵が入れられたらいいのにね」

「うーん、そうやな、花とか入れたらきれいやろね」

「クリップアートにいっぱい絵が有るから引っ張って来れるかもね」

クリップアートの絵は漫画で、色をつける事が出来そうです。やってみよう!コピーして貼り付け、ペイントで色を付けてO K 、これを保存しますかって聞いてくるから(ハイ)と答えて閉じて、さあ貼り付けようとするとさっきの絵は影も形も有りません。

「絵が行方不明やわ」

「なんでやねん、さっきここにあったやないか」

「でも、ないねん」

「あったもんが無い筈ないやろが、、、」

「それが無いのっ!」

保存するフォルダをきちんと指定するか、デスクトップに保存すれば行方不明にはならないものを、やみくもに保存するものですからとんでもない所にbmpが保存されていて見つけられないという訳です。

何回も同じ事を繰り返し、爺はとうとう「ね」をあげてしまいギブアップ、粘りに粘って婆はもう意地になってパソコンにしがみついて夜が明けました。目はしょぼしょぼ、肩はパンパンにこって、とうとう風邪をひいてダウンです。


「いい加減にしないと病気になるっ!!」

「でも、もうちょっとで分かりそうやから」

「電磁波は身体に悪いらしいぞ!」

「N先生はもう10年もパソコンの前にいてはるけど、すごくお元気やないのっ!」

「・・・・・」

メールにカットを入れたいという願望はアイコンをドラッグするだけでOKです

とのお教えにもかかわらず一向に成功せず、bmpの画像をようやく持ってこれた時、N 先生に出す前に先にMi 先生にメールを送り、画像が本当に出るか試して頂こうと爺が言い、(それまで何度もN 先生にはメールで同じ事ばかり聞いていましたので、もう聞けない、という気持ちでした)早速送ってみましたがお返事は「何も入って居りません・・」もうあかん。やめた!やめた!

しかも今から思えば自分の所へメールを送って容易に確かめる事が出来るのに、わざわざMi 先生を引っ張り出して確かめて貰ったりして馬鹿みたいでしたが、これに又、正直にお返事して下さったMi 先生も相当なもので、みんなちょぼちょぼだったのかもしれません(ゴメンナサイMi 先生)

やっとのことでデスクトップにアイコンを持ってきて、それをそのままドラッグすると、ようやく張りついてくれましたが、小さなカットどころか大きなペイントの画面がそのままババッと現れ、情緒の無いことはなはだしい、これはアカン。手紙に入れるようにはいかない物だとがっかりして力が抜けてしまいました。

やーめた、クリスマスカードの方が面白そうやし、そっちに移ろう。メールにカットの如く絵を貼り付けるのは出来ない相談らしい、もういい加減にやめよう。このゴタゴタで質問メール攻勢に振り回されたN先生は、呆れられるどころか何でも良い方に考えて下さって、

凄い、凄い、賢明です、実利的です、そして粘る事は上達の秘訣です。その内に小生は追い越されてしまうでしょう。

と、またまた持ち上げて、横を向きかけた爺婆の顔をグイッと元に戻してしまわれたのです。

良い師匠というものは(孫悟空を繰った観音サマのように)弟子を手の平に乗せ、意のままに動かすものですが、うまく誉められ、煽てられると、弟子はよたってなどいられません。ほっぽらかして遊びに行こうにも、後ろから糸を引っ張られているようで、ついつい勉強しなければならない心境になるから不思議です。今の学校の先生は、このあたりの呼吸がアカンのかもしれません。
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