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若いお友達



新しい土地に住まいして2年余りが経つとお友達と言える人がすこしづつできてくる。その中でも若いお友達との親しい付き合いが特に面白い。しかも3人、、時間が合えばたまにはランチの時間をもったりする。

みんな料理好きだからハナシがまとまるのも早い。自分より若い人と一緒にいれば「元気をもらえる」なんていう今はやりの言葉を口にする老人を「ケッ!」という(失礼)思いでみてきたから、そんな情けない「すりより」のつもりはさらさらない。だいたい「もらえる」とか「いやされる」とかいう言葉がことのほか嫌いなのだから仕方がない。

偶然4人でチームになり、教室で料理を作っていた頃から、なんとなくウマが合った。30代、40代、50代、大おまけして60代(笑)は、教室が終了してしまってからも、小さな縁でつながっていた。

なにせ彼女達から見れば母親か、もしかしたら祖母の世代であるから、いろんな面で買いかぶられている、、と感じないわけではない。しかし一番有り難いのは、彼女達が同年輩の友人に対するように淡々と接してくれるということだった。妙な遠慮をしたり、ことさら手厚くしたりすることがなくて、自然体だったから仲良くなれた。そしてお互いの技量もしっかりと認め合ってきた。

舞阪に長年暮らしているTさんは小気味のいい姉御肌でこの土地に詳しい、そして仕事が手早い。Iさんはパン作りの名人で、気配りと笑顔が素晴らしい、そして作業が丁寧。金融関連のお仕事だった一番若いTkさんは、優しい人柄、みんなで出かけたときの割り勘の計算をたちどころにやってくれる、そして細かい作業が上手い。

教室ではいつもこの夫々の特徴ががうまい具合にかみ合って、料理が一番早く出来上がった。おババはひたすら「仕切り屋」にならないように気をつけながら手順にめくばりしてきただけだった。そして今や、集まり後の写真印刷や記録係りを勝手に受け持ち、発送した後にアメアラレと降って来る「お世辞メール」に、嬉しがって木登り豚になっている(笑)。

お家を新築中のTkさんのリクエストもあって、大阪にいた頃に買い物に行ったことのある名古屋の「ノリタケの森」陶器アウトレットまで梅雨の晴れ間に皆で出かけてきた。器を購入するにあたって、相談をもちかけられるたびに、いい気になってアドバイスらしきことをしながら、ちゃっかりと自分の買い物もしこたましてしまったおババ、新しい器に何を盛ろうと考えるだけでもワクワクするのだから因果な性分である。

一昨年までの長い現役時代には、何をするにもいつも運転手とお世話係を一手にひきうけていたおババは、今回のように、道順にそってお迎えがあり、運転する人も決まっていて、何もすることとてないというのが、気楽過ぎて落ち着かないのだった(笑)。せめて現地へのアクセスなりとプリントして、ナビの手助けにするとか、レストランの予約でもと、でしゃばるくらいしかないのがおかしかったが、これはなんと楽チンなのだろうかと妙に感激してしまった。(文句屋の連れ合いと同行ではこうはいかない、、笑)。

行動の決断と足の速さだけがとりえだから、彼女達の足手まといにはなっていないと、うぬぼれているのがまた我なら呆れるが、いつまでこれを維持できるかが、大きな課題であるのも分っている。そして、ついていけなくなったら潔く隊列を離れることにしようと決めた。年寄りのkuso頑張り(失礼)は、哀れっぽくてみっともないと思うから(笑)。

新しくしたグラスや器を整理しながら、何か美味しい新作をこの斬新な入れ物に盛り付けて、軽いランチでも、、と、楽しみはドンドンふくらんでなんとなく心が浮き立ち、鬱陶しい梅雨のキッチンで気持ちだけが明るく華やいでいる。  (2008.6.18.)

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