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モニュメントヴァレイ
懐かしの西部劇の舞台へ


メリカにはただひたすら走るだけの道が沢山ある。中でもかって数多くの西部劇の舞台となって映画に登場したこのモニュメントヴァレイへの道は日本での道路のイメージを大きく超えている。

ラスベガスから約10時間、地平線に向かって走りを楽しむ気持ちがなければ、ただただしんどいだけの道である。被虐的であるけれど、ここには言いようのない魅力がある。

どうしてなのか分からないけど、ここが好きで仕方がない。何にも無い不毛の大地に突出しているこれらの岩は、地球が始まった頃からの名残りを現していて懐かしささえ感じる。


かって、西部劇の中ではインディアンは常に「悪役」にされ、最後には白人の銃口に屈した。そして、近年アカデミー賞に輝いた「ダンス・ウイズ・ウルヴス」でのインディアンの描き方には、アメリカ人のインディアンに対する「後ろめたい思い」を強烈に感じさせられた。しかしこの景観はそんな理屈や歴史を越えて、ただただ壮大だ。




70年代、アメリカインディアン運動のメンバーは差別への抗議行動を激しく展開した事もあったが、今は白人と協調し(協調と言うより保護を受けていると言った方が適当かも知れない)すっかりパワーダウンして来ている。

黒人と同じ、否、それ以上の差別を受けながらも、表面は自分達のテリトリーを守って、おとなしく暮らしているように見えるが、アメリカとインディアンとの関わり合いはアメリカ建国の時代を思い起こさせ、今なお、根深く、複雑だ。

こんな不毛の土地で一体どのようにして暮らしを立てているのだろうか。土産物を売るインディアンは無表情で笑わず、何も語らない。

「土地には神が宿る」と信じている彼等は土地に手を加えようともしない。侵食され、ひとりでに崩れ去って行くのはこの景観だけなのだろうか、、



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