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携帯電話購入騒動


2000.1.26.新聞は中国での携帯電話の普及数が日本を超えた、と報道した。人口から考えれば、日本の普及率の方が高いのだろうが、それにしても、すさまじいまでの伸びである。
同じ日、ドコモが香港へ携帯電話のノウハウを提供、との記事も出た。携帯は今や必需品のトップの座へ上り詰めたようだ。

これを掲載した頃は、まだ携帯電話は話すだけのものが主流、メールをする人は少なかった。あれからたった3年たらずで、携帯電話は多様化がすすみ、PCの端末になり、デジカメの代用にも使える画素をもつようになった。驚きの進化である。
(驚くことに、2010年には小型PCの役目を携帯が軽々とこなすようになった)


携帯メールの薦め!携帯メールを採用されるに違いないと確信します。あたらし物好きで、行動的、おしゃべり好き、そして何よりも大切に思ったのが「おっちょこちょい」であることです。

と、いうメールをパソコンの師匠である N 先生から貰って、生来の野次馬根性と、極め付きのオッチョコチョイであるお婆は、早速、i-mode 携帯電話機を購入する事にした。

電話をかける以外にいろんな事が出来る i-modeというものが出て来ているらしいけど、どんなんやろか、一度試してみよ!と、またまた、やりたがり、見たがり根性が頭をもたげてしまった。本当は、電車の中や、町なかで、大声で携帯電話を使う輩を、アホかいなと思っていたのだけれど・・・

ついていってくれた婿さんと、電話屋さんのアンチャンに、免許証を見せろ!通帳を提示せよ!ここにパスワードを書け!契約のタイプは?などと矢継ぎ早に言われて、大汗をかきながら契約を済ませ、何がなんだかわからない内に、手の中には i-mode 携帯電話がしっかりと納まってしまっていた。

これが i-mode携帯か・・・でもチッコイ字で、いちいち老眼鏡をかけないと見えないし、チト大変かな・・とにかく24時間待たないと、メール登録は出来ないらしいから、それまで携帯メールに申し込むアドレスを考えよう。

携帯電話を、まるでお箸のように、いとも簡単に、頻繁に使っている娘夫婦が、横からなんだかんだとウルサイ・・

「i-modeを使うと、携帯でインターネットが見られるんでしょ?」(これが肝腎)

「インターネットなんて、見えません!見えません!i-mode 対応のHPでなければ駄目ですよ!」

「ウッソー!?見えるって聞いたけど・・・」

「見えたとしても、携帯で見たら、高うついてあかんですよ」

「エーッ?安いって聞いたけど・・」

「そうですか?まあインターネットは期待しない方がいいでしょうね」

二人とも、毎日、嫌というほど携帯を使っているくせに、、なんやのん・・


「アドレスは三つまで考えておかないと、ふられる場合がありますからね!」

「お母さん”イタメシ”なんてしたら、駄目ですよ!絶対取られてます」

「僕はいろいろ申し込んだけど、みんなふられて、結局”ジェラート”に落ち着いたんですわ」

「そんな、イタメシ用語ばっかし選ぶからでしょ!ホンマニ食いしん・・・」

「そんなら、お母さんはなにを考えてますの?」

「あのー・・”オーパスワン”か”リゾット”か、”ラタトウイユ”・・」

「自分だって食物やワインの名前ばっかしやないですか・・」

うるさい外野!?が帰っていった後、取り扱い説明書を開いて、予行練習をしてみる。細かい文字をセコセコと押して、文字を出してみるが、あの小さなボタンに様々な機能が割り振ってあって、こっちを覚えれば、あっちがあかん、と言う具合で、一向にサマにならない、時間ばっかし過ぎていく・・これは、てごわそうやなぁ・・


翌朝、選んでおいたアドレスを小一時間もかかって登録、結局三番目にしたアドレスが登録されて、まずこれで一段落、さてっと、、、メールアドレスを N先生にお知らせしなければ、、、こちらから送らないかぎりメールは入ってこないですよね。えーっとドコモ・・ドコモ! doko・・・読みながら打ち込んで、ようやく出来た!さあ送信出来たぞ!!電話をじーっと睨んで待つ事数分・・チリチリブルッ!と呼び出し音がなった!来た!!

i-modeアドレス獲得、転送メール成功、まことにおめでとうございます。転送メールに成功すれば、何処にいても携帯からメール着信が瞬時に分ります。250文字までは、携帯でも読めます。


ウヒョーッ!これは面白い!

今二つのメールアドレスに送ったら、ドコモの方は配達を拒絶されましたそこで、よくよく見てみましたら、ドコモがdocomo でなく、dokomoになっていました!(笑)


アリャー?又、ドジッた!!ハハハハハハ・・・アホみたい・・docomo を dokomo やなんて・・・「オッチョコチョイ」 を三段跳びで飛び越えて、バカのでんぐりがえしや。

何はともあれi-mail 開通オメデトウさんにござんす。新年の朗報うれしゅうございます。


ヒヤーッ!大ボスの A先生からやー!

翌日からアドレス入れに没頭したが、いかんせん目の力がたりません、真っ赤な兎の目になってきて、もうあかん・・・今日はこれまで。こんなチッコイボタンを、気がふれたようにカチカチカチと押し続けて、ようやっと一件完了やなんて、これは大変だ。全部入れるには一体何日かかるのやら・・・おまけに、番号以外にマルチ機能にメールアドレスを入れようとすると、又ややっこしい・・


うんざりしてきた!

i-modeならパソコンと操作の流れが同じらしい、、、番号入れは後回しにして、取り扱い説明書でメールとインターネット接続の所を読んでみる。さっぱりチンプンカンプンだ。 N先生のHPに載っている「携帯で E メール」というページを取り込んでおいたので、それを印刷して説明書とダブルで見ながら、操作をやっていくことにした。

最初はなんだか面倒くさそうだったが、何回も読んで、携帯を睨んでいる内に、何となくわかりはじめた。なにせ説明書と解説書と二つもあるのだ、これでわからなければホンマのアホや、と自分に言い聞かせる。

ははあ、このボタンが PCの Enterキイと同じ役目だな、、、クリアーはこれか、、、次はこれも OKして、、、と、やって、 URLをいれていくと簡単にインターネットに接続される。しかし、すぐに「ページの最大サイズをこえましたので、中断します」と、コメントが出る、しかしこれをOKして、かまわずスクロールしていくと、1ページは読めることがわかってきた。ホームページに関しては、多少強引にした方が良いようだ。懲りずに何回も解説書を読んで、諦めない事が肝腎やな、と納得する。


次の日、夕食をご馳走するからと、娘を呼んで、番号記入を肩代わりしてもらうことにした。こんな単純作業は若い人に頼むにかぎると、思いついたからだ。スイスイと打ち込んで、、、と言いたいところだったが、しばらくして、こんなことやってられへんよ!・・・と、自分の家からノートPCと端末をもって来て、携帯のオシリにバチッと繋いで、いとも簡単に番号を打ち込んでくれた。

なるほど・・・ノートパソコンと 繋ぐことで、ウサギ目にならずにすむらしい。キイで打ち込むのと、あの携帯のチッコいボタンで文字を操作するのとでは、えらい違いや!問題にならない。


「このケーブルみたいのがくっついているの、なに?」

「U S B ・・」

「これが U S B か、、」

U S B ・・昨日読んだ本に出てたな、えーっとえーっと、、、なかなか思い出せない、これだから歳はとりたくないのだ。

「あのね!ユニバーサル・シリアル・バス!」

シリアル、、、だなんて、オートミールかコーンフレークのことかと思ったら、、、これだからパソコン英語は、さっぱり覚えられないのだ。

でも、おかげでアドレス帳はバッチリ完成した。さあこれで OK!どこからでも電話がかけられる!


説明書によると、電話そのものの機能もさることながら、いわゆる i-mode とよばれる機能の方も充実していて面白そう、ホットな情報が沢山入っている。まるでプチパソコンとでも呼びたい程だ。電源を切っている夜の間に来たメールも、翌朝、電源をいれて、メール問い合わせをすると、即座にブルブルピロピロと知らせてくれる。いろいろなホームページも、簡単に覗き見出来るし、ブックマークに登録すれば、次からはワンプッシュ?!でページが出てくる。これは凄い!

出先から長いメールをこの小さい画面で作るのは大変だけれど、パソコンから自分のアドレスに文章を送信しておいて、それを受信メールの転送機能を使って、よそへ送れば、かなりの事が出来そうやなぁ・・(この機能を使って N 先生は、去年、旅行先の北海道からメールを送信しはったんだ)

「なにも、そこまでせんでも、 FAXや電話があるやないか!」(いいの!これは遊びなんだから!!)


ほとんど家にいる仕事のため、外へ出る事が少ないせいか、携帯電話という物に、あんまり興味のないらしい連れ合いを引っ張り込もうと、グルメのページを引き出してみた。食べる事にかけては、他の追随を許さない御仁のこと、すぐにのってきて、覗きこんでいる。

関西エリア OK・料理ジャンル、洋食 OK・心斎橋界隈 OK・・・

「ほら!出た!」

よく知っているレストランの名前を見つけて、驚き、感じ入った様子で、ボタンを次々と押して、画面を見つめている。・・・すると突然呼び出し音が鳴った!!携帯を放り出しそうになって、大慌て!(そんなに、びっくりせんでも・・)

「早く赤いマークを押して!電話を切って!切って!」

「あーびっくりした!押したら、即、電話が繋がるようになってるんやなー」(当たり前やん)

「新聞も読めるし、食べ物屋も探せるし、旅行情報も株式情報も、何でもすぐに出てくるやなんて!これはスグレモンやな!」(敵陣攻略?!大成功!)

しばらくして、パソコン会の世話人ことN先生からメールが入った。

i-mode専用の医療機関情報のページを医師会のHPに試験的に作ってみました。携帯で医師会HPに接続すると、すぐに「i-mode専用」の文字が反転して見えます。これをクリックしていただくと、交野市医師会医療機関情報のページが現れます。

ここからは該当文字をクリックしていただくか、1から0までの数字ボタンを押していただくと、次のページにジャンプします。

最後の個別医療機関のところでは、電話番号の数字を押すだけで、そこに直接携帯から電話がつながります。ご自分の医院のところでお試し下さい。

やりたがりの見たがりの野次馬は、すぐさま携帯で医師会のHPを覗いてみると、 i-mode 専用と書かれて、リンクのラインがある、ここを押して、次々と入っていって、自分の医院にたどり着く、すると、電話番号が反転しているので押してみた、と同時に、傍の電話がチリチリ・・・ウワー!ヘーッ!なるほど・・・・いたく感心してしまう。

この i-mode専用画面は、いったいどうやって作るのだろう?・・と、またまた気になる。そこで 師匠の N先生に問い合わせてみた。すると・・

今でも相変わらず、Mifesで書いていますので、こんな単純なHTMLファイルは簡単に作れます。

index.html → i_index.html → aiueo.html→ a.html→ c_ikeda.html  の順に階層を作っています。


・・・・・よけい頭がこんがらがってきた。これからは、分を過ぎた事は聞かないでおこう・・・


師匠 N 先生の HP「ひとりごと」 に面白いお話がUPされた。


15日には新年会や総会があるというのに、不精で2ヶ月ばかり散髪をしていなかったので先ほど思い切って、床屋に行きました。ブルゾンを脱ぐと、シャツの左ポケットに入れた携帯とそれを結ぶバンドが、マスターの目にも留まった筈です。ちょっと得意です。

散髪が半分ばかり進んだところで、私の胸元から「ブラジル」が鳴りました。その途端「電話ですよ!」とマスター。「メールだから良いです」と私。こらえようとしても、口元がゆるんできます! それを我慢するのがしんどいこと、しんどいこと!声に出さず、u hu hu でした。

散髪が終わって上機嫌の私に「今年もどうかよろしく」と声をかけてくれました。鷹揚にうなずいたのはご想像通りです。A HA HA! 店を出るなりメールチェック(笑)!

「ブラジル」は私の携帯に着信を知らせる曲です。メールなら、その出だし部分だけが、電話であれば、取るまで全曲が流れます。もちろん、バイブレータも同時に伝えてくれますが、やっぱり音の方が楽しい!

散髪を終えて家に着くなり、「ブラジル」が鳴り、すぐにその場で返信しておきました。

以上携帯メールの、どうでもよいけど、ちょっとした、効用のご披露です。

( N 先生!携帯のバンド?!・・あれはストラップと申すのだそうですが・・)


「電話は暴力だ」と言って、電話嫌いだった連れ合いが、これを読んで、感心したふうに言った。

「ふーん・・・携帯って、持っていたら、いい気分がするもんかな?」

「時代に遅れていないことの、証明になるからでしょ・・・」

「・・・わしも、こんど床屋へ行く時、携帯、モッテイコ!!」

「!!」

「持って行ったって、呼び出しが鳴らなかったら、アカンやないの!時間、見計らって、私が呼び出してあげるわ!」

「アーハッハッハッハ ハ ・・・」・・・アホですね・・


周りを考えず、携帯電話でしゃべりまくっている若い人達を、常識のない、わきまえの無い奴と思っていたけれど、こんな面白い機能がついてくるようになったら、若い人に独占させておく法はない、ドンドン使おうじゃないの!電話でしゃべる以外の機能の方が、うんと面白そうだ。

大声で、プライバシーをガードしないで話をするより、メール受信で、ちらりと携帯を見る方が、ずーっとおしゃれだ。(メールならば、受信音が鳴っても、慌てふためいて電話に出なくてもいい、鷹揚に構えていられる)こんな使い道があるなんて、その上、ひまな時はメールやインターネットの覗き見も出来て、退屈しない。(説明書は、いくら読んでも飽きないし・・)
娘夫婦からお誘いメール!

「次のお休み、何か食べにいきませんか?なにがいいです?」

「イタメシ!」・・と返信。この五文字を携帯で送るのに、○×分もかかった事は、ナイショです!


今や二人に一個の割合で、携帯は普及している、この数字も年寄りと赤ちゃんを除けば、全ての人が持っている事になるのだろう。仕事で、よそへ出向いている作業員や運転手さんにとっては、強ーい味方になっているだろうし、それ以外の人の為にも、遊びを楽しむ要素が、ふんだんに盛り込んである。

何歳から老人と言えばいいのかと、歳を感じさせない老人が増えてきている現在、この i-mode携帯を操作して遊べるか、否かで、心身ともに老人か、そうでないかの境界線が引けるのではないかと、ひそかに思ったりしている。(2000.2)

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