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The Value of Knowledge

Once upon a time there was a giant engine that stopped working. The ship7s owners asked many experts to fix it, but none of them could figure out how to do it. Finally, after spending hundreds of thousands of dollars, they found an old man who had been building ships since he was very young. The old man agreed to help them. He carried a large bag of tools with him, and when he arrived. he immediately went to work.
これは、蒸気船が外輪の水かき車で動いていた頃のお話です。ミシシッピ河を上流に向かって走っていた大きな客船のエンジンが突然止まってしまい、乗員たちはあらゆる手を尽くしたのですが、どうにもなりません。

怒り出す乗客をなだめ、やっと下流の港に船をつけることが出来ました。当時のアメリカではよくあることですが、兄弟で会社を経営するということが普通に行われていました。この船のオーナーも兄弟二人でした。連絡をうけた兄弟はすぐにかけつけて来ました。港の職人に診て貰ったのですが、手に負えません。船が動かなくては仕事になりません、二人のオーナーは知る限りの有名な職人と言われる人達に来て貰い、エンジンを見てもらいました。しかし誰がやっても直りません。思いあまっていると「あの爺さんに頼んだらどうだろう」と言う人がありました。

あの爺さんというのは若い頃から船大工として働いて来た人で、船の生き字引のような人なのです。今は引退して悠々自適の生活をおくっている人なのですが、頼んでみると快く引き受けてくれました。

爺さんは鼻眼鏡をかけ,大きな道具箱を抱えるようにしてやってきました。小男でみつからに頼りなさそうな感じでした。(2017010.27.)


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He examined the engine very carefully, from top to bottom. Two of the ship's owners were there. They watched this man and hoped he would know what to do . After looking things over, the old man reached into his bag and pulled out a small hammer . He gently tapped something. The engine started right away. He carefully put his hammer away. The engine was fixed!.
年老いた船大工さんでしたが、道具箱を持って立ち上がると目は生き生きと輝き腰をしゃんと伸ばして、この人なら何とかしてくれるのではないかと期待が持てる感じでした。この船のオーナーはこれまで既に何10万ドルも修理のために支払った後なので、祈るような気持ちで老人の様子を見守っていました。まずはじめに老人はエンジン周りを隅から隅まで念入りにみてまわりました。あそらく老人はこのエンジンを部品から組み立てられる時までの工程を頭に描いていたのでしょう、時々一人でウンウンとうなずきながら覗き込んだりもしていました。それからおもむろに道具箱の中から柄の長い小型のハンマーを取り出しました。

トントントントン、、優しく、優しくリズムよくエンジンの彼方此方を叩いていました。「よしよし、、」とエンジンに話しかけて居るように見えました。するとどうでしょう、エンジンがぶるぶるっと身震いしたかと思うと、ダダダダ、、と元気よく動き始めました。もう大丈夫です。エンジンは完全に元のように元気になりました。

二人にオーナーはあっけにとられて見ていましたが、大喜びで老人に何度も何度もお礼を言いました。

「請求書は会社宛に送って下さい」と言いますと、「じゃ、またあとで、、」と、老人は道具箱を抱えて何事も無かったかのように帰っていきました。(2017.11.11.)


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A week later, the owners received a bill from the old man for $10,000.
"What !" the owners screamed. He hardly did anything!" So they wrote the old man a note saying , "Pleas send us a detailed bill.
The man sent a bill that read,

Tapping with a hummer ...........$ 2

knowing where to tap ..............$9,998
一週間後、船のオーナーの許に請求書が届きました。老船大工の請求書は10,000$(120万円)でした。

「ほとんど何もしていないじゃないか!あまりにも高すぎる!」

そこで二人は老人に明細書を送るようにと手紙を出しました。
「どうぞ詳細に記された請求書をもう一度送って下さい」
するとその返事がこれでした。

* ハンマー代  2$
* どこを叩くべきかを見つけ出す知識代  9998$

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There is an overused phrase, " Time is money" Yes it's wasting time can cost us money, but is money that important?" After all , not even the richest person can buy even a single second and save it for use. this story makes us think about valuing things other than money. What is the true value of a person's knowledge or experience?.

時は金なりという言葉は古くからよく言われてきました。確かにその通りです。時間を無駄遣いするということは手に入るお金をみすみす失うということですから、そういうことになります。

しかし、考えて下さい、お金はそんなに大事な物でしょうか、どんな大金持ちの人でも、自分の将来のためにたった1秒でも手に入れることはできないのです。そう考えますと、時間=お金ということにはならないでしょう。

この物語は、私たちにお金よりも大切なものは何かということを考えさせてくれます。人の経験とか知識とかいうものが、どんなに価値のある物かをお金を通して教えてくれているのです。是を読んで下さった皆様、豊かな人生をおくって下さい。
(2017.11.17.) 終

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