Home英語昔話Precious Little Time


Letter to the younger brother who does not talk
(私の愛する弟、物言わぬあなたへの手紙)
I was an only child who had everything I wanted, but sometimes I was lonely. So, when Mom told me that I was going to have a brother, I was very happy.
「お姉ちゃまはね、あなたが生まれてくるまでは我が儘な一人っ子だったの、お父ちゃまもお母ちゃまも私をとてもかわいがってくれて、私の言うことは何でもきいてくれたのよ、でもね、ちょっと寂しかったの、だからね、あなたが生まれてきて私に弟が出来るってお母ちゃまに聞いたときはとても嬉しかったわ、

When you were born, and I looked at your tiny hands and feet, I was how beautiful you were. We took you home and I happily showed you to my friend.
あなたの小さな手や足を初めて見たときの感動はいまでもはっきりと覚えて居るわ、ふっくらと柔らかくて少しピンク色に輝いていたの、その小さな手足をいっしょうけんめいに動かすのよ、可愛かったわ、私はあなたのことが自慢で、友達をみんなおうちに呼んだの、

『可愛いでしょ!可愛いでしょ!』ってみんなに自慢したのよ。


When you were 5 months old, you didn't seem to move much, and your cry sounded unusual. So we took you to many doctors.
あなたが生まれて半年が過ぎた頃、お父ちゃまもお母ちゃまもあなたのことが少しおかしいと気付いたの、あなたは身体をあまり活発に動かさなかったし、鳴き声も弱々しかったの、お父ちゃまもお母ちゃまもとても心配してね、彼方此方のお医者さんに診て貰ったのよ、でもはっきりとしたことは分からなかったの、

The 13the doctor who looked at you quietly said you had a sickness that would make me with pity and softy said,

"Your brother will never walk not talk".

、私、いまでも覚えて居るんだけど、13番目のお医者さんに診て貰った時のことよ、お医者さんはあなたの全身を注意深く診察した後でこうおっしゃったの、
『進行性の難病です』
私はその意味がよく分からなくて『どういう病気ですか?』って尋ねたの、
『そうですね、、お気の毒ですが、あなたの弟さんはこれからも歩くことも話すことも出来ないでしょう、、』と静かな口調でおっしゃったの、、
(2017.2.17.)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
The doctor told us that only one in 50,000 babies had that condition.
お医者さんは私たちにこう告げました。
「お気の毒ですが、お子さんの病気は5万人にたった一人の割合で発症する難病です。今の医学では完治させることは出来ません。できる限りの手は尽くしますが、ご家族のご協力をお願いします」


Mom was shocked and I was very upset.
お母ちゃまはショックのあまり真っ青な顔をして言葉もありませんでした。私はただウロウロするばかりでした。

When we went home, Mom held you in her arms and cried .
家に帰ると、お母ちゃまはあなたを抱きしめ、あなたに気付かれないように声をころして泣いていました。

I didn't want my friends to know about you, so I decided to ignore you. T tried not to love you as you grew.
生まれたばかりの時にはあんなに自慢して友達に見せていたあなたでしたが、あなたが難病と知ってからは、あなたは居なかったことにしようと心に決めました。あなたは少しづつ生長して可愛くなるのですが、私は自分の心を偽り、あなたを知らない子だと思うようにしてあなたのことを愛していないふりをしていました。

Mom and Dad showered you with love and attention and that made me bitter. And as the years passed, that feeling tunes to anger, and then hate.

お父ちゃまもお母ちゃまもありったけの愛情をあなたにそそぎました。そしてかたときもあなたから眼を離さないように注意深くあなたを見守っていました。

私はひとりぼっちで寂しく思って居ました。ベッドのな中で泣いたこともありました、辛かったです。そのうち私の心も変わっていきました。寂しさやつらさが怒りとなり、ついにはあなたのことを憎く思うようになってしまったのです。(2017.3.03.)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Mom never gave up on you You could still not walk when you were 4, but Mom believed that one day you would walk. So she'd put you on the grass with only your pants on . Mom hoped that you would walk to avoid the grass touching against your skin. I would sometimes watch from my bedroom window and laugh at you.
お母さんは決してあなたのことを諦めませんでした。あなたは4歳になってもまだ一人で立つことも出来なかったのですよ、でもね、お母さんはいつか必ずあなたが一人で立って歩けるようになると信じていたのです。

お母さんはいろいろなことを試してみました。ある暖かな春の日のことです、お母さんはあなたをパンツいちまいの姿にして芝生の庭に連れ出しました。そしてまるで宝物でも置くようにしてあなたを芝生の上にハイハイさせました。


You failed many time, but Mom never gave up . One day, Mom and Dad saw you pull yourself up and walk off grass slowly.
あなたはすぐにゴロンと横になってしまいました。驚いたでしょうね、痛かった?あなたはすぐもとのように腹ばいになりました。そしてお母さんの助けを求めてお母さんの所へハイハイしていきました。お母さんはあなたをだっこしては暮れませんでした。あなたはスラックスをギュッとつかんで立ち上がりました。お母さんが、半歩後ずさりしました。 「アッ!」あなたが左足を一歩前に出しました、お母さんがまた半歩下がりました、こんどはあなたは右足を出しました。

お母さんの目から大粒の涙がこぼれ落ち、後から後から止めどなくナミダが落ちてきました。あなたはお母さんのナミダを受け止めて一、二、一、二と5、6歩、歩きました。

At that moment, they were crying and holding each other tightly. I watched from the window. From then on, I would sometimes see you walk outside, smell the flowers, look art the birds, or just smile . I realized no matter how much I tried to hate you . I couldn't. I had grown to love you .


お母さんはさっとあなたを抱き上げました。お父さんが駆け寄ってきました。お父さん、お母さんはあなたを抱きしめて声を上げて泣きました。この日を境にあなたは自分で立ち上がり、歩けるようになったのです。お母さんはよくあなたを庭に連れ出して遊ばせました。あなたは自分で行きたいところへ行けるようになったのです。

綺麗な花を見つけては花の方へ歩いて行き、その香りも楽しんでいるようでした。鳥が来ると小鳥の方へと歩いて行きましたずいぶん楽しそうに庭で遊んでいましたよ。私はそんなあなたを見ているのが好きでした。

自分部屋の窓からずっと眺めていたのです。私はあなたを嫌いになろうとしましたが、出来ませんでした。心の底ではあなたが好きで好きでたまらなかったのです。これから自分の心に素直になろうと決めました。

これまでのことは、ごめんなさいね、、、(2017.3.11.)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


Soon after that , we became friend with each other again. I gave you all the love that a sister could give to her brother.
それから後は私は自分の心に素直になることが出来ました。そして姉さんが弟に出来るありったけの愛をあげるようにしてきたのです。

On your 10th birthday, you had bad headaches. Soon you got really sick and to stay in the hospital. The doctor said you had leukemia.

あなたが10歳になったお誕生日の日に、あなたは突然「頭が痛い」と言い出しました。とても我慢が出来ない様子でした。私たちはびっくりしてあなたを病院へ連れて行きました。あなたはすぐに入院ということになりました。連日の検査が続きました。そんなある日主任の先生のところに呼ばれました。先生は静かな口調でこうおっしゃいました。

「お気の毒ですがお子さんは白血病です。痛がらないように出来るだけの手は尽くしますが、根本的な治療は出来ません、ご家族の方もそのことをよく理解して、お子さんに出来るだけのことをしてあげて下さい」。

お母さんはあなたが気がつかないようにお父さんの陰に隠れて、ギュッと唇をかみしめてナミダをこらえていたのですよ。(2017.3.18.)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Just a month before you died , you made me drew up a list of things you wanted to do when you got out of the hospital. Two days sifter the list was completed, you asked the doctors to send you home. There , we ate ice cream and cake, ran across the grass, went fishing, took pictures of each other and flew balloons.
あなたは、退院するとき、私に自分のこれからしたいことのリストを作らせましたね、それはあなたが亡くなる丁度一月前のことですけど、、私はあなたに協力して2日もかかってやっとリストを作り上げたよね、するとあなたはそれを持って先生の所へ行き、先生に退院をおねがいしたんだよね。
「アイスクリームを食べること、ケーキを食べること、芝生の上を走り回ること、魚釣りに行くこと、家族でお互いに写真を撮り合うこと、、、」
あのね、私が一番良く覚えているのは、あなたが私に言ってくれた最後の言葉なの、あなたはこう言いましたね、

I remember the last conversation that we had. You said that if you died, and if I needed help, I could send a note to you in heaven by tying it on the string of a balloon and letting it fly .
「もし僕が死んでしまってから、お姉ちゃんが僕に助けて欲しいと思った時は、紙切れにそのことを書いて風船の糸に括り付けて天国にいる僕の所へ届けてね、きっと僕はお姉ちゃんを助けてあげるからね、約束だよ!」
私、絶対に忘れないわ、お願いね。 (2017.3.24.)


Later that night, at the hospital, you tried to talk but the words wouldn't come .
"I know what you wanted to say. And for the last time, I said,
"I'll always love you and I will never forget you . Don't be afraid".
Then, I watched the bravest boy I had ever known finally stop breathing. You were finally gone, leaving us behind.
病院での最期の日、あなたは何かを私たちに伝えようとしましたが、声にはなりませんでした。でも絵あたしには分かっていました。あなたは何が言いたかったのか、、あなたにも私が言ったことがきこえたでしょう。
「私はあなたを心から愛しているし、あなたのことを決して忘れないわ、いつも一緒よ、だから怖がらないで」
私はそう言ったの、私にはあなたがちょっと微笑んだように見えたの。それからしばらくして、私たち家族が見守っている中で、静かに息を引き取って神様の所へと旅だってしまったの、あなたはとても勇敢な少年だったわ。何の怖れもないような安らかな顔をしていたわね。


You showed me world full of love and caring. You showed me how to love life. And you made me realize that the most important thing in life is to continue loving without asking way or how .
Thank you for everything, my little brother.

あなたは私にたくさんのことを教えてくれたのよ、この世が愛と優しさに満ちていること、人をあいすること、何故とかどのようにとか考えずに、自分の愛を人に伝えること、それが生きていく上で一番大切だということもあなたの生き方から学んだの、

私の弟でいてくれて有り難う!風船の約束、覚えておくわ!また手紙書くね、さようなら。 (2017.3.31.)
  

目次に戻る
Home>旅目次  浜松雑記帳  花目次  料理ワイン目次  エッセイ目次