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           The Mouse's Wedding

Once upon a time,

昔々、全てのものがみんな平等で仲良く暮らしていた時のお話をすることにしましょう。その場所は、自然の豊かなところで、太陽の光が燦々と降りそそぎ、春になるとたくさんの花が一斉に咲き始め、木々の間を小鳥たちが楽しげに歌いながら飛び交っているという楽園のようなところです。

there lived two mice and their beautiful daughter.

そんな野原の片隅に、とてもかわいい小さな家が建っていて、ねずみの夫婦が住んでいました。

Father Mouse and Mother Mouse were so proud of their daughter that they were determined to marry her to the most powerful person in the land.

夫婦には美しい娘が一人ありました。二人はその娘が自慢で、世界一の花婿に嫁がせたいといつも願っていました。

But little did they know that there had already fallen in love.
Every night, she would sneak out to meet her mouse lover behind the grain shed. She knew, though, that her parents would never let them get married, after all, he was only a mouse.


しかし、娘には既に恋人がいて、夜になるのを待ちかねてこっそり家を抜け出し、穀物小屋(物置)の陰で美青年(ねずみの若者)と逢瀬を重ねていました。
しかし娘は、両親がただのねずみである彼との結婚を許してくれるはずはないということも分かっていました。 (2014.11.14.)

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One day, her father said to her, "Your mother and i have been discussing your future, and we think it's a good time you were married. Don't worry , We've already found someone for you . We want you to meet him tomorrow".

ある日のこと、お父さんネズミは改まった調子で娘のネズミにこう言いました。
「ねえお前、お父さんとお母さんはね、前々からお前に良いお婿さんをって話し合ってきたんだよ、お前を手放すのは寂しいことだが、いつまでもそうは言っていられない、そろそろお嫁に行くことを考えておくれ、お父さんとお母さんはよく相談してお前にふさわしいお婿さんを見つけておいたから、その人と会っておくれ、急ですまないが明日のことなんだよ」


that night, the beautiful young mouse threw herself into the arms of her lover, sobbing, "It was all in vain, we can never be together. My parents will marry me to someone else tomorrow". He held her tight, manfully holding back his own tears.


その夜のことです。娘のネズミは暗くなるのを待ちかねて家を抜け出し、小屋の影で恋人のネズミが来るのを今か今かと待ちました。

娘を見つけた若者は満面の笑みで駆け寄ってきました。娘のネズミは両腕を広げた恋人の胸の中へ飛び込みました。涙がどっとあふれてきました。若者は困惑してしまいました。

「どうしたの?どうしたの、、泣かないで、、泣かないで、、」若者は何度もそう言ってなだめました。やっと涙のおさまった娘のネズミは途切れとぎれに事の次第を話しました。

じっと聞いていた恋人のネズミの目」にも涙が湧いてきました。若者は娘を不安にさせました、男らしくギュッと娘を抱きしめて涙をこらえていました。(2014.11.21.)

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The next morning, Father Mouse pointed outside and said to his daughter,
" Look upon your future husband, my dear. Let me introduce the sun " .
He turned to the sun and said

翌朝、お父さんネズミは窓の外を指差して娘にこう言いました。
「さあ、お前、見てごらん、あれがお前の未来の旦那様だよ」娘のネズミが恥ずかしそうに顔を上げた先には、朝のおひさまがニコニコ顔でたっていました。


" Sir, I have come to offer you my daughter's pow in marriage, for you are the most power full person in the land. "
「お前をお日様に紹介しよう、」そう言ってお父さんネズミはくるりとお日様の方に向きなおりこう言いました。
「おひさま、あなたはこの世の中で最も偉大な方だと思います、どうぞうちの娘を嫁にもらってください」


he sun laughed.
"Me ? I'm flattered, but I'm afraid you're wrong. A cloud is more powerful than me. It can cover and make me disappear" .

「ハッ、ハッ、ハッ、、それは嬉しいことだけれど、私は世界一ではないですよ、雲さんにはかないません、私がどんなに照らしてみても、雲さんが来ると隠れてしまいます」

So Father Mouse and mother Mouse then took their daughter to meet a cloud.
"Ahem" coughed Father Mouse when they had met a cloud .

父さんネズミは「なるほど」と思いました。そこで今度は雲さんに会いにいくことにしました。向こうから大きな雲がやってきました。お日様はその陰に隠れて見えません。
「エヘン」お父さんネズミは咳払いをしました。雲さんはちょっと立ち止まりました。


" Sir, I have come to offer you my daughter's pow in marriage , for you are the most powerful person in the land. "
「雲さん、あなたは世界一偉大な方だと聞いてやって参りました。どうか私の娘を嫁にもらってください」

"Eh ? " said the cloud.
" Not me , the wind is more powerful than me . It can blow me away in a second " .

「えっ?私が世界一ですって、とんでもない、風さんにはかないませんよ、風さんに会ったら私などひとたまりもなく吹き飛ばされてしまいます」 2014.12.5.
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So the three mice went to look for the wind . When they found the wind, Father Mouse made his offer again.
そこで三匹のネズミは風さんを探しに行きました。しばらく行くとビュ~ッと音がして向こうから大きな風さんがやってきました。父さんネズミは風さんの前に立つと威厳を正して言いました。
「私はあなたが世界一強いと聞いて参りました。どうか私の娘を嫁にもらってください」


"Don't be so stupid" . said the wind arrogantly .
"A wall is more powerful than me . It can easily block my way ".
「世界一だと?馬鹿なことをお言いでない、壁さんに会ったら私などたちどころに行く手を遮られてしまうんだ、壁さんが世界一だよ」 そう言うとビュ~っとどこかへ行ってしまいました。

"You're making us look like idiots" , hissing Mother Mouse angrily to Father mouse . Father Mouse looked at his tail in embarrassment.

「バカみたい、、」お母さんネズミは呆れ果てた顔でお父さんネズミを横目で眺めました。お父さんネズミは面目なさげに尻尾を丸めていました。(2014.12.12.)
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" Haw did I end up marrying such a mouse " snorted Mother Mouse in disgust.
「いつまでこんな人と連れ添っていなければいけないんだろう、、」お母さんねずみはお父さんねずみには聞こえないような小さな声で呆れ果てた様子で言いました。

But the three of them still went to meet a wall .
「そうか、仕方がない、壁さんに会うとしよう、、」
でも、三匹のネズミは大きな壁さんを探しにトボトボと歩き始めました。暫く行くと、行く手に大きな壁さんが立っていました。お父さんねずみは今度こそ娘のお婿さんになってもらおうと、勇気を出して嫁にもらって欲しいと申し出ました。

" Ha , Ha, Ha, " laughed the wall when Father Mouse had made his offer .
" I'm not the most powerful person in the land " .

「ハ、ハ、ハ、、私ですか!私はこの国で一番の力持ちではありませんよ」

" Who is then ? " asked Mother Mouse impatiently, pushing in front of Father Mouse before he had chance to speak .
「それでは誰なんです?」お母さんねずみはお父さんねずみを押しのけてイライラした口調でたずねました。

" The Mouse is .
"What ? ! " exclaimed the three mice together .
" Mice can holes in walls . Mice are more powerful than I am "

「ネズミさんですよ、ねずみさんはいともかんたんに私たちの身体に穴を開けてしまいます。ネズミさんにはかないません、ネズミさんの方が私より力持ちですよ」

" how true ! " thought the three mice .
「なるほど、、」
3匹のねずみはその通りだなと納得して家に戻りました。( 2014.12.19.)
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that night, the beautiful young mouse met her lover behind the grain shed. "We may still be married. My parents will now let me marry a mouse ."

その晩、かわいい娘のねずみは裏の小屋のかげで大好きな彼と逢っていました。
「あのね、私たち、まだ結婚できる望みがあるわよ」
「私の両親がね、私をネズミと結婚させようとしているの、」

「そうなの!よかった!やっと希望が沸いてきたよ」
二人は手を取り合って喜びました。

And the next day , without losing any time, she presented him to her parents.

その翌日、娘のネズミはさっそく彼を両親に紹介しました。

At first, Father Mouse was uncertain , but he could see from the fine shape of the mouse's tail that he came from a good family , so he agreed .

最初、お父さんネズミはグズグズ言っていましたが、若者の立派な尻尾を見て、彼が高貴な血を受け継ぐネズミだとわかり、結婚することを許しました。

A few days later , the two were married and they lived happily ever after .


早く結婚させようと慌ただしく準備がすすめられ、数日後には盛大な結婚式行われました。
若いカップルはみんなの祝福を受け、末永く幸せに暮らしました。(2015.4.3.)

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