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大阪から夫婦で浜松に移ってきて初めての夏がやってきた。
大輪の花火が家のベランダから見える。スゴイ!何年も花火などとは縁のない生活だったから、夕闇が迫ってくるころ、ドドーンと音がすると大急ぎで二階に駆け上がり、しばし火の妙技を堪能する。一瞬で消えていく花火のはかなさが心地いい。
夕暮れも素敵だ。夏の陽は未練がましく長い影を残して居座っているが、それも少しの辛抱。西のあかね雲が姿を崩したと思うまもなく、淡いピンクの雲がブルーに溶け込んでいく。あい色に染まった空はやがて黒いバックスクリーンとなって家々の明かりを浮かび上がらせていく。マリーナの静寂は深くなって、夜が更けていく。
これまでは、浜松が好きな理由を「食材が豊富でおいしいし、晴天率も日本一だし、、」と答えてきた。
これからは「花火がたくさん上がるし、夕暮れが素晴らしいから」と付け加えよう。
「遠州の空っ風」は夏場には吹かないと聞いた。冬の寒風はつらいのかもしれないが、今を楽しく満足して暮らせれば、それが一番だ。
(中日新聞航空写真より転載)
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