【2003年6月】

6月30日(月)  東京ラブシネマ
しかし、寒い展開であった。
江口もいい。
直人もいい。
財前もよかった。
なのに話がつまらない。
どろどろになるよりは、軽く仕上げたということだろうね。
すべてが軽すぎて、今時珍しい「トレンディードラマ」の香りをかいだ気がする。

6月28日(土)  ののちゃん
朝日新聞の4コマ漫画はいしいひさいちであることは言うまでもない。大朝日が連載を許しているのが不思議なくらい、意味不明で、どこがおもしろいのかわからないこともしばしばある。
「がんばれタブチ君」「わいはアサシオや」などのころから贔屓にしてきた私からすれば、それこそがいしいひさいち的な世界で真骨頂なのだが、こんなことで連載がとぎれやしないかと心配したりもする
。哲学的ともいえるシュールなセンス、ブラックなヒューマニティ、そして洒脱と皮肉。謎な実生活。
絵を通じての彼との交流をさかのぼるとシンクロする部分が多い。「ああ、やっぱり」というリンクが彼の題材にはある。

しかし今回のはちょっとすごい。
「さんざんむりしてばかになった、ばかになったのに」
例のプラスティックツリーがでてきたのだ。

やはり、彼も、そういうふうにばかになったのか、などと思ってしまった。あの歌は同じ体験をもつもののにはひときわ特別な響きをもつのであろうか。

6月19日(木)  小池敗北
まあ、わかりやすい話だったわ。
木っ端恥ずかしいくらい。
紀香マッキーはテレビCMに活路を見出そうとするが、CMの出稿料の2000万がネックとなった。いまや傾いたアームに銀行が金を貸すことはない。金策に困っていると、いつものメンバーがそれぞれの実家を抵当に入れたり自分の貯金を下ろしたりして金を工面してきた。
「このお金は受け取れないわ」
「俺たちの気持ちだ、なにを水臭いこと」
「だって返せないかも」
「なにを弱気なこといっているんだ」
など月並みな押し問答があり、最後には「それじゃがんばって仕事するしかないわ」というおち。
社員全員が出演者となって撮影したCMは映画館のCMみたいに写真のつなぎ合わせだったが引越業界初のTVCMの効果は絶大、「荷作りご無用0123」のフレーズは子供の口にも良く馴染み、アームは再び快進撃をはじめた。
それにひきかえ、小池引越会社はあまりに効率性を追及したあまり、品質の低下を招き顧客の離反を招いた。広げすぎた支店を閉めて合理化を図るも好転せず、有能であった引き抜き社員からも見捨てられた。
とうとう明日、不渡りがでることになった小池の会社に、くずに兄貴と紀香マッキ-が現れる。勝利宣言かと思いきや、「合併しよう」小池会社を救済しようとするのである。「なにをいまさら」なんて反発するも、昔の仲間全員集合、手と手をとりあって「がんばろう」。ありえないと思いますが、なんだかそれでよかったと疲れた視聴者は思ったりする。
その後もアームは順調に成長し、日本一の引越会社となる。創業時のメンバーはみんな重役になって、立派な部屋で会議なんかやっている。まあ、これが似合わない。
単車で会社を抜け出す、兄貴と紀香。相変わらず仲がいい。
大阪では杏子と功が仲がいい。
なんとさわやかな終わりなんだ、いいのかこれで、オチがないよ、オチが、都合がよすぎて。

しかし、これ実話だと勘違いしている人間が少なくとも500万人はいると思うので、アート会長が種無しだということについてもかなりの誤解があると思う。これについてはどうなんだろう。しかしアート引越センターのHPにはこのドラマについてのコメントは最小のものでとどまっている。大丈夫なんだろうか?社長はいいだろうね、紀香だったらから、だからいいのか、そういうこと?

6月16日(月)  石橋蓮司的ナチュラルソバージュ
「太陽にほえろ ジーパン篇」が一挙放送ちゅうことで、1日に3本の放送があるのだが、全部見るとさすがにつかれる。3時間くらい続けてテレビを見るくらいのことはなんのことはなくしょっちゅうやっているが、面白くて集中してみてしまう。全体的に重くて暗いテーマでも、七曲署のデカさんたちのキャラが素晴らしいのでいつも救われてしまう。この当時、ボス石原裕次郎は何歳だったのか(石原裕次郎 1934年12月 29日生まれなので40歳前後であった)
なんとなくなぞめいたボス、私生活はなぞであった。山さんが深夜、事件のことで就寝したばかりのボスのもとに電話をかけると、なんとベッドの枕もとにしゃれた電話があり、眠い目をこすりながら見たと時計はなんとなく高そうだった。茶の間の黒電話をにぎっている山さんとはエライ違いだと思った。

ところで、本日はまたまた暗く、犯人役は石橋蓮司。彼の頭はレッズの小野と同じように、何にもしていないのにチリチリだ。焼け出されてきたようだ。それが長めで目にかかっているのだが、その下の目は小さい。「役者とは、芝居とは」と酒を飲みながらやっていたんだろうね、とにかく恥ずかしいくらいの熱い芝居なんだな、しかも暗い。暗いと熱いはなんだか近いのかもしれない。

もう一本は、ゴリさんが手錠をかけた犯人に腹をさされてしまってたいへんな目にあう話。
「天丼」がキーワードなんだけど、ボスとゴリさんの丁丁発止の世界はなつかしい匂いがする。

6月15日(日)  松崎しげる的人生
松崎しげる的人生の続き

「噂の刑事 トミーとマツ」という一応刑事ドラマがあった。正統派の二枚目若手俳優の国広富之と「愛のメモリー」でブレイクした松崎しげるの迷刑事コンビがドタバタする刑事コメディーである。そのほかに、石井めぐみや井川比佐志、名古屋章とかもいたような気がする。TBSの水曜の8時だったか、まあ小学生がみても分かりやすくて面白いテレビ番組だった。
真面目なトミーとC調なマツが仲良く喧嘩しながら、犯人を追い込んでいくのだが、最後にはちょっとしたピンチに必ずなる。その時にトミーはビビッちゃって話にならないくらい縮こまってしまう。その時マツはトミーに向かって「しっかりしろトミー、なんだそのザマは、おまえなんか女の腐ったのだ、トミコで充分だ、このトミコ」
トミーはおそらく幼児体験に発すると思われるものだが、自分の男としての価値に病的にこだわるらしく、このような罵声を浴びせられるとまるで仮面ライダーが変身するかのように宙返りなんかをしながら敵(犯人)に向かっていって、相手が武器をもっていていようが、何人いようがお構いなし、全部やつけて犯人を逮捕してしまう。すると一瞬気を失い意識がもどると「先輩、今、なにがあったんですか?」などととぼけたことを言う。どうも強い時のトミーの記憶は普段のトミーには残らないらしい。マツはそんなことはどうでもいいのだが。爆発すれば顔に墨を塗り髪が焦げたカツラをかぶる、といったようなドリフみたいな演出だった。結構な視聴率は稼いだので、4クールくらいは続いたらしいが、私はさすがに途中で飽きてしまった。その後、松崎はドラマに出るわけでもなく歌が売れるわけでもなかったが、芸能界から消えることはなく、今では松崎しげる的人生を謳歌している。
対照的なのはトミーである。
取る年に相応な重みが加わらず、いつまでたっても青二才、おまけに水沢アキとの婚約解消という情けない事件も加わり、恥ずかしいくらいのフレッシュボーイはくすんでしまった。「ふぞろいの林檎たち」で演じた、世間からドロップアウトした煮え切らないエリートがはまり役といったところだ。「不良少女とよばれて」にもなんかでていたが、不良にやられてしまう善良な青年って感じだった。結局、それはずっと変わらずテレビ版「失楽園」では川島なおみの情けない夫役で、いい年をして母親だか姉だかの加賀まりこにはかいたくてもはむかえないという医者だった。この前は「はぐれ刑事」にでて、安さんに捕まる犯人役だった。トミー的人生に逆転はないのだろうか。

微妙な位置といえば酒井法子的人生もあるが、これはまた機会を別にして検討しよう。あややとノリピーは同じカテゴリーとはやがてんしていいのだろうか。

6月14日(土)  武蔵の不人気にほっとする
大河ドラマ「武蔵」の視聴率が低迷しているらしい。新聞の記事でみた。大衆は時々正しい選択をする。あんなドラマは面白いはずがない。
その記事によると、理由は「イラクで戦争があったので、殺伐とした感じが嫌がられた」こと、「強くなりたい」という武蔵では「バガボンド」の読者には支持されない。(理由が「バガ」はフリーター感覚だからだとしていたが、これは不明)さらにお通が武蔵のことを呼び捨てにするのはオールドファンにはなじめないこと、などがあがっていた。松岡、仲間などの受けは悪くないようだが、これから本格化する柳生と武蔵の対決の構図のなかで武蔵とお通をなんとかお茶の間に受け入れられるようにがんばろう、みたいなことがその記事の落ちだった。
というか、武蔵があんなに丸いほっぺはしていないと思うのだ、私的には。もっとしまった顔なんだけど。「餓えの恐怖のほうがいい。満たされたほうが怖い」とは「ディア・ハンター」のマイケルの言葉だが、これだろ、武蔵は。で、目をひん剥いてはいけないですよ、野獣の目から人間の目に変わってゆくのが武蔵なんだけどなぁ。
それからお通さんはやはり「武蔵さま」だな。せめて「たけしゃん」お通が武蔵のどこに惚れたかさ、考えれば「むさし!!」にはならんはずなのだが、どうじゃろ。

6月13日(金)  サザンといえば、「YaYa」ですね、私的には
サザンオールスターズ、25周年。ストーンズが20周年を迎えた時、うちの兄貴にそれを自分のことのように自慢されたことがあった。私は小学校をを卒業したばかりだったが、20年って時の長さも、ロックバンドってものもよくわからんかった。その後ずっとたってから、いみじくもキース・リチャーズが「バンドちゅうものはだ、はじめるよりも続ける方が難しいんじゃ、坊主」と言っていたのはもっともだと思う。兄貴とて、私とて、はじめたバンドは数知れず、壊れたバンドはそれと同じだけあった。
なのにサザンが25周年。ジョギングパンツでベストテンに登場してきた色物バンドがまさかここまでくるとは思わなかった。「勝手にシンドバッド」なんて歌はピンクレディーの「渚のシンドバッド」の大滝的解釈だったのだが、そのピンクレディーも今年復活しているのもめぐり合わせか。
しかしあの曲を完全に歌えるには小学生が中学生になるまでの時間がかかったが、歌えるようになると大人になった気分がした。その勢いで、洋楽に走り、いつしかサザンはなんとなく聞く程度の音楽にしかなかくなったのだが。

6月12日(木)  小池2
最近、小池の胸の話題の時、「あれはかなり垂れている」という話を聞いた。というかそれが世間の定説ということを聞いたということを聞いた。地球には重力があるので、仕方がないが、私もその説には賛同する。
その小池が作った引越屋は順調で、紀香のアーム(アート)は凋落していった。紀香はそれでも前向きにがんばるのだが。紀香は芝居はうまくないが、それなりに人情に厚い女将さんタイプに見えるので、こう役は彼女にあっていると思う。
ピンチがチャンスになって大団円となるのであろうな、来週の最終回。橋爪功や江波杏子、加賀まり子が脇をがっちり固めて楽しいドラマだったのでちょっと終わるのが惜しいかな。脚本が安直すぎたけど、10話くらいの話だからしゃあない。

6月5日(木)  小池栄子  (^_^) 普通
暑い、もう夏だ。
私のオフィスは最近引越しをしたのだが、それにともない太陽が近くなった。周りに遮るものもない。しかも西向き。そのせいか暑い。電力危機なんて言ってられない、クーラーなしでは仕事もできない、思いやられる。

「あなたの人生お運びします」もいよいよ佳境。
小池栄子が独立して、アーム引越しセンターから従業員もクライアントももっていってしまった。
とはいってもさっぱり緊迫感がわかない。
ノリカと栄子では所詮勝負はついている。しかいあのコの胸はなにがついとるんじゃ、田舎の道でたまにああいう「どうなっちゃったの」とうのにすれ違うことを思い出しますわ。なんか物体がどんとあるな、という。

6月4日(水)  わくさん
いかりや長介がガンで入院したらしい。
71歳にもなればそういうこともあるだろう。
事件の度に、「これが俺の最後のヤマだ」といいながら延々と指導員を続ける和久さん。
だからきっと大丈夫だよね。

6月2日(月)  「携帯って話せればええやん」  (^o^) まあまあ
「携帯って話せればええやん」と松ちゃんが言っている。
(しかし彼はいつまで松ちゃんなのだろうか。まあ、コンビ名になっている「ウッチャンナンチャン」よりはいいだろうが)
それを言ったら「車って走ればええやん」「テレビって映ればええやん」「冷蔵庫って冷えればええやん」「芸人っておもしろければええやん」「服なんて着れればええやん」
なんでもデフレの時代なので、こういう機能デフレがあってもおかしくないということか。松ちゃんってそういうところの嗅覚すごいからな。特に過剰の裏の無意味については。
まあ、そうやって無駄を省いてシンプルにしていくと、それはそれで別の「ブランド」という過剰がついてくるんだけど。ちょっと前の「無印」、最近では「ユニクロ」とか。

私的なアンサーとしては「携帯っていろいろあればええやん」電話機能だけからお好みに応じて機能追加ができようにならんものか。iPodに電話つけてくれるとか。カメラってマストではないと思うけど。