THE HISTORY OF THE CLASH

幻のLONDON SS

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「みんなでボートベロ・ロードの、中古の皮ジャン屋に行ったんだ。昔は、かなり高くて、10ボンドとか20ボンドもしてたのに、そのときは山積みになった1着50ペンスの中古さ。おれたちはまだグループを作る前だったけど、いっしょに飲んだりしていたんで、全員がその場にいた。おれたちは、50ペンスのコ‐トをを買うと、そいつを着て、通りを流した。楽器もろくに弾けなかったけど、そのとき、おれたちは初めてグループだと感じたよ。全員が同じ皮ジャンを着ているだけで、しやんとして気分は最高だった。おれたちが本当のグループになったのは、あの日からさ。」

ミック・ジョーンズ

「リバーサル場所に着いたとたんに、ミックから『おまえ、歌えるんだろ』っていわれて、歌わされた。だけど、あんまりピンとこなかつだ。やつらははニューヨーク・ドールズとかに凝ってて、みんなロング・ヘアだかたからね。たった2日でおしまいさ」

ポール・シムノン

1975年3月、ミックはトニー・ジェイムズと組んで、最初のグループ、ザ・ロンドン・SSを結成。初期のストーンズ、モット・サーフープル、ニューヨーク・ドールズの曲が彼らのレパートリーだった。やがてギターのブライアン・ジェイムズをメンバーに加え、本格的にドラマーを探しはじめた。オーディションを受けた者のなかには、のちにクラッシュでドラムを叩くようになるテリー・チャイムズ(バンド側が断わった)と、ニッキー・「トッパー」・ヒードン(彼のほうから断わってきた)もいた。ブライアン・ジェイムズはグループを辞め、これまたロンドン・SSが断わったドラマー、ラット・スケイビーズとともに、ザ・ダムドを結成。ブライアンが去ったので、ミックとトニーは解散を決めた。

その後トニーはチェルシーを結成、のちに、ビリー・アイドルとともにジェネレイション・Xを結成している。ロンドン・SSは、ライヴでプレイしたことは一度もなかったが、マルコム・マクラーレンのアシスタントだったパー二−・ローズの世話で、教か月間リハーサルを重ねた。ミック・ジョーンズがクラッシュのベース・プレイヤーとなるポール・シモノンに会ったのはバンドが解散する1か月前だった。

バンドの解散はポールがリハーサルに行ってから10日後だった。ミックは髪を切り、ポールはベースギターを探してくる。1976年1月のことだ。

ミックとポールはメンバー・チェンジを繰り返しながら、ザ・ウィーク・ハートドロップス、ザ・フォンーズ、ザ・ミラーズ、ジ・アウトサイダース、ザ・サイコティック・ネガティヴスと名前を変えていった。