病気
                  

尿路結石

☆結石の種類

上部尿路結石 腎結石 ・尿中のカルシウムやアミノ酸成分等が時間をかけて固まり、結石となるもの。
・腎臓の中にある腎杯・腎盂の中で尿中の結晶成分を核として発生し成長する。
・腎臓の中の腎杯・腎盂という場所に結石があるため、痛みなどの症状が出ない。
・尿路結石などで腎臓から体外に排出されず,腎盂の中で大きくなる大型の腎結石もあり,血尿・腎部痛,水腎症,腎機能障害の原因となる場合がある。
・内視鏡を用いて腎臓内にある結石を取り出す経皮的腎石砕石術がある。
尿管結石 ・腎結石がいったん尿の流れにのって尿管に降りて来ると、尿管は狭い(直径4mm)ので上手く通り抜けられず、尿管が痙攀を起こし、尿管結石独特の疝痛発作(センツウホッサ:刺すような強い痛みで急速に出現し、治療などに反応するとすぐに消失するのが特徴)を起こす。また血尿も伴う。
・尿管は膀胱に至るまでに3ヶ所狭い部分が存在する。尿管の最上部(腎盂尿管移行部)・中下部(腸骨動脈との交叉部)・最後(膀胱の手前=尿管口直前)である。これらに引っかかった結石が尿の流れを堰止めると、上部尿管・腎盂が尿で拡張する。この尿を押し出そうと平滑筋で構成されている尿管壁がはげしく収縮(痙攀)すると激痛となる。子宮も壁が平滑筋で構成されているので、この尿管の収縮の痛みは陣痛に酷似しているとの事。
・致死に繋がる事はほとんど無いが、死ぬほど痛いのが尿管結石に伴う疼痛発作。成人男性でも悲鳴をあげるとか。
・人間の3大痛は、「尿管結石、心筋梗塞、くも膜下出血」とも「尿管結石、陣痛、歯痛」とも言われる。
・尿管の内側の直径は4mmだが、10mm×5mm以上の比較的大きな結石は、まず自然に排石されることは無いと言われる。ちなみにDandyは半年掛けて10mm×6mmを生み、金庫に保管していた(現在、行方不明)。
・尿管壁を傷つけるので尿管癌などの原因にもなる。
・また放置すると,腎臓機能が低下したり失われることもある。
下部尿路結石 膀胱結石 ・尿管結石が膀胱に落ちたもの。
・痛みなどの症状が出ない。
尿道結石 ・膀胱結石が尿道に移動したもの。
・痛みなどの症状が出ない。

☆結石の成分

蓚酸カルシウム ・蓚酸(シュウサン)結晶とカルシウム結晶が結合し、成長して結石となったもの。
・蓚酸とは、カルボン酸のひとつであり、無色柱上の結晶。水およびアルコールに溶ける。漂白などに使用される。
・レントゲンでよく写る。
・最も頻度が高い。約50%の確率。
・蓚酸は、ほうれん草、竹の子、チョコレート、紅茶、コーヒー、ココア、コーラ、ナッツ、トマト、セロリ、牛乳、海草類、豆類に多く含まれる。
燐酸カルシウム ・燐酸(リンサン)結晶とカルシウム結晶が結合し、成長して結石となったもの。
・レントゲンでよく写る。
・”蓚酸カルシウム+燐酸カルシウム”の組み合わせが約40%の確立。
・燐酸とは、五酸化燐が水と結合して生ずる一連の酸の総称を言う。いずれも無色の固体。水によく溶ける。
・牛乳、海草類、豆類 に多く含まれる。
尿酸 ・尿酸とは有機酸のひとつであり、生体の窒素代謝の産物として尿中に存する。特に鳥類や爬虫類の排泄物に多量に含まれる。無色・無味・無臭の結晶性粉末。水や酸やアルコールにも溶けない。
・40歳以上の男性に多い。尿酸の血液中の濃度(血清尿酸値)が女性では男性より低い。これは女性ホルモンに腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるためで、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると尿酸値は少し上昇する。つまり50歳を越えると男女の尿酸値の差は小さくなる。
・レントゲンで写りにくい。
・肉、魚介類(イカ、カニ、エビ)、ビールに多く含まれる。
シスチン ・蛋白質を構成するアミノ酸のひとつである。毛、羊毛、角の蛋白質に多く含まれる。
・アミノ酸の尿中への排泄異常でできる。
感染性結石 ・慢性の尿路感染症に伴ってできる。

☆カルシウム系結石が出来る原因

様々な原因により、尿中のカルシウムと蓚酸の濃度が非常に高くなり、尿中で溶解できなくなり結晶が結合し、成長して結石となる。尿中の尿酸の濃度が高いと、結石の形成を促進させる。
尚、尿中のクエン酸濃度が高まると、カルシウムと結合し可溶性のあるクエン酸カルシウムを生成する。このため尿中のカルシウム濃度が下がり、酸カルシウムの生成を抑制出来る。

☆診断方法

尿検査 血尿の確認と尿沈渣中の結晶成分の確認。
超音波検査(エコー) レントゲンで確認できない結石や水腎症を超音波により確認。
X線検査 腎盂造影で結石や水腎症(腎臓が腫れる)を確認。
レントゲンに写らない成分でできた結石の場合もあるため、造影剤(ヨウ素)を静脈に注入してX線撮影する場合もある。
結石成分分析 排出された結石の成分を調べる。治療や予防に重要。

☆治療法

自然排石 ・長径10mm、短径6mm程度の結石は一般に自然排石が可能となる。
・水分補給量を増やしたり、点滴(ブドウ糖)、利尿剤により尿量を増加させる事により、早く排石させる。
・痛みに対しては鎮痛剤、尿管壁の痙攀に対しては鎮痙剤(ブスコパンなど)を投与する。
・石が流れて行かない場合、薬物の効果が切れると痛みが反復するので、入院して継続する必要がある。
・入院して集中的に治療すれば数日間で大抵は排石される。
溶解療法 ・尿酸結石やシスチン結石は、内服薬による溶解療法が可能。
対外衝撃波砕石術(ESWL) ・レントゲン撮影や尿路造影、超音波、CTにより結石の場所を特定し、体の外からの衝撃波や超音波で壊す方法。
・衝撃波は、「水中で放電させる火花放電方式」、「セラミックの圧電素子に電流を流す圧電変換方式」、「コイルに磁界を発生させる電磁変換方式」がある。
・人間の体はほとんどが水分である事から、衝撃波は身体の中を通り抜けて結石だけを破砕してしまい、破砕された結石は,尿と共に体外へ排出される。患者への負担は少なく外来で治療(手術)が行える事もある。
多少の痛みが伴うが,痛み止め坐薬を治療前に使用すれば大半の人は麻酔なしで治療を終える事が出来る。ただし痛みに敏感な人や結石が大きかったり硬そうで衝撃波を強くする場合には硬膜外麻酔(半身麻酔)を行う場合がある。
・成功率はあまり高く無く、数度の手術になる場合もある。1回で1時間程度。1回で済む場合は3日間程度の入院でOK。
・費用は保険も適用され、1つの結石に対して約6万円(支払額)。
・短所として以下の合併症を起こしやすいこと。
 -尿路感染(急性腎孟腎炎:発熱、悪寒など。抗菌剤で治療)
 -皮膚いっ血斑・血腫(必ず起こる。非常に稀だが輸血や数週間の安静が必要になる)
 -血尿(必ず起こるが、数日で自然に治る)
 -悪心、嘔吐、疝痛発作(センツウホッサ)(割れた結石が尿路に滞留し、尿流を阻害)
経尿道的結石除去 ・内視鏡につけた破砕鉗子などを尿道から膀胱を通して尿管に入れて直接石を砕いて捕獲する方法。
・ちょっと痛い。
・現在は偶(5%程度)にしか行われない。
外科的切除 ・開腹手術で結石を取り出す方法。
・背中をメスで開いて腎臓を開き、そこから石をつまみ出す。尿管の下の方なら尿管を直接切開する。
・現在はほとんど行われない。
一般的に軽い運動も排石を助けると言われるが、根拠は無いとの事。

☆予防法

水分補給 ・十分な水分摂取と十分な尿量を確保する。これにより尿中のカルシウムおよび蓚酸などの濃度を低くするため、結晶化されにくくなる。
水分摂取量は 2000ml/日以上尿量は 2000ml/日以上が好ましい。
・水分補給源として、適度な”アルコール”はOK。ただし尿酸値の上昇を抑えるため、プリン体の少ないアルコール(下表)とすべき。
・水分補給源として清涼飲料水甘味飲料水コーヒーなどは、尿中のカルシウム濃度を上げる為、あまり勧められない。
・水分補給源として”紅茶”は、蓚酸が多く含まれることからあまり勧められない。ただしミルクティーの場合、紅茶に含まれる蓚酸とミルクに含まれるカルシウムが事前(腸管内)に結合し蓚酸カルシウムとなるが、既に結合している事から吸収されずに結石にならない。
・アルコール(特にビール)は、利尿作用が高いことから尿量を増やすことが可能であり、一見、良いように思われる。しかし脱水症状になってしまうため、水分不足で尿酸値が高まってしまう。このため、ビールなどを飲んだ後、十分な水分補給をすると良い。
・夏場などで尿量が減っても結晶成分の濃度が高くなり結石が成長しやすくなるので注意。
・下痢により脱水症状になった場合も水分不足で尿酸値が高まってしまう。
吸収抑制 ・尿中にてカルシウムと蓚酸が結晶化するために問題となる。このため、結晶化を事前(腸管内)に行わせる事で血中への吸収(→腎臓→尿中)を抑制することが効果的である。
・事前に結晶化させるには、同時に補給すれば良い。例えば紅茶(蓚酸)とミルク(カルシウム)、コーヒー(蓚酸)とミルク(カルシウム)、ほうれん草(蓚酸)とちりめんじゃこ(カルシウム)などである。
クエン酸増加 ・クエン酸は結石形成抑制だけではなく、疲労回復、動脈硬化予防効果もある。
・体液が酸性に近づくと、尿中のクエン酸は減少してしまうため問題。
・酸性化は、動物性蛋白質動物性脂肪砂糖の過度な摂取により起こってしまう。
・クエン酸は、オレンジ(10.6g/Kg)、ラズベリー(17.2g/Kg)、グレープフルーツ(13.7g/Kg)、クランベリー(11.0g/Kg)、レモン(49.2g/Kg)、パイナップル(6.3g/Kg)、梅干酢の物に多く含まれる。
・酸性およびアルカリ性については下図参照。
調理法 ・ほうれん草など、蓚酸が多く含まれているものは生で食べず、茹でることで茹汁で蓚酸を洗い流してから食べることになり、良い。
・ただし電子レンジにより加熱しても茹汁に蓚酸を流すことは出来ないので注意。
・また茹汁を料理に使ってしまうと、結局、蓚酸を摂取してしまうことになる。
・茹汁の中でも蓚酸は”アク”部分となる。漂白にも使える!
・食品に含まれるプリン体は、水溶性であるため、魚や肉の茹汁や、焼いた後の油などを摂らずに捨てれば、プリン体はカット可能。
プリン体摂取抑制 ・プリン体は肝臓で分解されると、老廃物として尿酸が生じる事から、摂取を抑制するべき。
・”プリン体”とは核酸代謝物の総称を表すラテン語”プリンヌクレオチド”から命名。アミノ酸の一種。
・動物性蛋白質に多く含まれている。牛肉、豚肉の特に赤身部分。
・粒が小さいイクラタラコキャビア、他にはレバーあん肝白子など内臓や精巣、卵巣関連の食べ物に多く含まれる。同じ卵でも鶏卵は細胞が細胞1個なので、プリン体の量はほとんど無い。
・魚の場合、白身より赤身の方が含有量が多い。内臓に多く含まれている。
・野菜の場合、含有量は全体に少ないが、ほうれん草カリフラワーキノコは比較的多く含まれている。
・エビ、牡蠣にも多く含まれている。
・ビール、発泡酒にも多く含まれている。これは麦芽にプリン体が多く含まれるからのようである。しかし最近はプリン体が少ないと宣伝されているビールが売られている。
・食品に含まれるプリン体は、水溶性であるため、魚や肉の茹汁や、焼いた後の油などを摂らずに捨てれば、プリン体はカット可能。
・豚骨、鶏ガラのラーメンやスープ、肉を焼いた後の肉汁など、旨味のある汁部分にはプリン体は多く含まれている。
・プリン体がほどんど含まれていない食品として、うどん・そばなどの穀類や、芋類、乳類、卵類、野菜類、果物類がある。
・ただし、食事から核酸を摂って(サルベージ合成)尿酸が増えた場合、その分、肝臓で作られる(デノボ合成)尿酸の量が滅リ、トータルとして体内の尿酸量を一定に保とうとする。つまり、健康な人はある程度の核酸を摂っても、血液中の尿酸はほとんど増えない。一方、食事からとる核酸を減らすと、その分、尿酸を多く合成してしまうので、やはリ血液中の尿酸値はほとんど下がらない。つまり、過度の摂取が問題なのである。
夜食防止 ・夜間睡眠中は睡眠を妨げないように抗利尿ホルモンが分泌されている上、水分も摂取しないため尿が濃縮されやすい状態である。
・このため寝る前に食事を取り、尿中の蓚酸やカルシウム濃度を高めると結晶化がされ易い状態となり、結石に繋がる。
・食後や運動後は一時的に尿酸値が上がる。一般的に2時間程度で正常値に戻る。
・寝る2〜4時間前までには食事は終わらせるようにする事。ビールなどについても同様。
どうしても夜食が食べたいなら、脂肪が少なく、プリン体が含まれて居ない食品(穀類、芋類、乳類、果物)などを摂るなどの工夫をする。
脂肪抑制 ・脂肪の過剰摂取は、腸管内で遊離脂肪酸となりカルシウムと結合してしまう。このため、蓚酸が単独になって腸管から吸収(→血液→腎臓→尿)される。これにより蓚酸の尿中濃度を高めてしまう。
・脂肪の過剰摂取は、心臓病、肥満、糖尿病、高コレステロール血症、脂肪肝の原因となる。
脂肪肝と尿管結石を合併している人は多い。
プロテインサプリメント ・牛肉や豚肉などの動物性蛋白質はプリン体が多く含まれており尿酸値を上昇させる。
・プリン体を摂らずに体に必要なアミノ酸だけをバランスよく摂るにはプロテイン・サプリメントが良いそうだ。
・大豆蛋白はプリン体含有量が多い。牛乳蛋白がお勧め。
・体が必要とする以上の蛋白質(特にアミノ酸バランスの悪い蛋白質)をとると、尿酸として代謝、排泄される。このため、アミノ酸バランスが良いホエイプロティンがお勧め。

☆プリン体の含有量

・食品
食品名 一人前分量(g) カロリー(kcal) プリン体含有量(mg)
アンキモ(酒蒸し) 50 223 199.6
牛焼肉レバー 120 158 122.2
牛肉ヒレステーキ 200 310 84.6
豚ロースステーキ 200 628 79.8
かつお切身 80 103 72.2
クルマエビ 80 74 68.6
アジの干物 60 118 65.3
サンマ切身1切れ 80 192 54.4
ヒラメ切身1切れ 80 74 46.0
マダコ 80 61 45.8
干し椎茸5個 10 3 18.6
大豆 20 36 16.8
かまぼこ4枚 80 85 9.8
精白米 65 96 8.2
カズノコ 60 83 6.3
ウインナーソーセージ 30 91 5.9
プロセスチーズ 25 85 0.7


・アルコール類
アルコール類におけるプリン体の含有量はビールを10とすると、日本酒が1、ワインが1、焼酎が0、ブランデーが0、ウイスキーが0と言われている。
これらのことから、ビールを飲む際は気をつけるべきだと言える。

結石だけではなく、痛風などにもなるので飲みすぎには注意!
種別 プリン体含有量(mg)
ビール 地ビール 23 〜 58
ビール 15 〜 24
発泡酒 10 〜 14
プリン体カット発泡酒 0 〜 0.1
ダイエットビール 3.5
日本酒 2.18
ワイン 0.39
ブランデー 0.11
焼酎 0.06
メーカー 銘柄 種別 カロリー(Kcal/350ml) プリン体の含有量(mg/350ml)
キリン      ラガー ビール 144 25.0
一番搾り ビール 154 22.0
バドワイザー ビール 144 22.0
淡麗 発泡酒 158 12.0
淡麗グリーン 発泡酒 105 7.5
淡麗アルファ 発泡酒 158 1.2
サントリー   モルツ ビール 145 30.8 (17.5)
マグナムドライ 発泡酒 147 7.0
ダイエット(生) 発泡酒 74 3.4
純生 発泡酒 154 9.1
スーパーブルー 雑穀酒 147 10.8
サッポロ    エビス ビール 147 10.1(35)
黒ラベル ビール 140 6.3(22.0)
北海道生搾り 発泡酒 154 11.5
樽生仕立て 発泡酒 161 10.5
麦100%生搾り 発泡酒 106 6.4
生搾り 発泡酒 154 3.5
生搾りファイバー 発泡酒 150 3.5
ドラフトワン 雑穀酒 147 1.5
スリムス 雑穀酒 73.5 0.5
アサヒ  スーパードライ ビール 147 5.5(21.0)
スパークス 発泡酒 144 10.0
本生(赤) 発泡酒 150 3.3
本生(青) 発泡酒 123 2.4
本生(緑) 発泡酒 127 3.2
本生(ゴールド) 発泡酒 157 4.2
新生 雑穀酒 140 4.0
タカラ バービカン ノンアルコール
(0.1%)
60 3.5
ハイネケン バクラー ノンアルコール
(0.5%)
66 14.0
酸性食品 ・成分のうちリン塩素硫黄などのように水溶液に溶かすと酸性を示す元素を多く含んだ食品。
・肉、卵、魚介類など。
アルカリ性食品 ・成分のうちミネラル成分、カルシウム、カリウム、ナトリム、鉄などのようにアルカリ性を示す元素を多く含んだ食品。
・カルシウムが多い牛乳、カリウムが多い野菜、果物など。
・梅干は強烈な酸味があるが、実は強アルカリ性。
・健康な人の体液は常に
弱アルカリ性に保たれ、血液中のpHは7.38〜7.42に収まっており、7.30まで下がると意識不明になる。






痛風

☆痛風とは

痛風は、尿酸が血液中に増え、それが関節で尿酸塩として結晶化・沈着し、その尿酸塩に対して体の防御機構である白血球が反応し攻撃することによって引き起こされる痛みである。
足の親ゆびの付け根の関節が赤く腫れて痛みだす。痛みは万力で締めつけられたように激烈で、大の大人が2、3日は全く歩けなくなるほどの痛みとなる。発作的な症状なので痛風発作と呼ばれるが、1週間〜10日経と次第に治まって、しばらくすると全く症状が無くなる。ただし油断は禁物で、半年から1年経つとまた同じような発作が起こる。それを繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔が次第に短くなって行き、関節の症状だけでなく、腎臓などの内臓が侵されるようになってくる。

昔は別名”贅沢病”と呼ばれたそうで、社会的に軽く扱われている傾向にある”ありふれた”病気でもある。
飽食の時代の病気であり、日本では明治時代以前は無かったとの事。
西洋では歴史も古く、マケドニアのアレクサンダ−大王、神聖ロ−マ帝国皇帝のカルロス五世、プロシア国王フリ−ドリヒ大王、フランスのルイ十四世、宗教改革のルター、清教徒革命のクロンウェル、芸術家ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチ、詩人ダンテ、ミルトン、文豪ゲ−テ、スタンダ−ルやモ−パッサン、天才物理学者ニュ−トン、生物学者ダ−ウィンとそうそうたるメンバーも痛風に苦しめられていたそうなのだ。

☆発生要因

尿酸値の上昇、結晶化が原因であるが、そうなる要因を以下に示す。
食べ過ぎ ・肥満を助長するとともに尿酸の原料の過剰摂取に繋がる。体が必要とする以上の蛋白質(特にアミノ酸バランスの悪い蛋白質)を摂取すると尿酸として代謝、排泄される。
・夜食なども睡眠中の尿酸値を上げてしまう。
・動物性蛋白質は新陳代謝で分解されたりすると、残りカスとして尿酸が生成される。
飲み過ぎ ・アルコールは尿酸の産生を促進するとともに、尿酸排泄を抑制してしまう。
肥満 ・内臓脂肪の蓄積は尿酸産生の促進につながり、皮下脂肪の蓄積は尿酸排泄が抑制されることがわかっている。
ストレス ・脱水傾向が出たり、ストレスホルモンの影響で尿酸排泄が抑制されるのではないかと言われている。
過度の運動 ・尿酸は、生体内では最も強い抗酸化物質の1つ。
・過激な運動、ストレス、飲みすぎは活性酸素を増す。その抗酸化のために尿酸が増える可能性がある。
遺伝 ・体質の遺伝。
・尿酸は体内で、キサンチンという種類の塩基が酵素で分解されて作られる。しかしその一方で、キサンチンを他の塩基やヌクレオチドに変える酵素やプリン塩基のデノボ合成を抑制する酵素などがあり、血中の尿酸値が適正に保たれるようにコントロールしている。
痛風家系は、これらの酵素に1つ以上の欠陥があることがわかっている。血中の尿酸が増え、溶けきらずに結晶化して痛風を引き起こす最大の原因は内因性の代謝異常であって外因性(食事)に起因するものではないという説が近年のトレンド。
二次的要因 ・血液の病気や腫瘍などの他の病気が関係している場合や、薬(利尿薬など)の副作用で起こる場合もある。

☆治療法

応急処置 冷却 ・患部を冷やす。
安静 ・発作の起こった患部(関節)を安静にする。
・マッサ−ジはしないこと。
禁酒 ・尿酸値を下げるため、アルコール(特にビール)を禁酒する。
消炎鎮痛剤などとも呼ばれる一般薬の投与。
・解熱剤として処方された坐薬があれば使っても可。
・バファリンなどのアセチルサリチル酸(アスピリン)はたくさん飲むと発作が酷くなるので、使用しないこと。
医師の処置 非ステロイド系抗炎症薬 ・消炎鎮痛剤などとも呼ばれる一般薬の投与。
・短期衝撃療法といって短期間に限り多めに服用すると良く効く。
・ただし、腎臓の機能が低下している人や胃潰瘍で治療中の人などは使え無いので要注意。
コルヒチン ・痛風発作の予兆期や、発作のごく初期であればコルヒチンは有効。
・発作が本格的になるとたくさんコルヒチンを飲まないと効果は無い。
・しかし、たくさん飲むと副作用がある。
副腎皮質ステロイド薬
・強力に炎症を抑える作用があり、よく効く。
・内服もあるが静脈注射用の脂肪化したステロイド薬は特に良く効く。
・ただし、この薬が必要なのは重症患者だけであり、一般の痛風発作にはまず必要無い。







腎臓病

腎臓は、以下の重要な役割を持っている。
 ・血液中の老廃物の濾過
 ・血液中の水分や塩分のバランスを保つ
 ・ホルモンを分泌し、赤血球を増やす
 ・ビタミンDを活性化し、骨を丈夫にする
 ・血圧を適切にコントロールする

腎臓の働きが悪くなると上記役割を正常に果たせなくなり、食欲不振や体調不良、貧血を起こしたり、骨が脆くなったりする原因になる。

☆種類

腎不全 腎臓の働きが、正常の30%以下の状態。
急性腎不全 さまざまな原因により腎機能が急激に低下した状態。原因は別の疾患、ケガなどだが、適切な治療を受ける事により、ほとんどは病気前の状態に戻る。
慢性腎不全 病気によって徐々に腎臓の機能が低下することで起こる。
慢性腎不全になると、失われた機能を取り戻すことは出来ない。最終的には、定期的に透析を行うことによって、血液中の老廃物や余分な水分を取り除くか、腎移植受けることになる。
末期腎不全 腎臓の働きが、正常の10%以下の状態。
毒素および食物や細胞からの老廃物、余分な水分が、血液中にどんどん溜まって行く。これらの物質を取り除くことが出来ないと、頭痛、高血圧、吐き気、むくみなどが起き、疲労感や食欲不振、無気力などの症状が現れる。
透析や腎移植の治療を受けることになる。


☆診断方法

尿検査 正常なときには出ないはずのたんぱく質や赤血球が、病気になると尿の中に出てくるため確認。
尿中のたんぱく質の量や、尿沈査(尿を遠心分離器にかけて、沈殿した赤血球、白血球などの固形物を顕微鏡で調べる検査)で、腎臓の状態がわかる。
血液検査 腎臓がうまく働かなくなると、老廃物が尿中に排泄されずに血液中に溜まり、クレアチンや尿素窒素(BUN)の値が高くなる。


☆治療法

腎不全への進行を遅らせる 食事療法 たんぱく質と塩分を控えめにして、エネルギーを確保するために、バランスのよい食事を摂る。
薬物療法 様々な合併症伴うために、薬物療法を行う。
日常生活のコントロール 腎臓病を引き起こす疾患で最も多いのが糖尿病。腎臓病初期の患者、特に糖尿病や高血圧の患者にとって、日常生活をうまくコントロールしていくことは、とても重要です。
末期腎不全の場合 血液透析 血液を体外に取り出し、ダイアライザーと呼ばれる透析器(人工の膜)に通す事によって、血液中の不要な老廃物や水分を取り除き、血液を浄化する療法。
腹膜透析

自分自身の「腹膜」を血液浄化用のフィルターとして用いる透析療法の一種。血液透析のように血液を体外に出すことは無い。

連続携行式腹膜透析(CAPD) 透析液をお腹に出し入れする”バッグ交換”を1日3回〜5回行うことにより、老廃物を排泄する方法
自動腹膜透析(APD) 自動腹膜灌流装置(サイクラー)と呼ばれる機械を使って、家庭で就寝中に自動的に透析を行う方法
腎移植

移植外科医が手術を行い、別の人の健康な腎臓を患者の体に移植すること。

生体腎移植:親族の腎臓のうち1つを提供してもらう
死体腎移植(献腎移植):第三者の善意で死後に提供してもらう