ゲームレビュー

 

ギレンの野望 ジオン独立戦争記

結果から言うと5段階評価2。

 

全般

戦略がコマンド制になり、忠誠心システムも入った為、最高権力者であるプレイヤーが中間管理職的作業者に成り下がっている。

全く何の為の軍団システムか、組織化というのは責任を委譲して末端の管理を現場に任せる物だろうに。

何の為のコマンドポイント化か、部下の気まぐれで幾らでも増殖するコマンドポイント数、戦略も何もあったものではない。

 

情報

これは結構バランスが良い、コマンドをこなし切れない時とあまる時がまあまああり、真面目に考えさせられる部分が良く出来ている。

 

軍事

殆ど意味なし

1機の補充と軍団の移動が同じ1ポイントという何も考えていないことを露呈しているシステム。

部下が申請する無駄なカスタム依頼(これも無理に無題な努力で忠誠心システムを何とかしようとした形跡が見られる)を無駄にこなさなければ有る事すら忘れるコマンドである。

 

開発

せっかくのユニットカスタムシステムが、ポイント制のあまりの悪さに死んでしまっている、下手にカスタム化するより、部下の提案とポイントつぎ込みで新機種開発した方がましというどうしようも無い無駄が出ている。

それ以外はまあ普通、部下の意見のおかげで無駄な開発も出来るし、良い感じに普通に無駄が多い。

 

内政

これはまあまあ良い、戦争をして真っ当に動くパラメータをまあ真っ当に調製する。

可もなく不可もない。

税率がやや冗長的な気もするが、あっても問題ないので良い。

 

外交

+−の複合に何の意味が有るのか。

製作側からは複数の組織とのバランスを取る難しい外交をさせている気になるかもしれないが、プレイヤー的には「面倒だから1点集中か適当でいいや」と投げ出させること請け合いであり、これも部下の気まぐれで幾らでも簡単になってしまうという作り手独りよがりの馬鹿丸出しのシステム。

 

作戦

これは結構バランスが良い

防御向上という地道な部分と正面作戦との兼ね合いでバランスを考えさせるのが良い

ポイントがあまりそうな時も防御向上に費やせる部分が良い

但し、特殊部隊編成とか防御陣地構築って作戦でなく軍事的内政では無いかと思う、が、まあ許容範囲。

 

・忠誠システム

光栄の三国志のように忠誠心で色々困ったりしないので。単にプレイヤーを嫌がらせるシステムにしかなっていない、まだ中途なため全てを判断できないが、恐らく第3勢力の為「だけ」のシステムなのだろう。

わずかなイベントのために全般にわたってプレイヤーを拘束するシステム、いかにも俺様的な良くわかって無い御馬鹿さんが作りこみそうなシステムとなっている。

 

・軍団システム

一つの拠点から複数軍団が攻め込めない事が多い(出来るのかもしれないが、マニュアルを読んでも解説が無い、オンラインリファレンスはまだ読みきっていない)、別軍団とは合流コマンドが使えずドック補給も出来ないなど、単なる攻撃ユニット数制限システムと成り果てている。

仮想戦記を漠然と読んで、「師団とか軍団とかの単位が良い感じだなー」くらいに考えて、良く考えず導入したものと思われる。

移動が楽な場合が有るのと委任は良い部分だが、部隊が容易に分割できない為、移動適正で動けないことがあったり、1機の調整で動けなくなったりちゃぶ台がいくつあっても足りない。

 

配備システム

どんなに遠隔地でも2ターンで届くというシステム、せっかくライン化して分かりやすくなった戦略マップが台無しである。

戦略ゲームとしては悪い選択では無いが、ユニットの個性化が強すぎるため最強ユニットを即時配達できるという戦略的考察の徹底低下システムに成り果てているのが残念な部分。

 

・戦術

コンピュータの思考が極めて馬鹿になっている。

4分の1で攻め込んでもこっちにあわせて少量ずつ逐次投入してくるため、結果的に勝ててしまう、戦略での軍団システムの欠点はこの思考の馬鹿さを補うための枷かと思うくらいの大馬鹿さである。

(トリントン攻略ではザク、ゴッグを基幹としたパイロット3人(ドズル=ゴッグ、マツナガ=Sシャアザク、ラコック=アッガイ)による27の部隊により、112の守備隊を破って残部隊15と言う有様、プレイヤー指示モードだがはっきり言ってごく普通に適正対象へ攻撃をかけ、奇策は殆ど弄さなかったのにである。また、敵の爆撃航空隊が殆どゴッグを攻撃しなかったので、対地攻撃機が自然消滅(対空能力が有る数少ない部隊に少数ずつ逐次突入してきて勝手に全滅した)した後半の対地掃討にに存分に投入でき10中7残と言う所からも馬鹿さ無策さ加減が伺える)

基本的に対コンピュータの場合、敵が多いパターンが多くを占めるが、こんな場合、攻撃適正のみを考え力押しさせた方がまだマシな戦闘になるのである。

なぜなら、これをされると大きな戦力差が有る場合は力で押し切られ戦略の不味さが明確化したり、ユーザによる戦力の組み合わせが絶妙だったり戦術的後退で戦線を支えたり敵を各個殲滅する事で辛くも勝つことが出来る場合があり、意外と戦闘に深みが出るのである。

 

戦闘シーン

最近ではフロントミッション2で顕在化した、何回か見れば満足、飽きてしまう必要以上に長い戦闘シーン。

・中途半端なカメラアングルで分かり難い戦闘経緯。

・発砲を終わったキャラも漠然と立って攻撃を受ける。

・当たったか当たって無いか非常に分かりずらい。

・弾道も分からないものが結構有る。

等の為、極めて不自然な仕上がりになっている

更に最悪なのが、砲撃が止んだあと自爆する機体が有る、恐らく発砲を済ませた後ダメージ計算をしての調製なのだろうが、前作の2D戦では明確に煙を吹かせて分かりやすくしてあったのに、今回は自爆したようにしか見えない。

また前作の2D戦闘シーンにも漠然と受ける部分はあったが、全体に軽妙に出来ていた為、多少の時間調製として毎回見てもさほど苦にならないくらい許容範囲だった。

どうも目新しさと派手さのために、恐らく深く考えず3D化して検証が足りなかったせいで「辻褄が有ってればいいや」程度で出した物と思われる

(後日フォロー、モデルや雰囲気は良いと評価できる、もうちょっと詰めれば更に良くなりそうなのが惜しい)

 

 

総括

無駄なコマンドも多く、コンピュータが馬鹿な為、適当に惰性で何も考えずガンダムシミュレーションが出来る体の良い暇つぶしゲームである。

 

ジオンの系譜からまた1年戦争のみに戻ったのも考証が足りないのが伺える。

サターンのギレンの野望で末期のユニット開発がほぼ無駄で、ゲーム終了時に残念感が極めて強かった部分を、ジオンの系譜で上手く調製していたと好評だった部分に何も感じていないのであろうか?

少し攻略サイトを見たが、多分末期の時期主力MS系はゲーム終末調整程度の活躍に堕す物と考えられる。

いかんせんファーストプレイ中であるが、46ターンでジャブロー、ルナツー、ベルファスト以外を普通にまったりプレイでザク系(アッガイ含む)とゴッグのみで占領完了してしまった、このままではグフ、ドム、MAはただの無駄ユニット、ルナツーは高機動ザクの花道、ズゴックはジャブロー攻略「専用」MS(ジュアッグかよ)、ギャンやゲルググは戦争に間に合わなかった悲運の名機と成り果てそうな感じになる事請け合いである。

これがねらったゲーム調整なら現行兵器を改良しながら戦争を生き抜くというかえって天晴れなバランスのだが、恐らく違うので、残念ながら製作側の御馬鹿な調整ぶりがまた目立ってしまう。

個人的にはザクのやりくりで戦争を生き抜くのは結構楽しいのだが、最低限、ランバラルが死ぬ前くらい(まったりプレイなので30ターンちょい位だったのだが)にはグフの開発が終わるようにして欲しい物だ。

 

良作のギレンの野望と完成度の高いジオンの系譜をどうやればここまでひどく出来るのか、このゲームを開発したチームにはゲーム好きが居ない事請け合いな、いかにも「このゲーム凄いだろ、これを作った俺たちは凄いんだ、見て見て!」という出来栄え。

 

ずいぶん酷評したが、全体にゲームを眺めると詰めが甘すぎるだけでそれほど酷いゲームシステムでは無いとも感じられる、単に製作側に歴史上の実際の戦術戦略と戦略系ゲームの知識と経験と勉強と興味と研究と知る熱意、ゲームへの情熱と愛情が無さすぎただけなのかもしれない。(下手をすれば仮想戦記とトンデモ本の読みすぎや、本当にMSが万能兵器だと思っている「キてる」のがスタッフに居るような雰囲気)

なぜなら、このゲームは往年の良質超大作パソコン用戦略ゲーム「グロスドイッチュラント」に似ている部分が多く、このゲームがマニア向けながら絶妙なバランスとシステム切り分けで出来た、飽きる事の無い(私は十数回やった)ゲームだった為、一人でも製作者にこのゲームを愛せる人がいてまわりが聞く耳を持って、考える脳みそが有れば、よい調整とブラッシュアップが出来たのではないかと悔やまれる。

(似ている部分:集中生産を一括配備、軍団/軍団長システム+分化した政治部代表による忠誠システム、最高権力者で戦術まで触る部分、戦略ラインシステム、内政システム等々・・)

 

 

せかっくなので、愉快な特別作戦記

戦闘全般には圧倒的多数で戦うので真っ当にやれば誰でも勝てる状況なのだが、シナリオ部分が余りにも間抜けすぎるのであえてレビュー

また、いつも3軍団を集中する理由は最新鋭、中堅、余り物(ザク1やFとかガトルとか)で戦力集中する為。

 

 

オデッサ・ディ

予測通りのべたなシナリオなので、警告後3軍団による戦力の集中は完了、結果7ターン以内にザク(F2まで)・アッガイ・ゴッグで殲滅完了。

これならさすがに無いと思ったら、連邦軍無きオデッサに核兵器炸裂、ジオン軍のみだいだげき☆

マ大佐、あんた死刑だわ。

 

ソロモン

これもお約束シナリオのため警告後3軍団によるザクのみ(R系も多いが、F1F2も計15部隊ほど投入、リックドムもザクレロもまだ無し)による戦力集中完了。

防衛戦開始時「木馬隊発見ナリ、スーパー脅威だお」と激烈注意がある。ヤバげなので1軍団を遊軍化して回り込ませ包囲体制を取るが、差し違えを覚悟して木馬隊に差し向けた先鋒の高機動ザク隊と数隻の艦艇により1ターンで全滅、唖然、合掌。

更にソロモンを焼かないソーラシステムのムービーに凹み、照射後1ターンで全滅する連邦軍に合掌。

ちなみに警戒して迂回した木馬包囲用の中堅1軍団24部隊は一発も打たずに終了。

 

ソロモン、追記

全滅させたて軍団管理とか普通に操作できたし終わったかと思ってたらもう1軍団攻めてきた、面倒だからってソロモン軍にさわらないで良かった。更に木馬無し、ビグザム無し、敵全滅なのにソーラシステムの為ドズルが死ぬ、作り手、考えること完全に放棄してるな。

ソロモン残存部隊は80だから30攻めてきても揺るぎもしない、7ターン以内に殲滅完了

 

星一号の報告が有るも全然攻めてこない、ルナツー攻略提案が出たのでソロモンに全部移動したらグラナダに攻めてきやがった。

特別情報表くらい載せておけよ、口頭報告しかないから聞き逃すと状況が全く分からなくなる、あやしいと思ったのでグラナダ撤収前にセーブしたポイントに戻る。

注1)このコメントは逆切れ。

 

内政グラフを見間違えていたせいで占領地域が反抗100%に、こうなると反戦活動は全く下がらなくなり内政はお手上げ、また、こう言う状況になると自動的に、部下からの反戦占領献策が全く出なくなるようだ、既に10ターンほど一度も出てこない所からこれはわざと設定を組み込んでいる物と考えられる。

マニュアルでもどっちが何とは書かずに、「内政をしないと不利になる」しか書かれていない、勘弁してくれ、せめて秘書さんは半分を超えたら警告するようしておいて欲しい物だ。

また、マルチウィンドウも出来なく、コントローラというクソな環境でオンラインマニュアルとは何事か、印刷して入れておけ、「見るな」との同義語だ

注2)このコメントも逆切れ。

 

星一号作戦も終わり、ルナツーとジャブローを残すのみとなり、今までの経過でやっと分かった事、このゲームはイベント以外で敵は攻めて来ないのね。

必死に旧式兵器も確保して総機数や軍団数で約7割、戦力的にも半分以上を隣接エリアの警戒に当てていたのは全く無駄だった訳だ。

もう一つ、やはり外交は全くの無駄、全リソースは内政に振り向けるべき物だったようだ、上記の逆切れが65ターン目くらいだったのだが、その後ほぼ毎ターン暴動発生、何をしても内政パラメータは復活せず、81ターンで自動的に和平交渉開始で判定勝利、軍事的には圧倒的に有利だったのに、ジャブローも定期便による攻撃を敢行していたし、ルナツーも高機動ザク軍団による侵攻を開始していたし。

 

また、結局ズゴックはジャブローにしか投入せず、グフもベルファスト攻略でテスト投入した程度で、「ドム、ゲルググ、ギャン、MAってなあに?」で終了、内政を勘違いせずきちんとやっていれば、最後はズゴック、ドムという2種類の「ジャブロー攻略専用MS」による戦いになっていたと思う。

 

 

…などとケチを付けつつ、連邦軍プレイに突入

ああそうさ、それなりに楽しんでますよだ。

ガンダムの普通の仕組みのシミュレーションゲームって、それなりにノれるからまあまあ楽しいんだよ。

 

で、30ターンを超えて気付いた事。

連邦プレイだとジオンがどんどん攻めて来るから戦力が全然足らない。

MSが出来る前から必死で防戦しながら一進一退の攻防が繰り広げられていて、出来たばかりのガンダムとペガサス級は火消しとして酷使状態。

ガンダム23機しかないのに既に高機動ザクとか攻めてくるし、ガウやグワジンはうじゃうじゃ居るし、一気に拡大した戦線を縮小せざるを得ない状態、ハワイ早めにやっておいて良かった、これでゴッグやズゴッグでも出てきたら手に負えない。

結構負けてる気がしちゃうので辛くて悔しくてきついけれど、シナリオ物のシミュレーションとしては、退く勇気や相手の損害も勘案するととても良くバランスが取れていると言える。

慣れた分だけ連邦プレイの方が政策とか開発を効率的にやっているのに、このジオンシナリオとの格差は何なのだろう?

こっちなら多少の仕様の問題は目を瞑っても良作良質のシミュレーションゲームと評価できる。

 

怒りの追記

その後惰性で続ける物の、戦力再編成がシステム上面倒な為、いたずらにターンが過ぎ70ターン代後半で全部委任でソロモン戦に突入。

十分戦力投入したので当然勝ったのだが、どうやら艦船とビーム系MSでひたすらビグザムに特攻したらしく、艦船とGMスナイパーを中心に大量にやられている。

推移を見ていたら敵残機5ぐらいから味方20機くらいがやられていた(総被害機数は40機強)。

いや、本当に、馬鹿ですか?ここまでお約束にはバランス崩してでも忠実だったのにビームバリアーだけは例外になってる、つーかわざとっぽいから何にも考えて無いよりたちが悪い。

パラメータ的には宇宙戦のみでビグザムだけの設定だろうが、キャラ削ってシナリオ削ってポリゴンで機体データ減って、削りまくってメディアはDVDだから倍以上容量増えて、その程度のことをなぜ組み込まない?

そうか、ビグザム原理主義者がスタッフに居てそう言う風に仕向けたのな、「僕のビグザムたんは敵を道連れでどきゅん!どきゅん!どかんだ!」だったんだろうね。

更にソーラシステム無し、スレッガーもなぜか死なない、なぜでしょう?

 

前言撤回、このゲーム典型的な作者の自慰発表会ですわ。

キャラクターもMSV系が多いらしく、08小隊の人が増えている。

メジャーキャラ削って、マニア向けキャラ増加、「こんなキャラ知らねーだろ、知ってる僕たちは凄くて偉いぞ」という自慰活動以外の何者でもない、08小隊の脇役士官系が増えている辺りがエセリアルマニアな雰囲気もぷんぷんさせている。

だめだ、ここでもうやる気がほぼ失せた、ムービー「だけ」は良いのに、声優さんも可哀想に、自慰の手伝いさせられちゃったねぇ。

 


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