八極拳理論について

< 八極拳ドリル / HOT POTホームページ >

 八極拳理論は、八極門3世宗家によって、まとめられました。彼のことについては、一章を参照してください。


 彼の理論の多くは、中国の伝統的な方法論に従って展開されています。それは、どの様なものかと言うと、「編纂とその注釈」というものです。

 しかし、彼の特筆するべき点は、無理は在るものの、単に情報の編纂をしたのではなく技術の「普遍性」を追求した「分析」を行ったところにあります。

 中国ではそういった事、つまり、科学技術が自然環境や社会に与える影響について、事前に予測したり、技術の評価(分析)をする(technology assess-ment)等の学問がなかったと言われており、伝統的に好んでデータの「蓄積」と「編纂」と「注釈」をくり返しおこなって来たのです。

 つまり、中国における科学技術とは、経験によってのみ形成され、現象の原理を分析したり、または、技術の継承によるものと云うのは、ほとんど無いと言われています。

 だから、天文学に例えると、中国では何千年もの間、現象面での記録はするものの、西洋天文学のように、星の観測記録から得たデータを分析して、星の周期を導き出す事をしなかったというのが良い例でしょう。

 従って、現象ばかりを追った理論展開で説明しようとするから、どうしても説明しきれないことや、いままで整理してきた理屈に合わないもの(矛盾するもの)等が出てくるのです。

 中国ではそれらをまとめて、大抵は「無形式」という名称で注釈的に扱っています。


<参考文献>

ジョセフ・ニーダム著「中国の科学と文明」、三省堂出版「大辞林」、ベースボール・マガジン社 呉連枝著「呉氏開門八極拳」ほか


八極拳ドリル / HOT POTホームページ