仲間から一定の距離を保とうとする。
仲間と向きを合わせようとする。
群れの中心に向かおうとする。
| P/ECE Games | ABA Games |
| for P/ECE | fukuro ver. 0.1 | (C) 長 健太(ABA."Saba") |
ふくろ-だたき[袋叩き]
一人を大勢で囲みさんざんに叩くこと。
アクションゲームの基本、袋叩き。今回はその行動をモデリングする話。
| 古くはファイナルファイトから |
天地を喰らうII、D&D、Alien vs Predator、SPIKE OUT、真三國無双、などなど、いわゆる ファイナルファイト型と呼ばれるアクションゲームの基本は、「袋叩き」です。
理不尽な強さを誇る主人公を倒すべく、物量に任せた雑魚を送り込み、 主人公を袋叩きにしようとします。 しかし、悲しいかな雑魚の弱いこと、 10人で体力を3ドットでも減らせたら御の字という、最悪のコストパフォーマンスで 戦いに臨む暴力集団 マッドギアもなかなか大変です。
これらのゲームの雑魚の動きはほぼ決まっていて、 一太刀浴びせるべく主人公をなんとなく取り囲み、おどおどとパンチを繰り出す、 といった動きをします。 主人公のPPPやPPPKやPPPKK程度で簡単に死ぬ雑魚の哀しさか、 あんまり気の利いた動作をプログラミングしてもらえず、 なんとなく出てきてはなんとなく殺される程度のキャラクタ、 今回はその動きをちょっと考えて見ましょう。
| 鳥の群れをシミュレートするboid |
boid、 というものがあります。 これはなにかと言うと、非常に簡単なルールで、鳥の群れの動作を 実現しようというものです。
boidアプレットなどを見れば分かりますが、 群れを成して飛ぶ鳥の集団の動きが、それっぽく実現できています。
実現のためのルールは3つ。
仲間から一定の距離を保とうとする。
仲間と向きを合わせようとする。
群れの中心に向かおうとする。
これだけ。簡単ですが、このルールを持った鳥たちを、同じフィールド上に 大量に放つことで、それっぽい動作が実現できるわけです。
| 袋叩きをシミュレートするfukuro |
大量のキャラクタが出てくるという点では、雑魚が袋叩きを行う時も同じ。 そこで、これをちょいとパクって、雑魚が主人公を袋叩きする行動モデル、 fukuroを作ってみましょう。
ルールもそのままパクっと。
主人公からの方向が同じ仲間から一定の距離を保とうとする。
袋叩きをするには、主人公を囲まなければなりません。 そのために、主人公からの角度を計算し、なるべく仲間と方向をずらそうとします。
主人公との距離を仲間と合わせようとする。
暴れん坊将軍からの決まりごとで、雑魚は主人公から一定の距離をとらなければいけません。 こうすることで、主人公を中心とした、きれいな円を作り出します。 日本の様式美です。
主人公が背を向けたら全力で切り込む。
雑魚は卑怯でなければなりません。主人公と向かい合って堂々とやりあうのはボスにお任せ。 主人公の背中に向けてアタックするのがセオリーです。
こんなところです。これを使って簡単なゲームを作ってみました。
ダウンロードは以下から。P/ECE用です。
遊んでみると分かりますが、なかなか面白い動作が実現できます。 雑魚ににらみをきかせつつ、じりじりと間合いを詰め、後ろから襲い掛かってくる 敵に振り向きざまにパンチ、すぐに振り返る、といった動作がセオリー。 どちらかというと、時代劇の殺陣の雰囲気の方が強いかもしれません。
| で、どうしよう |
いや、どうしようもありませんが、ちょっとした拡張を加えていけば、 もうちょっと気の利いた動作を行わせることもできるかもしれない。 雑魚に個性を持たせるとかね。気が向いたらやってみます。
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