伏兵マイヤー、ワールドカップ初優勝
ガルミッシュで23日に行われたスーパーGの第4戦で、オーストリアのヘルマン=マイヤーが2位に0.52秒差でゴールし、ワールドカップ初優勝を遂げた。スキーのインストラクターをしていた24歳の大回転のスペシャリスト、マイヤーは、金曜日に行われたスーパーGでもリュック=アルファン(フランス)についで2位でゴールしていたが、今日、トップシード選手を押しのけて念願の初優勝を遂げた。マイヤーは、1回目の中間計時で0.29秒差のトップ、同2回目は0.89秒差、ゴールラインをまたいだときには、0.52秒差を付けていた。クリスチャン=ゲディナ(イタリア)は2位、3位にはアトレ=スコールダル、ラッセ=シュース(共にノルウェー)が、同タイムでゴールした。ペーター=ルンガルディラ(イタリア)が5位、3日続けての優勝を狙っていたリュック=アルファン(フランス)は、6位だった。
それでもアルファンは、ポイントでリード
今日は6位だったアルファンだが、スーパーGでのポイントは、ルンガルディラに91ポイントと、依然リードを保っている。また、総合争いでも2位のシュティル=アンドレ=オモット(ノルウェー)に、163ポイントとリードしており、フランス人としては1968年のジャンクロード=キリー以来の総合チャンピオンになる可能性も十分だ。今日のオモットは、アルファンに遅れること0.84秒の16位と奮わなかった。現在の所、アルファンの最大のライバルは、高速系4レースを残している事を考えると、総合2位のオモットより、高速系に強い同3位のゲディナだろう。
マイヤーの勝利に驚きを隠せない周囲
マイヤーの勝利と、勝利後の落ち着き払った態度に周囲では驚嘆の目を向けている。”金曜のレースが終わったときに、今日のレースでも活躍すだろうと思ったよ。肉体的にも強いけど、精神力もすごいものをもってると思ったから。”チームメイトのハンス=クナウスは語った。”だけどこれほどまでに活躍するとは思わなかった。彼に心からおもでとうをいいたいよ。去年の夏は、あんなにハードに、良く練習していたのに、シーズンの始めは運が悪いことが重なったから。練習ではいつも1番良いタイムを出していたんだ。(オーストリア)チームは最近調子を落としていたから、マイヤーの勝利は、チーム全体にとっても意味のあることだよ。”
落ちつき払ったマイヤー
マイヤー自身は今日の勝利にもさほど、驚きはないようだ。”金曜日のレースはすごくいい感じだったから、今日レースをするのが楽しみだったんだ。今日のレースのことは色々考えたよ。勝つ瞬間を夢に見るくらいにね。インスペクションのとき、今日は、難しくて技術のいるコースだと感じたので、いけると思った。特に前半の急斜面ではね。僕は大回転が得意だから、(こういうコースには)合っているよ。前半部分は完璧だった。今週は本当に素晴らしい1週間だったよ。こんなにいい結果がでたんだから。今シーズンの終わりまでには、チーム内での地位を確固たるものにしたいね。”
一度はレースを諦めたマイヤー
マイヤーは15歳の時に膝の怪我を抱え、1度はレースを諦め、スキー教師をしていたが、23歳の昨年からワールドカップを転戦するようになった。実際、マイヤーがオーストリアのナショナルAチームから注目される様になったのは、昨年マイヤーの地元で開催されたワールドカップの大回転で、彼が前走をつとめたとき、非公式ながらレースにでていれば8位に入るタイムをたたき出したからだ。その後、ワールドカップの最終戦で11位にはいるなど、好成績を残した。
”マスコミがうるさかった”とゲディナ
”今日のコースはまるで大回転みたいだったよ。”ゲディナは語った。”おかげでいつもより5秒も長いレースになってしまったよ。(滑降の方が得意なので)今日は、勝つチャンスはなさそうだと思ってたから、なるべくリラックスして滑るようにしていた。土曜日の滑降のレースの前には、すごく緊張していたから、3位に入ってとても嬉しかったんだ。今日みたいな重要なレースの前には、静かに過ごしたいんだ。でも、今週はイタリアのマスコミが大論争を巻き起こしてしまったんだ。メディアは、僕とトンバの間にあることないこと書き立てて、緊張感を作ろうとした。おかげで気が散ってしまったよ。レースで良い結果を出すためには、のんびり幸せな気持ちで望まなくちゃいけないのに、今回はそれが出来なかった。でも、いずれにせよ、今日の2位という結果は、土曜の3位より嬉しいね。”
依然リードを保つアルファンは
”昨日一昨日と、優勝したのに、何で今日は6位だったのかほとんどの人は理解に苦しむかも知れないね。”アルファンは語る。”けど、何人かの人は、僕が素晴らしいレースをしたことに、気がついたかも知れない。今日スタートに立ったときは、昨日ほどアグレッシブな気持ちに慣れなかった。今朝は年(アルファンは32歳)を感じてしまったよ。3日間で、3レースする事は、僕みたいな年寄りには大変な挑戦なんだ。スーパーGと総合争いのポイントを稼げただけでもすごく嬉しいよ。ガルミッシュに来たときは、どちらも考えてもいなかった事だから。昨日の滑降に勝って、滑降のポイントでリードを広げることが目標だったし。これからは、滑降以外のポイントにも注意を払ってみようと思う。強いライバル達にも丁度いいリードを保っているから、なるべくスキーをコントロールして、ゴールすることを目標にして。普通にスキーをすれば表彰台に上がれるんだ。勝ちたいと思いすぎないことが、僕の夢である総合チャンピオンへの近道だと、十分分かっているからね。僕が勝つんだと、あまり深刻に考えないこと、これがいまの目標だよ。”
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World Cup Super G
Garmisch-Partenkirchen
Feb 23, 1997
*編集部の手違いでリザルトが到着しておりません。
大変申し訳ありませんが、ポイントのみの掲載となります。
Cafe de Colombia
Men's Super-G Standings
(Updated: Feb. 23, 1997)
1 Luc Alphand FRA 272
2 Peter Runggaldier ITA 181
3 Hermann Maier AUT 180
4 Atle Skaardal NOR 172
5 Josef Strobl AUT 153
6 Hans Knaus AUT 145
7 Kristian Ghedina ITA 136
8 Steve Locher SUI 134
9 Lasse Kjus NOR 127
10 G殤ther Mader AUT 126
11 Werner Perathoner ITA 115
12 Christian Mayer AUT 85
13 Daron Rahlves USA 84
14 Kjetil AndrAamodt NOR 79
15 Andreas Schifferer AUT 76
16 Patrick Ortlieb AUT 72
17 Bruno Kernen SUI 71
18 Hannes Trinkl AUT 54
19 Ed Podivinsky CAN 50
20 Fredrik Nyberg SWE 48
20 Luca Cattaneo ITA 48
22 Benjamin Melquiond FRA 47
23 Andrej Filischkin RUS 41
24 William Besse SUI 36
25 Patrick Wirth AUT 33
26 Jean-Luc Cretier FRA 32
27 Erik Seletto ITA 30
28 Fritz Strobl AUT 26
29 Stefan Krauss GER 22
30 Frederic Marin-Cudraz FRA 21
31 Janne Leskinen FIN 20
32 Paul Accola SUI 19
32 Chad Fleischer USA 19
34 Werner Franz AUT 18
35 Franco Cavegn SUI 17
36 Lasse Paulsen NOR 13
36 Pietro Vitalini ITA 13
38 Ian Piccard FRA 10
38 Audun Groenvold NOR 10
40 Kenneth Sivertsen NOR 9
40 Alessandro Fattori ITA 9
42 Tobias Barnerssoi GER 8
42 Tobias Hellman SWE 8
44 Jernej Koblar SLO 5
45 Patrick J較byn SWE 4
45 Max Rauffer GER 4
47 A.J. Kitt USA 3
47 Ales Brezavsek SLO 3
49 Tommy Moe USA 2
50 Stefan Stankalla GER 1
50 Peter Pen SLO
Men's Overall (27 races)
1. Alphand, 977
2. Aamodt, 814
3. Ghedina, 802
4. J. Strobl, 674
5. Thomas Sykora, Austria, 668
6. Michael Von Gruenigen, Switzerland, 622
7. Skaardal, 608
8. Knauss, 598
9. Werner Franz, Austria, 569
10. Mader, 505
11. F. Strobl, 497
12. Thomas Stangassinger, Austria, 490
13. Schifferer, 421
14. Locher, 410
15. Kjus, 409
-
45. Matt Grosjean, Aliso Viejo, Calif., 144
61. Rahlves, 84
68. Kyle Rasmussen, Angels Camp, Calif., 65
70. Kitt, 62
72. Fleischer, 59
84. Tommy Moe, Girdwood, Alaska, 39
86. Chip Knight, New Canaan, Conn., 37
NATIONS CUP
(Men/Women)
1. Austria - 9,232 (6,607/2,625)
2. Italy - 5,548 (2,968/2,580)
3. Switzerland - 4,678 (2,706/1,972)
4. France - 3,914 (2,252/1,662)
5. Germany - 3,444 (439/3,005)
6. Norway - 3,177 (2,682/495)
7. Sweden - 2,534 (545/1,989)
8. Slovenia - 1,488 (692/796)
9. USA - 841 (490/351)
10. Russia - 655 (41/614)
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