オモット復活!!

アデルボーデンで14日行われた、大回転で、シュティル=アンドレ=オモット(ノルウェー)が、ミカエル=フォン=グルニゲン(スイス)を0.17秒差で破って優勝を果たした。3位には今季絶好調のオーストリアチームから、アンドレア=シーファーが0.44秒差で入った。

ラッセ=シュースも風邪から復帰

昨シーズンの総合チャンピオン、ラッセ=シュースも、昨年12月始めに行われたブレッケンリッジ以来風邪のためレースをキャンセルしていたが、この大回転で復帰を果たし7位に入った。

グルニゲン総合トップは代わらず

今日のレースでは勝利を逃したグルニゲンだが、2位に入り、確実にポイントを稼ぎ総合トップを走っている。また、今日の勝利でオモットは総合争いでも2位に躍進した。また、総合争いの一角をなすハンス=クナウス(オーストリア)は、この日、1本目2位と、再び総合トップを奪い返すチャンスだったが、2本目のゴール付近で転倒してしまい、ゴール出来なかった。クナウスはウェンゲンのラバホーンコースで行われるレースをキャンセルし、1週間ほど自宅で静養するといっている。

オモット、おおはしゃぎ

1本目は、グルニゲン、クナウス、ザルツゲーバー(オーストリア)に続いて4位だったオモットは、2本目、この3人を抜いてトップに立った。彼はこの勝利に、驚きと喜びを隠せない様子で、勝利の瞬間ゴール付近で、大はしゃぎをしていた。それだけ、この勝利が、オモットにとって大きな喜びと、意味を持っているのだ。

”2本目は前半部分でひどいミスを犯してしまったから、こんないい結果が出るとは、あんまり思ってなかったよ。ラッキーだったのはザルツゲーバーもクナウスも僕より多くトラぶってしまったことだね。グルニゲンもいつも彼より、ミスが多かったし。これまでの勝利のなかでも、この1勝はほんとに大きいよ。アデルボーデンはワールドカップの中でも重要なレースだし、1994年以来、大回転で勝ってなかったしね。先週末のシャモニーで行われた回転は、複合のポイントを少しでも稼ごうとして、(コースアウトしないように)ひどい滑りをしてしまった。それで落ち込んでた後の勝利だったしね。”

”正直言って、アデルボーデンに来たときは、自分自身に猛烈に腹がたってたんだ。それで、みんなよりも速く滑れるんだって事を、証明したかったんだ。それが、良かったんだと思うよ。この勝利で、来週のレースにも自信を持って望めるよ。僕の今季の目標は、総合チャンピオンの座を再び取り戻すことと、この2年間で勝ったより、もっと多く勝利をあげる事だよ。”

”僕は23歳までに大きなタイトルはすべて手に入れるという、すばらしい経歴を身につけた。そのことで、やる気を失って、以前のようにベストを尽くす事に、一生懸命になっていなかったのかも知れない。でも、いまは、レースに出ることもトレーニングをすることも本当に楽しいと感じているよ。シーズンを通して、あまりハードなスケジュールにならないように、幾つか、滑降はキャンセルする事にした。クリスマスの後もボルミオのレースに出る代わりに、トレーニングと休養に当てたんだ。ウェンゲンの滑降も出ないつもりだよ。回転の練習をもっとするためにね。ウェンゲンは、素晴らしいし、キッツほど危険じゃないし、滑っていて本当に楽しい大好きなコースだから、キャンセルするのは残念だけど。”

ブレイクダンスも上手いオモットだが、次にセルトリエールで行われる世界選手権のスーパーGと大回転でも、総合争いと同様、注目を集めるだろう。

”観客に圧倒された”グルニゲン

グルニゲンは、回転と大回転にしか参加していないところからも分かる様に、総合チャンピオンを目指してはいない。彼の目標は、もう一度大回転のタイトルを取ることと、世界選手権で、メダルを取ることだ。アルタバディアとクラニスカゴラで勝って以来、グルニゲンの活躍見ようと、このアデルボーデンにも、彼の8000人のファンが集まった。それが、グルニゲンには強いプレッシャーになったようだ。

”今日はいつもと違って、リラックス出来なかったし、集中力も無かったね。すごい観客で、みんな興奮していたよ。大騒ぎで、まるで、拡声器を通して聞いているようだったんだ。今日の滑りは悪くなかったと思うけど、オモットのようなレーサーに勝てるほど、完璧な滑りではなかったと言うことだ。2本ともあれだけミスをしたのに、表彰台にたてたのだから、良しとしなくちゃね。コースはとても堅くて、トリッキーだった。コースを堅くするために、水がたくさんまかれたんだけど、それで、コースがすごく難しくなってしまったね。今日負けたけれども、それが、プレッシャーになることはないよ。自信も失ってはいないし。いつも1番でいることは簡単な事ではないってことだよ。2月のイタリア(の世界選手権)で、注目を集めるのも僕だけじゃないさ。”

好調オーストリアチーム

オーストリアチームは、この日、大回転で自信初の表彰台にのぼったシーファーの他に、3人がトップ10入りを果たした。これまでに技術系の種目では、1レースを除いて、すべてオーストリア勢が勝利をあげており、その強さを確固たるものにしている。セストリエールの世界選手権では、国別で唯一、金メダルをねらえるチームだろう。

第1シードから、はずれそうなトンバだが...

この日、トンバはレースに参加しなかったにもかかわらず、話題の中心だった。トンバはこの日、風邪によりレースに出ず、ポイントを稼ぐことが出来なかったので、ファーストシードから転落する事となった。現在トンバのランキングは21位で、それで、来月のセストリエールのスタート順が決まることになる。しかし、イタリアのスーパースターは、気にもしないようだ。”セストリエールは素晴らしいコース作りが行われるから、僕の調子さえ良ければ、スタート順なんて全く問題にはならないよ。87年にセストで行われた回転で、初勝利をあげた時も、スタート順は遅かったんだから。”

次のレースは...

次の男子のレースは、今週末、アデルボーデンとちょうど反対斜面になるスイスのウェンゲンで開催される。回転と滑降が行われる予定で、トンバも参加したいと話している。


Copyright 1997 by SkiNet, a division of Times Mirror Magazines



MEN'S WORLD CUP GIANT SLALOM
TUESDAY, JAN. 14
ADELBODEN, Switzerland

Cafe de Colombia Alpine World Cup
1. Kjetil Andre Aamodt, Norway, 2:32.52
2. Michael Von Gruenigen, Switzerland, 0.17 back
3. Andreas Schifferer, Austria, 0.44
4. Heinz Schilchegger, Austria, 0.48
5. Fredrik Nyberg, Sweden, 0.53
6. Guenther Mader, Austria, 0.82
7. Lasse Kjus, Norway, 0.86
8. Rainer Salzgeber, Austria, 0.88
9. Steve Locher, Switzerland, 0.90
10. Alois Vogl, Germany, 1.05
11. Matteo Belfrond, Italy, 1.06
12. Ian Piccard, France, 1.07
13. Jure Kosir, Slovenia, 1.08
14. Patrick Holzer, Italy, 1.15
15. Paul Accola, Switzerland, 1.17
16. Markus eberle, Germany, 1.44
17. Urs Kaelin, Switzerland, 1.64
18. Thomas Grandi, Canada, 1.71
19. Siegfried Voglreiter, Austria, 1.79
20. Ivan Bormolini, Italy, 1.88
21. Harad Christian Strand Nilsen, Norway, 2.04
22. Frediric Covili, France, 2.14
23. Gerhard Koenigrainer, Italy, 2.56
24. Mario Reiter, Austria, 2.74
25. Arnold Rieder, Italy, 2.91
26. Riccardo Rolando, Hometown N/A, 3.66

WORLD CUP POINTS

Overall (18 Races)

1. Von Gruenigen, 577
2. Aamodt, 551
3. Thomas Sykora, Austria, 482
4. Hans Knauss, Austria, 468
5. Kristian Ghedina, Italy, 415
6. Mader, 401
7. Luc Alphand, France, 397
8. Locher, 336
9. Josef Strobl, Austria, 332
10. Voglreiter, 315
11. Atle skaardal, Norway, 297
12. Nyberg, 293
13. Thomas Stangassinger, Austria, 280
14. Werner Franz, Austria, 275
15. Christian Mayer, Austria, 256

GIANT SLALOM

1. Von Gruenigen, 460
2. Aamodt, 301
3. Knauss, 280
4. Locher, 276
5. Nyberg, 252
6. Kaelin, 211
7. Voglreiter, 167
8. Salzgeber, 165
9. Mader, 148
10. Piccard, 145

NATIONS CUP (MEN/WOMEN)

1. Austria - 5,779 (4,181/1,598)
2. Italy - 3,094 (1,596/1,498)
3. Switzerland - 3,011 (1,974/1,037)
4. France - 2,426 (1,285/1,141)
5. Germany - 2,348 (279/2,069)
6. Norway - 1,764 (1,484/280)
7. Sweden - 1,678 (456/1,222)
8. Slovenia - 1,085 (467/618)
9. USA - 544 (318/226)
10. Canada - 422 (366/56)

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