アルファン連日V
ガルミッシュのカンダハーコースで22日に行われた滑降で、フランスのリュック=アルファンが前日のスーパーGに続き、2日続きで優勝を果たした。これでアルファンは今季6勝目。2位には約0.5秒差で、ピエトロ=ビタリーニ、3位にはクリスチャン=ゲディナ(共にイタリア)が入った。スーパーGで2度世界チャンピオンに輝いたアトレ=スコールダルが4位、滑降の世界チャンピオンになったフランコ=カヴェン(スイス)が5位、ブルーノ=ケルネンは不本意な8位に終わった。世界選手権で不調だったオーストリアチームは、このレースでも厳しい結果で、6位に銅メダルをとったGSのスペシャリスト、アンドレア=シーファラー(オーストリア)が入ったのが最高で、高速系のスペシャリスト、フリッツ、ヨセフ両ストローブルも7,8位という結果だった。
2位との差は138ポイント
世界選手権では好調だったノルウェー勢も不調に終わった。セストリエールでは銀メダルをとったラッセ=シュース(ノルウェー)は13位、シェティル=アンドレ=オモット(ノルウェー)も18位に終わった。これでオモットとアルファンの総合ポイントは138ポイント差に広がった。滑降は残り2レースが予定されているが、滑降でも、アルファンは2位のゲディナに111ポイント差を付けており、滑降のワールドカップタイトルをほぼ手中に収めたといえるだろう。
予告通りの勝利
セストリエールの世界選手権ではこの種目、転倒してしまったアルファンは、今日のレースは勝ちたいと公表していたが、そのプレッシャーから来る失敗は見られなかった。いつも通りのスキーをすれば、固い氷と、所々に雪の吹き溜まりのあるトリッキーなコースも、アルファンは完璧にこなせるようだ。実際、難しい雪になるほど、アルファンのスムーズな技術の方が他のライバル達のスキースタイルよりも、有利になる。
”積極的に攻めるのと、スキーをコントロールする事のバランスをとるのに15年もかかってしまったよ。”アルファンは語る。”世界中のほとんどすべての滑降コースで転倒したし、コースに近い病院もみんな知ってるよ。僕は、ずいぶん高い勉強をしたよ。”
アルファンは、1992年にこのコースで、表彰台を目指し激しく攻めたレ結果、ゴール手前付近で転倒してしまった。しかし現在、自信を持ってレースに望んでいるアルファンは、限界を超えることなく、自分の実力を発揮することが出来ている。スムーズなスキーを心がければ、勝つために攻めた滑りをしなくても、結果がついてきているのだ。
”ミスを犯さないように”滑ったアルファン
”今朝はそれほど疲れていなかったしナーバスにもなっていなかった。昨日の夕方から、そうしようとしてたからね。大事なレースの前には2時間くらいリラックスするための時間を持つのが大切なんだ。だから、レースに集中出来るんだよ。滑るの前の2、3時間は最もつらい時間だからね。今日のコースの前半部分みたいに固い雪の時は、すぐに足が疲れてしまうんだ。今日は(現在滑降ポイント2位の)ゲディナが来るんじゃないかと思ってたから、大きなミスだけは犯さない様に気をつけたよ。だから、ゴールで、ゲディナを抜いてトップに立ったと分かった時には本当に嬉しかった。”
再スタートからの2位ビタリーニ
今日のもう一人のヒーローは、再スタートから2位に入ったイタリアのピエトロ=ビタリーニだ。ビタリーニが1回目にスタートした後、高速ジャンプの下あたりで、誤って一般人がコースを横切り、ビタリーニの再スタートが認められたのだ。ビタリーニは、幸運にも高速での衝突は避けることができた。”再スタートそのものよりも、ヘリコプターでスタート地点に帰ってくるときの方が嫌だったよ。パイロットがスタート小屋付近で着陸に失敗するんだもん。でも、2度もチャンスが与えられて良かったよ。2位なんて久しぶりだね”
アルファンにリードを広げられたゲディナだが
チームメイトのビタリーニが0.01秒差でゲディナを上回ったため、滑降のポイントでアルファンによけいな20ポイントを上げてしまった形になるゲディナだが、それほど気にしてはいないようだ。”アルファンは本当に調子がいいよ。2月にウェンゲンで、ゴール付近で転倒してしまった時、ポイントを大きく失ってしまった。首が痛くて、体も動かなくて、キッツビューエルでは自分のスキーが出来なかった。けど、いまはリュッチオ(アルファン)と戦うのを楽しんでるんだ。彼は本当にいい奴だから。”
次のレースは...
日曜にはスーパーGが、再び行われる。アルファンの”ハットトリック”がかかるこのレースだが、”3日間で3勝出来ますか”との質問に、アルファンは”もちろんさ、だっていますごく体調が良いんだ”と答えている。
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Magazines
MEN'S WORLD CUP DOWNHILL
SATURDAY, FEB. 22
GARMISCH-PARTENKIRCHEN, Germany
1. Luc Alphand, France, 1:54.27
2. Pietro Vitalini, Japan, -0.58
3. Kristian Ghedina, Italy, -0.59
4. Atle Skaardal, Norway, -0.68
5. Franco Cavegn, Switzerland, -0.69
6. Andreas Schifferer, Austria, -1.06
7. Josef Strobl, Austria, -1.11
8T Fritz Strobl, Austria, -1.16
Bruno Kernen, Switzerland
10. Peter Runggaldier, Italy, -1.21
11. Werner Franz, Austria, -1.31
12. Werner Perathoner, Italy, -1.81
13. Lasse Kjus, Norway, -1.83
14. Roland Assigner, Austria, -1.98
15T Markus Hermann, Switzerland, -2.01
Paul Accola, Switzerland
17. Luca Cattaneo, Italy, -2.04
18. Kjetil Andre Aamodt, Norway, -2.08
19. Erik Seletto, Italy, -2.10
20. Norbert Holzknecht, Austria, -2.21
21. Cary Mullen, Canada, -2.24
22. Jean-Luc Critier, France, -2.33
23T Hans Knauss, Austria, -2.46
Luke Sauder, Norway
25. Lorenzo Galli, Italy, -2.49
26T Urs Lehmann, Switzerland, -2.60
Hannes Trinkl, Austria
28. Stefan Krauss, Germany, -2.79
29. Max Rauffer,Germany, -2.83
30. Kevin Wert, Canada, -2.94
-
45. Ehlias Louis, Park City, Utah, -4.39
-
DNF: AJ Kitt, Boulder, Colo.; Chad Fleischer, Vail, Colo.;
Mike Makar, Anchorage, Alaska; Jason Rosener, Breckenridge, Colo.
Cafe de Colombia World Cup Standings
Overall
1 Luc Alphand FRA 937
2 Kjetil Andre Aamodt NOR 800
3 Kristian Ghedina ITA 722
4 Thomas Sykora AUT 668
5 Josef Strobl AUT 645
6 Michael Von Gr殤igen SUI 622
7 Hans Knaus AUT 580
8 Werner Franz AUT 569
9 Atle Skaardal NOR 548
10 Thomas Stangassinger AUT 490
10 G殤ther Mader AUT 490
10 Fritz Strobl AUT 490
13 Andreas Schifferer AUT 385
14 Steve Locher SUI 384
15 Lasse Kjus NOR 349
16 Sebastien Amiez FRA 336
17 Siegfried Voglreiter AUT 331
18 Christian Mayer AUT 325
19 Fredrik Nyberg SWE 309
20 Werner Perathoner ITA 300
20 Bruno Kernen SUI 300
22 William Besse SUI 295
23 Pietro Vitalini ITA 293
24 Alberto Tomba ITA 292
25 Franco Cavegn SUI 284
26 Jure Kosir SLO 281
26 Tom Stiansen NOR 281
28 Mario Reiter AUT 268
29 Finn Christian Jagge NOR 244
30 Kiminobu Kimura JPN 239
31 Patrick Ortlieb AUT 229
32 Peter Runggaldier ITA 220
33 Urs K獲in SUI 211
33 Paul Accola SUI 211
35 Hannes Trinkl AUT 197
36 Ed Podivinsky CAN 196
37 Ole Christian Furuseth NOR 186
37 Markus Eberle GER 186
39 Rainer Salzgeber AUT 165
40 Matteo Nana ITA 164
41 Hermann Maier AUT 162
42 Martin Hansson SWE 159
43 Ian Piccard FRA 155
44 Luca Cattaneo ITA 149
45 Patrick Holzer ITA 144
45 Matthew Grosjean USA 144
47 Andrej Miklavc SLO 129
48 Andrea Zinsli SUI 128
49 Markus Herrmann SUI 127
50 Thomas Grandi CAN 123
51 Gerhard K嗜igsrainer ITA 122
52 Adrien Duvillard FRA 119
53 Heinz Schilchegger AUT 115
54 Roland Assinger AUT 111
55 Fabrizio Tescari ITA 107
56 RenMlekuz SLO 105
57 Yves Dimier FRA 100
58 Fran腔is Simond FRA 98
59 Stefan Krauss GER 97
60 Michael Tritscher AUT 85
61 Daron Rahlves USA 80
62 Cary Mullen CAN 77
63 Luke Sauder CAN 76
64 Mitja Kunc SLO 74
64 Alois Vogl GER 74
66 Kyle Rasmussen USA 65
67 Jean-Luc Cretier FRA 64
68 Harald Strand-Nilsen NOR 63
69 A.J. Kitt USA 62
70 Pierrick Bourgeat FRA 61
71 Matjaz Vrhovnik SLO 55
72 Fabio De Crignis ITA 52
72 Chad Fleischer USA 52
74 Erik Seletto ITA 51
75 Tobias Barnerssoi GER 49
76 Mika Kullervo Marila FIN 48
77 Benjamin Melquiond FRA 47
78 Kevin Pace FRA 46
79 Konrad Kurt Ladst閣ter ITA 42
80 Kevin Wert CAN 41
81 Norbert Holzknecht AUT 40
82 Tommy Moe USA 39
82 Joel Chenal FRA 39
84 Chip Knight USA 38
85 Christophe Saioni FRA 35
86 Rob Boyd CAN 34
86 Audun Groenvold NOR 34
88 Johann Wallner SWE 33
88 Patrick Wirth AUT 33
88 Urs Lehmann SUI 33
91 Pierre Violon FRA 32
91 Vincent Millet FRA 32
93 Alessandro Fattori ITA 30
94 Achim Vogt LIE 29
94 Matteo Belfrond ITA 29
94 Ales Brezavsek SLO 29
97 Andrej Filischkin RUS 27
98 Jeff Piccard FRA 24
99 Ivan Bormolini ITA 22
100 Janne Leskinen FIN 20
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