ケルネンが滑降を制す

8日に行われた世界選手権の滑降で、スイスのブルーノ=ケルネンがノルウェーのラッセ=シュースを0.07秒差で押さえて、金メダルを獲得した。これで、これまでの歴史の中で、スイスチームが獲得した金メダルの数は、10個目となる。また、3位には、地元イタリアのクリスチャン=ゲディナが0.35秒差で入った。また、このレースでも活躍が期待されていたフランスのリュック=アルファンは、コース前半で転倒。ヨセフ=ストローブル、フランツ=ワーナー(共にオーストリア)も、コース中盤で転倒しゴールできなかった。また、2週間前のキッツビューエルの勝者フランツ=ストローブル(オーストリア)はたった0.01秒差で、メダルレースとしては一番残念な4位に終わり、メダルを逃してしまった。昨年のシェラネバダの同種目の金メダリスト、パトリック=オルトリープ(オーストリア)も8位に終わった。ワールドカップの上位選手も、トリッキーなこのコースで、ミスを連発してしまった。

今季不調の選手ほど活躍?

世界選手権が始まってから3レースで、今季上位に顔を出していなかった選手がレースで活躍している。スーパーGのアトレ=スコールダル、複合のシェティル=アンドレ=オモット(共にノルウェー)、そして今日のケルネンもすべて、自分の得意種目では今シーズン、勝利を挙げていなかった。ケルネンのここ2カ月間の成績はシャモニーの7位が最高だった。

けがを押しての活躍

ケルネンは、ウェンゲンで行われた滑降でコースアウトし、大転倒をして、しばらくの間、首の捻挫とひどい頭痛に悩まされていた。この世界選手権までに回復するか心配されていたのだが、ケルネンは、”レースに出て自信を取り戻すことこそ早道”と考え、このレースの2週間前のキッツで行われた滑降に参加し、12位に入っている。また、天候も彼に味方をした。セストリエールに入ってからの1週間は晴天に恵まれ、ケルネンは十分にトレーニングを行うことが出来、公式練習までには徐々に調子を取り戻すことが出来た。このコースも、前半は固い氷のバーン、中盤はジャンプ、後半はテクニカルなカーブが続くなど、ケルネンの滑りに向いてた。

”ゴールすること”を目指したケルネン

ケルネンは語った。”(前に行われたスーパーGで、)銀メダルをとって、すでに目標としていたメダルの獲得は達成していたから、それほど緊張はしなかったよ。勝つことは考えすぎない様にしたかったんだ。ともかく無事にゴールする事だけを目指したよ。ゴールしなくちゃ、表彰台に上がるチャンスも全くなくなっちゃう訳だから。だから、無事にゴールラインを通過したときには嬉しかったよ。けど、スコアボードをチェックして、自分の名前が1番になっているのを見たときは、びっくりだった。信じられなかったよ。”

不幸中の幸い、アルファン

転倒しゴールできなかったリュック=アルファンだが、両足を開いて前に転倒し、胸を雪面にたたきつけられたにも関わらず、ラッキーなことに大した怪我もしなかった。”今日はひどい日だったんだろうけど、でも、運が良かったと感じてるよ。また怪我をして、選手生命を終わらせたくは無かったからね。だから、僕を応援してくれた人も(ゴールできなくても)がっかりしないで欲しいんだ。僕は失敗した訳じゃない。ちょっと力が入りすぎちゃっただけ。”

期待が大きすぎたか、ゲディナ

地元イタリアのゲディナは、イタリアのファンの大きな期待と、連日のメディアの取材で大きなプレッシャーを感じていたようだ。ゲディナはシェラネバダで銀メダルを獲得した後、金メダルをずっと目標にしてきた。”コースは良かったし、調子もいいし、その2つがそろえば上手く行くことは分かっていたよ。ストローブルは、0.01秒差で4位だったし、アルファンみたいにゴールできなかった事を考えれば、表彰台にたてたことは、素晴らしい事だよ。地元イタリアで、世界選手権を勝つことは夢だったけどね。”

金を逃したシュースだが

ラッセ=シュースは、複合の5位に続き、滑降でも金メダルを逃した。”0.07秒差なんて言わないでくれよ。少なくとも、ノルウェーの選手が表彰台に上がっているんだから。今日の結果には満足しなくちゃ。滑降では、本当にしばらくぶりの2位なんだから。けど、金メダルまで、ほんのちょっとだったなぁ。”

次のレースは...

男子の次のレースは、大回転が行われる。オモットや、シュースなどが上位に顔を出してくるだろう。また、スイスのミカエル=フォン=グルニゲン、スティーブ=ロッヒャー、オーストリアのハンス=クナウス、イタリアのアルベルト=トンバ等も、メダル争いの中心になりそうだ。


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Courtesy Sestriere Winter Sports Club
  Pos. FIS Code         Competitor           Nation       Time     Diff.
   1 J 510478   KERNEN Bruno Ii            SUI           1:51.11
   2 J 420470   KJUS Lasse                 NOR           1:51.18      0.07
   3 J 290255   GHEDINA Kristian           ITA           1:51.46      0.35
   4 J 50182    STROBL Fritz               AUT J         1:51.47      0.36
   5 J 50124    SCHIFFERER Andreas         AUT J         1:51.89      0.78
   6 J 510035   CAVEGN Franco              SUI J         1:52.02      0.91
   7 J 290573   VITALINI Pietro            ITA J         1:52.04      0.93
   8 J 50144    ORTLIEB Patrick            AUT J         1:52.25      1.14
   9 J 420382   AAMODT Kjetil Andre        NOR J         1:52.28      1.17
  10 J 100465   PODIVINSKY Ed              CAN J         1:52.41      1.30
  11 J 290117   CATTANEO Luca              ITA J         1:52.53      1.42
  12 J 290466   RUNGGALDIER Peter          ITA J         1:52.70      1.59
  13 J 510029   BESSE William              SUI J         1:52.86      1.75
  13 J 420182   SKAARDAL Atle              NOR J         1:52.86      1.75
  15 J 190096   CRETIER Jean-Luc           FRA J         1:52.93      1.82
  16 J 530391   ROSENER Jason              USA J         1:53.16      2.05
  17 J 200170   KRAUSS Stefan              GER J         1:53.22      2.11
  18 J 530240   FLEISCHER Chad             USA J         1:53.27      2.16
  19 J 100294   STEMMLE Brian              CAN J         1:53.57      2.46
  20 J 510476   HERRMANN Markus            SUI J         1:53.60      2.49
  21 J 100354   MULLEN Cary                CAN J         1:53.64      2.53
  22 J 100628   SAUDER Luke                CAN J         1:53.73      2.62
  23 J 530194   KITT A J                   USA J         1:53.75      2.64
  24 J 350041   HASLER Juergen             LIE J         1:53.77      2.66
  25 J 190462   MELQUIOND Benjamin         FRA J         1:53.97      2.86
  26 J 500150   JAERBYN Patrik             SWE J         1:54.00      2.89
  27 J 180064   LESKINEN Janne             FIN J         1:54.12      3.01
  28 J 560013   BREZAVSEK Ales             SLO J         1:54.24      3.13
  29 J 220003   BELL Graham                GBR J         1:54.38      3.27
  30 J 480031   FILISCHKIN Andrej          RUS J         1:54.65      3.54
  31 J 531040   RAHLVES Daron              USA J         1:54.74      3.63
  32 J 420681   SIVERTSEN Kenneth          NOR J         1:54.75      3.64
  33 J 300320   TOMII Tsuyoshi             JPN J         1:54.99      3.88
  34 J 480010   PRIHODCHENKO Dmitrij       RUS J         1:55.14      4.03
  35 J 20003    LOPEZ Santi                AND J         1:55.78      4.67
  36 J 170050   ALBERTSEN Johnny           DAN J         1:57.78      6.67
  37 J 170039   BROBERG Tejs               DAN J         1:59.05      7.94
  38 J 180251   PALANDER Kalle             FIN J         1:59.16      8.05

  39 J 270016   SCHWARZACHER-JOYCE Paul    IRE J         2:00.40      9.29
                Patrick
  40 J 170021   LINDBLAD Bo                DAN J         2:00.52      9.41
  41 J 680002   DJIDJISHVILI Zourab        GEO J         2:00.63      9.52
  42 J 110033   GROB Rainer                CHI J         2:01.17     10.06
  43 J 60088    VAN DEN BOGAERT Jeroen     BEL J         2:03.26     12.15
  44 J 690013   SKRIABIN Nikolay           UKR J         2:04.44     13.33
  45 J 60009    STAPPERS Eric              BEL J         2:04.79     13.68
  46 J 680006   NASKIDASHVILI David        GEO J         2:04.85     13.74
 Did not start
 J     170037   HARDENBERG Arne            DAN J
 J     400052   MAN DE Harald Ii           NED J
 J     400010   WAREMAN Hayo               NED J
 Did not finish
 J     190010   ALPHAND Luc                FRA J
 J     50043    FRANZ Werner               AUT J
 J     50149    STROBL Josef               AUT J
 
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