X線検診(X-ray)

胃癌の検診方法にはX線(レントゲン写真)診断の他に、
内視鏡診断、生検(バイオプシー)、画像診断、血液診断等の方法がる。
胃癌の検診とは胃粘膜の癌による変化の有無を調べることである。
X線診断は体の外から胃の状態を見ようと云うものである。
通常の方法は粘膜法(レリーフ法)と、今主流の二重造影法などがあり、
これらの方法で撮影された写真で診断する。
二重造影法は、陽性造影剤と陰性造影剤の両方を使って、
二重コントラストを作り出す方法で、日本独自に開発されたものである。
この造影法のお陰で沢山の早期胃癌が発見された。
検査は、前日から絶食し胃を空っぽにして、ラムネのような発泡剤を飲んだ後、
膨らんだ胃の中にバリュームを300ccほど流し込む。
バリウムは胃粘膜凹凸部分を浮き上がらせるペンキの役割をする。
体を上下左右に回し胃壁全体の映像が撮影できるようにする。
この写真の映像から癌浸潤の広がりが診断できることがある。
「最新がん全書」(世界文化社)より抜粋

コンピューテッドラジオグラフィー(CR法)

最近我が国で開発されたCR法(コンピュータによるX線写真)によりX線検診も変革している。
この方法はフィルムの代わりに蛍光画像版(イメージングプレート)を用い、
画像をレーザー光でなぞりデジタル画像に変換する。
この画像情報をコンピュータ処理して見やすい画像に表現する。
今まで表示できなかった胃内面の微小な変化を浮き上がらせることができる。
結果として、ベテランの医師でも難しかった初期の判定が可能になった。
又、X線の被爆量を少なくできる利点もある。

「最新がん全書」(世界文化社)より抜粋