2004年カウアイフィールドワーク日記 ワイメア東本願寺のいま

ワイメア東本願寺は、サトウキビ耕地での労働移民として到来した日本人たちが創建した、カウアイでもっとも古い寺院です。戦前は、日本語学校が併設され、日系二世たちの教育施設としても活動を続けました。しかし、真珠湾攻撃によって始まった太平洋戦争の中、開教使たちは、アメリカ本土に抑留され、寺は閉鎖、日本語学校は廃校になりました。戦後、寺は再建されましたが、日本語学校は再建されませんでした。

ワイメア日本語学校の卒業式(1930年代)

戦後、再建された寺には、日本からふたたび開教使を迎え、活動が続けられました。日系人は、一世の時代から2世、3世の時代へと移り、現在の寺の門徒(こちらではメンバーといいます)たちの中心も、高齢の2世から3世世代へと移りつつあります。1992年にカウアイを襲ったハリケーン・イニキによる被害は甚大で、寺も全壊しました。現在の開教使である藤森宣明氏とメンバーの方々の努力によって、現在の形に再建されました。仏教の教えと社会問題の解決の中で実践する考え方をとる藤森開教使の発案によって、環境問題への取り組みやハワイ人と北海道のアイヌとの先住民同士の交流活動も始められています。
現在のワイメア東本願寺

9.11事件を祈念し、その後起こった戦争への抗議のために、お寺にかかげられた平和の旗。学生たちの平和への寄せ書きが書かれています。



今年も、またひとつ増えていた藤森先生の池!ご本人は、ただ木が枯れた跡を池にしたといっておられますが。