『ハワイ』(岩波新書)1994年がこの春10版を重ねました。

 ご愛読いただき、ありがとうございました。およそ毎年、重版のおしらせを出版社から頂戴すると、春は初夏に移っていきます。我が家だけの歳時記のささやかな一項でもあります。
すでに、10年を重ねましたので、たとえば、オアフ島ワイキキにある陸軍の保養施設フォートデリューシがホノルル市に返還され、軍事博物館の建つ公園になっていたりするなど、ときの経過を感じさせます。改訂することはおそらくないかもしれません。でも、本書が提示した「複合文化社会」としてのハワイについて、ポリネシア系先住民の文化復興について、その後、多くの書物がだされ、ひろく日本の人々のハワイ認識をかえていきました。本書が、その最初のきっかけのひとつとなったことに心から喜びを感じます。
 さて、ウエッブで紹介された読書評を集めてみました。ご参照下さい。



目次
序 もうひとつのハワイへ
1 ポリネシアの一諸島としてのハワイ
2 移民たちの島
3 すばらしきマルチエスニック・ライフ
4 幻想のパラダイス
5 アメリカのハワイ、日本のハワイ
6 日系人たちのいま
7 ハワイアン・ルネッサンス
付録 ハワイ史を歩く人のためのガイド


読書評

・ハワイの歴史・多民族の国ハワイを、とても分かり易く興味深く学ぶことが出来ます。(お薦めハワイMONO)
http://www.lococlub.com/s.mono.htm

・主として民族問題にテーマを絞り、複合文化社会の長所・短所についてわかりやすく解説している。また、視点のつに「ハワイにおける日本人のありかた」とでもいうべきものがあり、明示的に書かれているわけではないが、「ニッポン人観光客」に対して、かなり醒めた視線があるような気がする。(神話伝説ライブラリー:ハワイの歴史・社会)
http://www.legendaryhawaii.com/library/bkhs.htm

・ハワイに行く前には、ガイドブックやショッピングガイドだけでなく、この本を読むのも良いだろう。ハワイにはポリネシア系、白人系(コーカサス)、日系、韓国系、フィリピン系など他民族が住んでいる。アメリカ50州の中で唯一白人がマイノリティである州なのだ。それぞれの民族はハワイにおいてそれぞれの歴史を持って生活している。真珠湾の奇襲と太平洋戦争はその後のハワイの日系人に大きな影響を及ぼしている。この本を読んハワイを訪れると、今までと違ったハワイが見えてくる。(山岡耕春名古屋大学教授)
http://www.seis.nagoya-u.ac.jp/STAFF/ymok/misc/new_books/books.html

・御存知、岩波新書によるハワイの歴史と文化の解説書です。
前者2冊に比べずっと「お堅い」文書ですが、内容は凝縮しており、これ一冊でもハワイの歴史と文化の大筋が解ります。鞄の中に常時「ハワイ」を入れておくには適当なものです。(アロハ家族のハワイ関連蔵書)
http://homepage2.nifty.com/ULU/page060.html