ヤイユーカラの森 鹿狩りキャンプの記録


08年2月9〜11日、アイヌ民族伝統の追い込み猟の復興活動に取り組んできた「ヤイユーカラの森」が主催する恒例の「鹿狩りキャンプ」に参加した。はじめての鹿狩り。緊張しながら、釧路市阿寒町に向かった。以下は、その写真レポートです。


朝のミーティングで狩り場の説明と鹿狩りの段取りを打ち合わせる。陣頭指揮をとるのは、樺太アイヌの血を引くハンターの山下さん。


打ち合わせが終わると、出発。


狩り場に着くと早速、森歩きの準備。まず、スノーシューをはく。カントリースキーをはく参加者も。


ハンターたちは、銃の準備。             狩猟許可のバッチ。


猟場でこれからの追い込みについて最後の段取り。参加者に指示をあたえる山下さん。


鹿を森から追い出すのが「勢子」。健脚の「勢子」組志願者たちが山下さんにつづく。


追い込まれた鹿を待ち受けて捕るのが「待ち」とよばれるハンター。「待ち」を担当する桜井さん。


桜井さんにつづいて、「待ち」組の参加者が森に入っていく。


追われてきた鹿を逃がさないため、10〜20メートルの間隔をあけて森を進む。


鹿の歩いた足跡。森には、鹿がいつも通る鹿道ができている。


途中、他のハンターたちが、撃った鹿の屍骸があった。必要な部位の肉だけをはずして、頭や足などを棄てていくハンターたちも多い。棄てられた屍骸は、鳥やけものたちによって、きれいに骨だけにされていた。


昨年、鹿をとらえた山を指差す桜井さん。


しかし、ことしは、雪がすくなく、なかなか鹿たちは山奥から里近くへおりてこない。
銃も出番がなかなかこない。


空は快晴。気温は低いが、太陽が顔を出すと、体感温度があがって、心地よい。


桜井さんは、無線で勢子の山下さんに、鹿を追い出すために「勢子弾」を撃つように要請。
しかし、鹿は飛び出してこなかった。勢子弾に驚いて、オジロワシが飛び出してきた。


やがて、山下さんたち勢子組の面々が森からあらわれた。鹿を挟み撃ちにする予定だったが、鹿はおらず、森の中で、勢子組と待ち組が無念の再会。



鹿は捕れなかったものの、雪の山野を歩いて、大満足。記念写真をとりあった。



そして、宿舎の公民館へと帰路に着いた。



最後に、無事鹿狩りを終えることができたことを鹿の神様に感謝をささげるカムイノミを行った。



捕獲した鹿の頭を捧げる。



神戸に送る鹿肉について、ハンターの大井さんと打ち合わせ。「遅くなってごめんなさい。でも、愉しみにしていてください」と大井さん。「よろしくお願いします」とわたし。



さて、鹿狩りを終えた夜は、待望の宴会。宴会準備のお酒の世話をする計良さん、ヤイユーカラの森の代表。



栄養豊富な熊汁を準備する智子さん。計良さんのお連れ合いで、アイヌ刺繍作家で教室も開いている。



脂ののったロースは焼肉に。この鹿肉は、山下さんがキャンプの前日に捕った雌鹿だった。とても良質な鹿だったとのこと。



フィレは生のままユッケに。



焼肉奉行の桜井さん。参加者一同、お腹一杯自然の恵みを満喫した。感謝。



宴会がたけなわに。計良さんが総括のスピーチをして、締めくくり、来年の豊猟を祈願した。