レーザー治療の宣伝文句に見られるウソ・ホント

宣伝文句
解説
痛みが全く無く歯茎や歯を削ることができる。 × ごく浅い部分であればそれほど痛くはないが、それでもチクチクとした感じはある。例えば歯を削る場面では機械的に削った場合でもそれは同様の事である。歯周治療にしろ歯を削る治療にしろ深い部分を削るには従来通りの麻酔が必要になる。レーザーは前述の通り、光の束であるので照射された組織の表面は相当な発熱がある。痛みを和らげたり、組織の壊死を防ぐには冷却が必要で、できれば水による冷却が望ましい。
恐怖感がなく、精神的苦痛を和らげる。 高出力のレーザー機器は音が相当にうるさい。キーンという音はしないが「音がしないので恐怖感が無い」は間違っている。精神的苦痛は歯科医師の治療の進行に大きく左右されるので「レーザー治療=精神的苦痛が無い」ではないはずである。
レーザーで切開すると傷が治りやすく感染のリスクが少なくなる。

レーザーに照射された部分は瞬間的に蒸発してしまう(蒸散)。このため炎症性の組織や、細菌、ウイルスが残留しにくく、術後に炎症が引き起こされる確率が減少する。当医院では切開の時に必ずEr.Yag LASERを使用するが、このため使用していなかった過去と比較して現在では圧倒的に術後の腫脹(はれ)、疼痛(痛み)が減少した。

レーザーに照射された組織の周囲は活性化され、傷が治りやすい状態が作られる事もわかっているので、この性質も傷の治りに一役かっていると言えよう。

レーザーさえあればどんな治療も可能である。 × あくまでも補助器具
レーザー治療は高価。 × 現在ではそれほど珍しくも無く、補助的に利用されている。当院でも保険の治療の流れの一部の器械としてとらえている。私は「適材適所」と言う言葉を大切にしています。

 文責 石川歯科クリニック 石川博久 (2005.9.1)